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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第6章 徐州混乱
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第48話

両陣営の動きが両極端です…。

愛紗が自宅謹慎の処分を受けてから、しばらくすると町ではこんな噂が聞かれた


「関羽様が、劉備様の元を離れ、曹操様のところに行くのではないかと…」


勿論、町の皆は普段の愛紗の行動などを見て、その噂は誰も信じてはいなかった。しかし一部の兵士が酒などの席等で愛紗が謹慎になっている話が出始めてからは、その噂は可能性が無いわけではない話だと人々は想像の羽を広げ、徐々に噂は広がり始めたが、流石に信憑性がないため信じられることは無かった。しかしそれは人々の心の片隅に印象付けることとなった……。


そんな中、雛里と凪たちにもその噂を耳にし


「雛里、聞いたか町中の噂を?」


「はい…。恐らく曹操さん辺りが流している噂でしょうが、現在のところその様な事実はありません。私達この噂を信じてはいませんし、普段の愛紗さんの言動からも町の皆も信じられていませんが、楽観視出来ません」


「取り敢えず、私は桃香様と共に他の文官の方や町の有力者等に当たり、不穏な噂を信じないよう注意喚起を行い、城の壁紙などにも不用意な噂を流布しないように掲示します」


「そうだな。私の方は取り敢えず武官や兵たちにも伝え、更に酒の席などでの不用意な発言をしないように伝えておく」


雛里と凪は取り敢えずの対策を取り、穏便に事態の収拾を図ろうとした。


そんな中、愛香は現在愛紗の部隊の隊長代行を勤めていたが、愛香の立場は微妙なものであった。


桃香たちからは一応真名は預かり、そして凪たち武官とは仲良く付き合っていたものの、桃香・雛里と愛香の間はあまりしっくりしていなかった。


というのは、桃香と愛紗の関係は対袁術戦前に話し合いは平行線に終わり、その後愛紗の暴行事件で愛紗は謹慎処分を受けたが、愛紗自身は自分自身の処分について異論は無かったものの、義妹の愛香は、桃香と雛里に対し不満を持っていた。


愛香は当初桃香たちの誓いを聞き、桃香が素晴らしい人物だと思っていた。


しかし愛紗の処分について、愛香は雛里の当初の処分(丈叩きの刑30回を主張したこと)を主張してことについて、「義姉の行為の許されるものではないが、処分の内容が余りにも不公平感がある」と受け取ってしまった。後に鈴々たちの助言もあり撤回はされたが、そんな雛里を重要視している桃香に対し「なぜ誓いを結んでいる義姉よりも雛里を重視しているのか」のかと不満を持つようになり、更に愛紗が桃香・雛里の関係が芳しくない話を聞いたことから、雛里の当初の処分が義姉を蹴落とすための策略ではないかと勘繰り、そして感情的な部分も入ってしまったため2人を敵視するようになっていた。


