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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第4章 反董卓連合
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第30話

一刀が汜水関を放棄すると、関は曹操軍と孫策軍が占拠していた。




そして連合軍が汜水関において、軍の再編成をしているころ、一刀たちが虎牢関に到着したが、皆は工事してあまりにも様変わりしている虎牢関を見て、日本の城郭の知識がある一刀と紫苑と璃々以外は呆気に取られていた。




一刀が到着する前に月や詠、護衛の馬休並びに避難民はすでに長安に向けて出発していた。




そして再編成が終わった連合軍が虎牢関に攻めてきたが、新たに変わった虎牢関を見てを




「「「「「…………」」」」」




こちらも大半の諸侯は言葉を失っていた。




というのは、一刀の命で朱里を中心に虎牢関の兵、月の軍勢や避難民を総動員して虎牢関の工事を行っていた、そして門付近以外の平地を全て堀が作られていた。




その堀は深さ5間(約9メートル、1間は約1,8メートルで計算)、堀の幅は10丈(約30メートル、1丈は約3メートルで計算)あり、そして堀の内部には2重の柵が構えられていた。




更に城壁の上には、堀を作った際に出来た残土を土嚢として積み上げて、盾代わりに利用し、そして

朱里が開発した新型の投石機も装備されていた。




それを見て、先鋒の麗羽(汜水関の戦いで手柄を上げれなかったのと紫苑と璃々への復讐戦)や美羽

(初戦の失敗を麗羽に咎められたため)の両名は




「おっほほほーーー、あんな堀なんて、大したことありますわ、華麗に突撃ですわ、おっほほほーーー」




と必要以上に声を上げ、こめかみに怒りマークをを付けている麗羽と




「こんなこと早く終わって、蜂蜜を飲みたいのじゃ」




とぼやいている美羽が、無策で突撃を開始した。




そしてその様子を見ていた各陣営は




~曹操軍~




「せっかく決戦を楽しみにしていたけど、相手が籠城戦では相手も出てこないわね」




と残念そうな口振りをしていた華琳だが、大幅に変わっていた虎牢関を見て




「でも元々難攻不落と言われていた虎牢関に、更にあのよう工事を念入りにして、私たちを防ぐなんて面白い考えだわ」




華琳が一刀を褒めていたところ、春蘭が




「華琳様!あのような男を褒める必要はありません!私が今から出て、関を落としてきます!」




と春蘭が主張するも




「あんたね、どこ見てるのよ!今、私たちが持って来ている梯子とかは堀が掘られているおかげで、城壁の上まで届かないし、門は一つしかない上、門への道が一本道になっているから、ほとんどの兵が門にたどり着くまでに弓矢でハリネズミにされてしまうわよ!」




春蘭の発言に桂花もキレてしまい、桂花自身のこの発言自体が現状、効果的な関への攻撃方法が見出だせいない状態が表わになっていた。




そんな中、秋蘭が




「華琳様は、今回の関への攻撃はどうお考えですか?」




「正直言って、短期間で落とせる物ではないわね、でもねこんな危険な事を我が軍だけで負う必要はないわ、じっくりと考えましょう」




華琳は虎牢関を見て、無理攻めをせずに今後のために兵力温存をする考えになっていた。




~孫策軍~




「正直、これだけ用意周到に準備されたら厳しいな」




「さすがに冥琳でもいい案は浮かばない?」




雪蓮が言うも




「さすがに厳しいな、この状況では策とかが通じる場所ではない、更に今回は内応とか内部からの撹乱も無理な状態だからな」




「そうね、私の勘も無理しない方がいいかなーと言っているわ」




「取り敢えず、祭殿に言って無理せずに遠くから弓を射るくらいに攻撃はお茶を濁しておこう」




「まあ今、攻めている袁術ちゃんに関を落として貰うことを期待しておくけど」




「フッ…、ああそうだな、今の主に関を落として貰うことを期待しておくがな……」




雪蓮と冥琳は、言葉と裏腹な表情をしながら話をしていた。




~劉備軍~




「……現状の我が軍の兵力や装備では、関への攻撃は余りにも危険です」




と雛里が桃香たちに関への攻撃の危険を説いていた。




「それではどうすればいいのだ」




鈴々が言うと、雛里は




「今の私たちの兵力では関を落とすことは出来ませんので、攻撃命令があった時は、攻めた振りをして、関に何らかの動きがあった時に動く、これしかないです」




と雛里が言うと愛紗は一刀と助言を受けてからは何事にも考えるようになり




「うむ…、雛里が言う通り仕方がないか…」




「何や、愛紗、えらい珍しいな、雛里がこんな消極的な策を出したら、軟弱みたいことを言って怒るくせに」




真桜から指摘されると愛紗は




「な…何だそれ、それでは私がまるで単なる頑固者みたいではないか?」




と驚いていると




「自覚がなかったのか……」




「気付いていないのーー」




凪と沙和から突っ込まれていた。




そしてそれを聞いていた桃香が一刀のアドバイスで変わろうとしているのを見て、そして微笑ながら、でも皆に聞こえないような声で




「やっぱり力を付けないといけないよね……」




と一人呟いていた。




一方、虎牢関では




「は…はわわ、ご主人様、敵が来ましゃた」




「落ち着け、朱里、そう簡単にこの関は落ちないだろ?」




「そ、そうでした」




「フフフ、朱里ちゃんもさすがにこれだけの軍勢が集まって緊張しているのね」




「朱里お姉ちゃんしっかりしてよ~」




一刀と紫苑、璃々が緊張している朱里を宥めていた。




「ご主人様、これからどうするんだ?」




「翠よ、お主は話を聞いていなかったのか?虎牢関は一切打って出ずに籠城戦になることを」




「わ…分かっているよ、そういう意味で言ったのではなくて、ここを防ぐのはいいけどさ、撤退する時どうするんだ?」




「えー、私たち出番ないのー」




翠や星、蒲公英が言っていると、一刀が




「蒲公英は不満だろうけど今回は時間稼ぎの防衛が主だからな、打って出る必要はない。取り敢えずは今いる10万の軍勢を4つに分けて、兵の疲れを考えて、4交替制にして防ぐことができるだろう、撤退時期については、しばらく防衛してから月たちが長安に到着してから順次撤退して行くことにするぞ」




と言うと蒲公英はやや不満そうであったが、紫苑や朱里、その他も反対の意見もなく、こうして虎牢関の防衛戦が始まった。



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