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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第5章 五路侵攻
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第38話

ここからオリキャラが多く登場していきます。


オリキャラが嫌な方はこのままUターンして下さい。

華琳が進めている一刀包囲網は密かに行われており、現在麗羽のところにも華琳からの使者が送られていた。


~冀州・南皮城~


「さて曹操さんの使者が私に何の用かしら、こう見えても私は忙しいですのよ」


「いえ~お手間を取らせて申し訳ありません~。実は袁紹様に北郷軍との戦いに加わっていただきたくて参りました~」


いつも通りのんびりした口調で使者として口上を述べている風に麗羽がいつもより真剣な顔をして


「…それはどういうことですの?」


「はい~、現在、北郷軍の勢力が非常に強く、このまま行けば、私たちも飲み込まれる恐れがあります。ですので、曹操様は袁紹様や劉表様に劉璋様と連合を結び、4方向から北郷軍を攻めようと思っています~」


「それは私に曹操さんの指揮下に入れっておっしゃりますの?」


風の説明に麗羽がやや語気を強めながら言うも


「いいえ~、今回は各自別の方向から攻め入りますので、お互い同時期に攻め入り、早く北郷軍を倒したもの勝ちですよ~」


風が麗羽の口調を聞き流すかのように述べると、話を聞いていた斗詩が


「でも曹操様のところは直接北郷軍と領地は接していませんが、なぜ兵を出してくれるのですか?」


確かに現在華琳が治めているエン州と一刀が治めている擁州とは距離があり、仮に華琳が勝利収めたとしても領土は分断され、あまり得にならない状態で今回の戦いに参戦することに疑問に感じた斗詩は、風にこのような質問をぶつけてみた。


「はい~もっともな疑問です。その理由はさっき言った理由に、先の反董卓連合の戦いの時に袁紹様もご存じの通り曹操様の右腕的存在の夏侯惇将軍が北郷軍の北郷さんの夫人さん(紫苑)に負傷を負わされた上、散々な目にあい、その復讐戦のために参戦したいのです~、ですので戦いをするためにも、ぜひ袁紹様のお力が必要なのです~」


風が華琳の参戦理由をもっともらしい理由を述べるとも麗羽に頭を下げると麗羽もそれを無下に断ることが出来ず、更に麗羽の力も必要と言われたこともあり


「オッホホホ~~、曹操さんから頭を下げられると断ることが出来ませんわ~、曹操さんに伝えて下さい、今、預かっている司隷州を通過させることを許可しますので、一緒に北郷軍を叩きますわよ」


麗羽も賛同して一刀包囲網に参加することを風に告げると風も内心うまくいったと思い、頭を下げ退出した。


それを横で聞いていた猪々子が


「姫~、北郷軍と戦うって言うけど、先に公孫賛と戦う予定じゃないんですか?」


「その通りですわ文醜さん、私たちはそのまま白蓮さんと戦いますわよ」


麗羽が平然と答えるので、斗詩が驚いた顔をして


「それじゃ姫、北郷軍と戦うのは口約束ですか!?」


「何をおっしゃりますの?顔良さん、そんな名門の私が頼まれた約束を破る訳ありませんわ、并州にいる仲達さんに兵を出兵させますわ」


それを聞いた斗詩が


「姫、そ…それは無理があります!并州はつい最近ようやく黒山賊を鎮圧したばかりでまだ安定していません、それでしたら公孫賛様に向ける兵を北郷軍に回した方がまだマシです!」


斗詩が麗羽にそう言ったが、実は麗羽は話の途中から先の戦いで紫苑と璃々に散々な目にあったことを思い出し


「……顔良さん、また私にあのような恥ずかしい目に合わせるつもりですか?」


恥ずかしいそう顔をしている麗羽に斗詩は内心


(「それじゃ引き受けなければいいじゃないですか…」)


ぼやいていたが、結局斗詩も麗羽の命に従うしかなくなかったのである……。



~益州・巴郡~


「桔梗様!夕霧様、劉璋様から手紙が来ました!」


「何じゃ劉璋の小坊主から手紙じゃと?」


「あの馬鹿、また碌でもない命令を持って来たんじゃない?」


「取りあえず焔耶、その手紙寄越せ」


この桔梗を呼ばれた女性は巴郡を治めている太守で名を厳顔と言い、そして夕霧と呼ばれる女性は名を法正と言い、この巴郡における内政兼軍師を担当、手紙を持ってきた焔耶と名乗る少女は魏延と言い、厳顔の副将を務めていた。


桔梗はその手紙を受け取り一読すると


「これを見ろ、夕霧」


夕霧と呼ばれる女性もそれの手紙を見ると


「……馬鹿な太守の立場を守るとしたら、今回の攻撃参加も仕方がないだろうな」


「桔梗様、夕霧様、いったいどこに攻撃する話をしているのですか?」


「ああ我々と成都の張任を加えて、雍州の北郷軍を攻略しろとの仰せじゃ」


桔梗が苦々しく答えると焔耶が


「よろしいではないですか桔梗様、我々の力を北郷軍に見せつけましょう!」


焔耶が武人らしく答えると夕霧が「ゴツン」と焔耶の頭を拳で殴りつけ


「馬鹿かお前は!北郷軍は北郷夫妻に馬一族、趙雲、それに董卓軍の猛者だった呂布、張遼、華雄がいるんだぞ、お前ごときの腕で勝てるか!」


「それに兵の質もまったく違いすぎる、西涼の強兵と我々の兵では雲泥の差がある、いくら北郷軍を包囲網で分散させて戦うと言っても正直どれくらい戦えるか疑問だぞ、桔梗」夕霧が焔耶を叱り飛ばした後、冷静に状況を説明したが、桔梗は