愛紗からは、噂話に惑わされずに自分自身の目で判断するように言われていたが、まだそこまでの判断ができない愛香は、


「愛香ちゃん?何か不機嫌そうな顔をしているけど、何かあったの?」


「いいえ…、何もありません」


桃香は愛紗のことが心配で


「ところで愛紗ちゃんは、元気にしてる?」


「ええ…桃香様のお蔭で、義姉は屋敷で淋しそうな顔をしながら本などを読んでいます」


桃香からの質問に対しても、愛香は明らかに不機嫌そうな顔をして素っ気なく答え、


「では桃香様用が無ければ、これで失礼します」


一方的に会話を打ち切り、部屋をさっさと出て行ってしまった。


これを見た桃香は悲しそうに溜め息をついて


「私たち、愛香ちゃんから完全に嫌われているね…」


「仕方ありません。最近の私たちと愛紗さんの仲がうまくいっていないこともありますし、それに最初に私が愛紗さんに厳しい処分を主張しましたから」


「でも桃香様、私がああでも言わなければ、桃香様が処分を曖昧の儘にする恐れがありましたので…」


桃香と一緒にいた雛里が、愛紗の処分について苦しい胸の内を語った。


それを聞いた桃香はそれを咎める訳ではなく


「それは自分でも分かっているよ雛里ちゃん。この処分については、きっと愛紗ちゃんも分かってくれているし、愛香ちゃんもその内雛里ちゃんのこと、分かってくれるよ」


桃香がそういうと雛里は小さく無言で頷いた。


一方愛香は、不満を抱いたまま屋敷へ戻ろうとした時に、門を守っている衛兵から


「関平様、先程同郷の方が来られまして、手紙を渡すように言われまして…」


「ふむ…、その持って来た者の名は聞いているか?」


「聞きましたが、手紙を見れば分かると言って立ち去りました」


愛香は衛兵に礼を言うと手紙を読み始めると、確かに手紙には同郷の者の名が書かれ、そして今、町に来ているので、仕事が終われば、久しぶりに会いたいので、待ち合わせである料理屋まで来て欲しいと書かれていた。


愛香は、久しぶりに友人に会いたかったし気分転換もしたかったので、喜んでその手紙に書かれている料理屋に向かった。


そして愛香が店に行き部屋に案内され、部屋に入ると…


「お待ちしていました~関平さん」


明らかに同郷の者と違う、程イクこと風が部屋に待っていたのである。


これには流石の愛香も驚き


「貴女、いったい何者ですか…?」


「まあまあそう殺気立てないで下さい~、私は唯の文官で、貴女を殺すような力はありませんので~」


「それに勝手に貴女の友人の名を騙ってしまい申し訳ありませんでした」


「立ったままでのお話も何なので、座ってお話をしましょう~」


風が何時も通りの呑気な口調で愛香に着席するように言うと愛香も少し落ち着き、周りを見て付近に不審者等の殺気や違和感をないことを確認してから着席した。


愛香が着席すると風が


「はじめまして、私、曹操様に仕えている程イクと申します。以後お見知り置きを~」


愛香は程イクの名を聞いて流石に驚いた。まだ曹操軍とは直接の敵対関係ではないが、親しい交友関係でもない。なぜ曹操軍の者が大胆にも単独で敵地に乗り込み自分に会いに来たのか疑問に思った。


愛香が緊張しながら警戒した表情を浮かべながら


「その曹操軍の方がなぜ私に会いに来たのですか?」


「実は貴女と関羽さんを我が軍に引き入れたいと思い訪ねて来ました~」


愛香は風の問いを理解するのにしばらくの間を要し


「え?曹操殿が私たちを引き抜きに来たのですか?」


「はい~我が主君は有能な人物を常に求めておりまして、ぜひ勇猛果敢な貴女方に我が軍に来ていただきたくて~」


風がそう告げたが、愛香は少し冷静になったのか


「話は分かりましたが、私はまだ戦場にも出ていない未熟者なのに程イクさんはなぜ私を勇猛だと分かりますか?貴女の目的は私ではなく義姉上ですか」


愛香がそう切り返したが、風はそれに動じることなく


「ばれてしまいましたか。最近噂では、関羽さんと劉備さんの仲がしっくりしてないと聞いています。更に関羽さんが謹慎しているとお話を聞きまして、もし関羽さんが劉備さんを見限るのであれば…」


「話は分かりました。曹操殿の好意は嬉しいですが、私たち義姉妹は二君に仕える心などは持ち合わせておりません」


愛香は風の話を途中で切り、即答で勧誘の話を断った。


愛香が席を立ちこの場を去ろうとすると風が再び愛香に声を掛け


「では関平さん、この話はこれで終わりますので2つだけ約束して下さい~」


「聞ける話と聞けない話がありますが」


「いえいえ、1つがこの手紙を関羽さんに渡すだけ渡して下さい。もう1つはこの話を少なくとも明日まで黙っていて下さい。もしばれると私が捕まりますので~」


そう言いながら風が愛紗宛てへの手紙を差し出すと、愛香は一瞬これを考えたが手紙を受け取り


「義姉上に手紙を渡すだけ渡しますが返事はないものと思って下さい。もう1つの件は約束しましょう。私も武人の端くれ、貴女の敵地に乗り込む度胸に免じてそれは明日まで黙っておきます」


愛香はそう告げると部屋を立ち去った。


「これで第一段階の仕込みは終わりましたね~」


そして部屋に残された風は他人に聞こえないよう、そう呟いていた…。


~長安~


長安に戻り、溜まっている案件を整理をしている一刀たちであったが、朱里が漢中に出張したため、更に案件が片付かない状態であった。


そんな中、


「だーやってられねー!」


執務室で翠が自棄っぱちな大声を出すと


「五月蝿いね…、フッ!」


真理が机に置いていた小銭一枚を翠の顔に投げ付けると、これが翠の額に見事に命中して


「う~痛い~」


と手で額を押さえていた。


「翠、あんたこれで3回目だよ。大人しく仕事できないの」


「だってよ…、私、机仕事苦手なんだよ。何でこんなことしてるんだ~」


「お姉様しょうがないじゃん、私たち霞との勝負に負けたんだからさ」


嘆いている翠を横目に同じように蒲公英が隣の席ぼやいていたが、これは書類が溜まる一方であったため、一刀は紫苑、真理だけでは片付けられないと判断。今、長安にいる武官、翠・霞・蒲公英の3人の内2人を書類整理部隊に来るよう強制したが、当然書類整理が嫌いな3人はこれに反対、しかし一刀は逃げて指示に従わない場合、罰を与えると言明(因みに逃げた場合の罰は、翠は食事制限、霞は禁酒、蒲公英は給料天引きというお仕置き)したため、渋々3人は、くじ引きで勝負した結果、霞が勝ち、翠と蒲公英が書類整理部隊に回ってきたのであった。


だが根っから、頭より身体で考える(俗にいう脳筋)翠は途中で癇癪を起こし、大声を出して騒いだが、その都度、真理に制裁を加えられていた。


そして翠が蒲公英に半分泣き付きながら


「なあ蒲公英~、何か好きな物買ってやるからよ~。これやってくれよ~」


どちらが姉か分からない態度を取っていた翠を見かねて、紫苑が


「あらあら駄目よ。翠ちゃん、自分の分はちゃんとしないと」


紫苑が指摘するも蒲公英は急に悪巧みを思い付いたような顔をしながら


「ねぇねぇご主人様、紫苑、真理、ちょっと耳貸してくれる?」


蒲公英が一刀のところに行き、4人は囲んで蒲公英が小声で説明をすると、それを聞いた一刀たちは


「それはいいけど、できるか?」


「蒲公英ちゃん、それ面白そうね。私も協力するわ」


「私も見てみたいし、それにこのまま翠が居ても五月蝿くて仕方がない。翠の分を3人で分けてやってくれるならいいよ」


真理がそう言うと3人が承諾したので、蒲公英が


「お姉様、蒲公英、今のところ別に欲しい物はないけど、取り敢えず明日、この作業の代わりに1日力仕事やって欲しいの。それだったら今日の仕事は免除してもいいよとご主人様たちがそう言っているの、どうする?」


「力仕事だろやるやる!こんな机仕事よりまだ力仕事の方がマシだよ」


翠は仕事の内容を聞かずに承諾したのを見て、蒲公英は内心予定通りを笑っていたが、それを顔には出さずに


「じゃ明日の仕事の内容については、またお姉様に教えるから、今のやっている分だけ仕事だけ片付けてね」


蒲公英がそう言うと翠は喜んで残りの仕事を片付けて部屋を出ていった。


残された4人はやれやれという顔をして残りの仕事を片付けたのであった。


そして翌朝、一刀は自分の部屋で寝ていると、一人の女性が部屋に入って来て、寝ている一刀を見て


「ご主人様、まだ寝てるのかよ…」


そう呟きながら、


「ご主人様、朝だぞ起きろよ」


その女性は一刀の身体を揺さぶりながら、起こそうとしていると、寝ぼけている一刀は何故か右手を広げて、その女性の方に伸ばしてくると、その女性の右胸に手をやり、手が胸に当たると胸を揉み始めた。


その女性は一刀の行為に驚き、大声こそは出さなかったが


「○▲※@△●~」


奇声を発し、一刀はそれに漸く気付いたのか、まだ寝ぼけている状態で


(「右手に何か当たっているな…?一体何だろう?」)