「しかしこれだけの将を揃えている北郷軍とは、武人として一度勝負したいと思っていたのじゃ」


武人の血が騒ぐというべきか桔梗の笑みを見ると夕霧も


(「やれやれ…、酒と戦という言葉を聞くと止めようがないわ」)


すでに桔梗の説得を諦め、


「はぁ~、もう桔梗が戦闘態勢に入ってしまったわ、焔耶あんた今から出兵の準備しな」


夕霧から言われると焔耶はその場を離れ、出兵の準備を開始し、


「それで桔梗、ここの守りはどうする?」


「そうだな…、取り敢えず隣の城にいる……に頼んでおこうか…」


「それしかないわね、じゃあんたから頼んでおいてくれるかしら」


「承知じゃ、じゃ準備の方はお前と焔耶に任せるぞ」


こうして劉璋軍も北郷軍包囲網戦の準備を始めた。


~并州~


「陽炎、袁紹様より書状が来たぞ」


「白雪ありがとう」


陽炎はそれを受け取り、手紙を一瞥すると溜息ついて


「まいったわね……、これはあの姫はまったく予想外の行動を取ってくれるわ…、まだこっちは黒山賊の後始末も終わっていないのに……」


「取り敢えずは……この場面をどう乗り切るか……、白雪、急いで北郷軍のことを調べておいてくれるかしら、それとあと全員こちらに来るように伝えて貰える」


「ああ分かった」


陽炎がそう伝えると深雪と呼ばれる女性は静かにその場を立ち去った。


この陽炎と呼ばれる女性の姿は黒色のロングヘアーで肌は白い肌できめ細かく見え、そして顔立ちは神秘的な姿を見せていた。


この陽炎と名乗る女性の名は司馬懿、字を仲達と言った。元々は漢の名門の出であったが、反董卓連合戦いの後、当時洛陽にいた華琳は陽炎が優秀で美形なことに目を付け、出仕を求められたが、陽炎は華琳の嗜好や上から目線の態度など気に食わず、病気を理由に出仕を拒否。更に華琳の従姉妹の曹洪(本来は同族ですが、今回は従姉妹で設定)が陽炎に交際を求めたがこれも当然拒否、これを恨んだ曹洪が華琳に告げ口したことを聞いた陽炎は、命の危険を感じ、同じく漢の名門で知己であった麗羽に助けを求めると麗羽はこれを承諾、そして麗羽の指揮下に入るような形で麗羽の勢力下である并州の太原郡の太守を務めることとなり、そして并州を荒らし回っていた黒山賊を麗羽に代わり、これを鎮圧、現在は并州を代理という形で治めていたのであったのであった。


そしてこの白雪は名を蒋済しょうさいと言い、陽炎とは親友で現在は副官兼内政担当を行い、非常に優秀でもあるが、酒が大好きで平気で二日酔いで朝議に出ることも癖のある豪快な人物だが、陽炎は白雪が親友で裏表がない性格をしているのを大変気にいっていた。


そして白雪が去ってから陽炎が一言


「でもこれから戦乱が本格化するわね…、これから生き残るのはいったい誰かしら…フフフ」


不敵な笑みを浮かべ、そう呟いていた。


~長安~


一刀たちは朝の仕事を終え、紫苑と碧と翠の4人が食堂で昼飯を食べていた。


そして訓練を終えて、遠慮なくガツガツ食べている翠の姿を見て紫苑が


「翠ちゃんよく食べるわね」


微笑んでいると、碧が苦笑いしながら


「あんた結婚したというのに全然女らしくならないというのはどういうことなんだ?」


「だって仕方ないだろう、訓練して腹が減っているんだからよ」


話をしていると、不意に碧が一刀に


「一刀さん、あなたこれからどういう方向に進もうと思っているの?」


「取り敢えずしばらくはこの状態で国力を蓄えようと思っていますが…、あとは他がどう動くか見極めたいところですね」


「そうですね…、今の状態で洛陽や荊州方面を攻め取ることは可能ですが、防衛面で問題が出てきますし、それでしたら益州方面を攻略したいところですが、ただ攻めるにしてももう少し落ち着いてから方がいいですわ」


一刀と紫苑がそう答えると碧も


「そう分かったわ、どちらにせよこのまま状態が長くは続くはずはない、多分どこが動くとは思うけど…」


3人がいろいろ考えていると翠が


「お母様、ご主人様、紫苑、何そんなに暗い顔してるんだよ、私たちは皆、家族で仲間なんだよ、私は小難しいことは分からないけどさ、私たちはご主人様の選んだ道を信じて付いて行くんだ、だから自信持ってくれよな」


翠からそう言われると一刀も


「ああそうだな、翠の言う通りだ」


「そうね、翠ちゃんに教えられたわ」


「翠、偶にはいいこと言うな」


「お母様、偶にはと言うなよ…」


翠の少々落ち込んでいる姿を見て3人が笑っていると、やや暗い表情をした真理が食堂に現れ


「何だか楽しそうですね」


皆に声を掛けると、真理の顔に何かあると感じた一刀が


「何かあったの」


「ええ…残念ながら一時の休息は終わりました、我らは袁紹・曹操・劉表・劉璋・羌の五方面に包囲されてしまったわ」


真理の報告を聞いて、一刀たちに衝撃が走り、そして新たな戦いが始まろうとしていた…


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