再び無意識の内に2度くらいその当たっている物を揉むと


(「プニプニ」)


(「何か柔らかい物に当たっているな…」)


一刀が感じていると、その女性は、漸く自分が一刀にされている行為にやっと気付き、身体はプルプルと怒りに震わせながら、そして大声で


「いい加減、起きろ!このエロエロ魔神がーー!」


翠がお決まりの台詞を大声で叫びながら、一刀が寝ている布団をひっくり返すと一刀は見事に寝台から転げ落ちた。


そこで一刀は漸く目を覚まし、


「イテテ…、何するんだよ翠」


寝台から転げ落ちた一刀が漸く起きたが、一刀は翠の恰好を見て驚いた。


翠が着ていた服はメイド服(イメージは月たちが着用したのを黒色をベースに脳内イメージして下さい)を着用していた。(第34話時に購入)


これを見て呆けた顔で一刀が


「翠…何でそんな恰好してるんだ?」


「はぁ~ご主人様がこれを着て1日侍女をしろって言ったじゃないのか!?」


翠から言われると一刀も漸く蒲公英との約束を思い出した。昨日、蒲公英が翠に机仕事の代わりに力仕事をさせるということで、1日侍女の仕事をさせることにしたのだが、ただ侍女の仕事だけをさせるので面白くないから、まずは形から入るということで以前一刀が購入したメイド服を着させて仕事をさせるということを蒲公英が決めて実行したのであった。


メイド服を着て仕事をすることに当然、翠は渋ったが、


「約束を簡単に破っていいのかな~♪」


蒲公英の囁きに翠は陥落、渋々メイド服を着て仕事をすることになった。


「しかし私に侍女の仕事って…、せいぜいご主人様を起こすかお茶くみ程度しかできないぞ」


翠がぼやいていると、翠の背後から


「大丈夫よ、翠ちゃん。私が手取り足取り教えて上げるから」


2人が声のした方向を見ると、そこにはなぜか翠と同じメイド服を着た紫苑と蒲公英の姿があった。


それを見た一刀が呆れた顔で


「紫苑…何でそんな恰好してるの?」


「あらあら嫌ですわご主人様、翠ちゃんに侍女の仕事を教えるのに先生役がいるでしょう。

まさか翠ちゃんが作った料理を食べさせる訳にはまいりませんから仕方がないので、私が先生役をしますわ。それと今日の私の仕事分は終わらせていますので心配しなくていいですわよ」


紫苑は口では仕方がないと言っているが、服装や態度を見たらやる気満々というのが十分見えた。


そして一刀は視線を変え、蒲公英に


「それで蒲公英のその恰好は…」


「ああこれ?以前、ご主人様が購入した時に別で買っていたの。お姉様の侍女姿なんて滅多に見られないから、仕事はなんてやってられないよ。そうそう今日の仕事は、代わりに霞にお酒3日分渡して来たら喜んで引き受けてくれたよ」


蒲公英が説明すると一刀は今日1日、大変な1日になりそうと感じ取っていた…。


翠は1日侍女であるが、一刀はメイド服のまま朝議に出席するように命令、翠は出席したが、同席した真理や霞からは


「ふふふ…、お似合いだわ。翠」


「ハハハ何や翠、その恰好~、面白い恰好してんな。今度その恰好で兵士の訓練しようや、兵士から思い切り受けるで」


翠は2人から思いっきり笑われると顔を赤面させながら朝議を受けていた。


そして一刀の仕事が始まると紫苑たちは侍女の仕事として掃除や洗濯、昼飯の準備や買い出しなど動き回ったが、翠と蒲公英は今までこういうことをしたことが無かったので、すでに疲れた状態で


「紫苑、こんなこと言うのも何だけどさ、こういう仕事も意外と疲れるもんだな」


「そうそう、蒲公英は今まで料理なんて作ったことなかったから、料理1つ作るのも大変だったよ~」


2人はぼやいていたが、紫苑は


「私も侍女としての仕事はしたことはないけど、ご主人様を支える妻として、掃除洗濯炊事などは全部していたわよ。ただ愛するご主人様のことを思うとこういう仕事も苦にはならないわ」


「だから翠ちゃんや蒲公英ちゃんも今は無理だけど、平和になったら料理修行等をして貰おうかしら」


紫苑が微笑みながらそういうと2人は困惑しながら


「げっ、それはちょっと…」


「私も作るよりも食べる方が…」


完全に2人は及び腰であったが、紫苑が


「あらあらそれだったら璃々に負けちゃうかもね。あの子も一応掃除洗濯炊事に簡単な裁縫まで全てこなすわ。戦いが無くなって暇になれば私よりご主人様に尽くすかもしれないわよ」


紫苑からそう言われると2人は璃々に負けたくないのか


「うっ…じゃ今後のために教えて貰おうかな」


「そうだね…お姉様。負ける訳にいかないもんね」


「ふふふ…2人とも頑張りましょうね」


紫苑はあえて璃々の名を出して、2人を煽るようにしたのである。


途中、翠が一刀にお茶を出した際に扱けてお茶をひっくり返したり、蒲公英が洗濯物を上手く畳むことができずにグチャグチャになったりするなどしていたが、何とか夕食まで作り終えた。


「はぁ~やっと終わったぜ」


「疲れたね~」


2人が椅子に座っていると紫苑が


「そうね、取り敢えず侍女の仕事は終わったわね。でもまだこれから妻の仕事が残っているわよ♪」


紫苑が意味深な言葉を言うと勘がいい蒲公英が紫苑の意図に気付き


「なるほどね~。じゃ蒲公英、ご主人様が戻ってきたら、食事します?それともお風呂、それともわ・た・しと言おうかな~」


「な…何、恥ずかしいこと言ってんだよ蒲公英!」


「え~恥ずかしくないよ別に。お姉様が嫌なら紫苑と蒲公英の2人でやるからさ」


「あら良いの蒲公英ちゃん、私が入っても?」


「うん、今日紫苑にはいろいろ教えて貰ったから別に構わないよ」


紫苑と蒲公英が迷っている翠を無視して話を進めていると、さすがに翠も


「何2人で話を決めているんだよ。私を除け者なんて狡いぞ!」


「じゃお姉様も入って、さっき私が言った台詞をご主人様に言ってみる?無理なら蒲公英が言うけど、その時はお姉様お預けね」


蒲公英の挑発じみた台詞に


「あ~言えばいいんだろう!言えば!」


翠は見事に蒲公英の挑発に乗っていた…。


一方、一刀は今日の紫苑たちの姿に1日中気にしながら仕事をしていたが、いつもより3人の姿が官能的に見えてしまったため、煩悩を振り払おうのに精神的にもいつもより疲れていた。


そして一刀が部屋に帰ると翠たちが部屋で待っていて、


「ただいま、皆」


「お帰りなさい、ご主人様」


「お帰り~ご主人様」


紫苑と蒲公英が挨拶をすると翠が顔を赤面しながら


「お帰り…ご主人様。まずご飯を食べる?それともお風呂にする?それとも私たちを食べる?」


翠がメイド服姿でそう言うので一刀も流石に驚き


「翠、別にメイドだからそこまでやる必要はないぞ」


「べ…別に「めいど」だからって言っているんじゃないよ!ご主人様は私の格好を見てどう思う?」


翠は恥ずかしながら一刀に聞くと


「いつもの翠と違って色っぽいし、雰囲気が違うし普段見られない姿だから嬉しいよ」


「本当か!ご主人様!」


そう言いながら翠は紫苑と蒲公英がいることを忘れ、嬉しそうに一刀を抱きしめた。


これを見ていた紫苑と蒲公英は


「大胆ね、翠ちゃんは」


「お姉様狡い!ご主人様を独り占めしようとしたでしょう!」


一刀と翠は後の2人から冷たい視線を浴びていた。


しかし一刀は紫苑や蒲公英にも


「でも2人も普段違う姿だけど似合っているよ」


褒め言葉を言うと2人は照れながら微笑んでいた。


こうして4人は色んな意味で「楽しい時間」過ごしたのであった…。


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