第22話
ようやく反董卓連合編に突入します。
一刀と蒲公英が結ばれてから、しばらくして袁紹から手紙が送られてきた。
そう、反董卓連合の参加要請の手紙であった・・
その手紙を見て、一刀は全員に集合を掛け、今後の決意を決めるつもりであった。
~衆議場~
一刀からの要請を受け、全員集まり、袁紹からの手紙の内容を披露したが、その内容は
「董卓は、陛下を蔑ろにして国政を壟断、そして民を虐げている」
とのことであった。
そして、一刀は情報を担当している真里にその手紙が真実かどうか確認すると、真里は
「その話は事実ではないわね、どちらかと言えば董卓は巻き込まれてという感じかな」
と説明すると、事実は
元々は大将軍・何進と十常侍・張譲との勢力争い中に、時の帝、霊帝が死去。
その最中、何進が張譲らの策で暗殺され、何皇后や弁皇子を暗殺したので、それを聞いた董卓らが張譲らを捕え処刑した。
そして相国に就任して、国政を立て直しているところ、袁紹が相国に就任した董卓に嫉妬し、今回の手紙の内容に至ったと説明した。
すると翠が
「じゃ、民を虐げていると言う話も・・」
「事実ではないわよ、むしろ以前より民は安定した生活を送っているわよ」
「じゃ、私たち…」
翠が言うとすると途中で碧が
「ところがだ、この話を聞いてだ、大半以上の諸侯が連合側に参加する話だ」
説明すると、怪訝そうな顔をして翠が
「お母様、どういうことだ?」
「つまり大半の諸侯の連中は、自分たちの勢力拡大の機会で、話の事実の有無は関係なしに連合に参加しているということだ、中にはこの事実を知って、敢えて連合に参加している者もいると思うけどな・・」
説明すると、皆、考える顔をして沈黙状態になってしまった・・。
そして星が一刀に
「主は、今回のことをどうお考えですかな」
話を振ると、一刀は全員の顔を見回して、静かに
「俺の考えは・・董卓に付こうと思っている。理由は、董卓は民のために善政を引いている、ところが袁紹は自分の欲の為に董卓を討伐しようとしている、他の諸侯はいざ知らず、俺はそんな卑怯なことはしたくない」
と言い切ると、朱里が
「ご主人様、その考えはご立派ですが、もし私たちは董卓側につくと、殆どの諸侯を敵に回してしまい、場合によって、私たちは滅びてしまいますけど、それでもいいのですか」
朱里はいい加減な回答では許さない雰囲気を出したが、一刀は一言
「…義を見て為さざるは勇なき也」
「・・・」
「董卓が正しいことだと分かっているのに、これを強い者に流されたり、屈したりして、正さないのは勇気のない臆病者になってしまう。俺はそんな事をしたくないからだよ、朱里…」
一刀が説明したが、更に朱里が
「それは分かります、しかしそれが…」
納得できないのか感情的になって、何か言おうとしたが真理が机を叩いて、
「朱里いい加減にしな!一刀さんが民の為に董卓に付くと言っているだろ、お前も民の為に尽くしたいと言っているのに、軍師が感情的になってどうする!少しは頭を冷やせ!」
と言われると朱里はシュンとなり大人しくなってしまった…。
そして碧が
「じゃ私が聞くけどさ、一刀さんの言いたいことは分かったわ。でも董卓に付くには勝算あるのかしら、無謀な戦いだったら、私は賛成できないわ」
碧が言うと一刀が
「多分、そういうと思ったので、一応こんな物を作ったのだけど見てくれるかな」
一刀は何か書かれた紙と木簡を皆の前に差し出し、皆に見せると歴史物の知識がある紫苑と璃々以外は皆、驚いていた。
そして星が
「主、この作戦でしたら勝利を望めないのでは?」
「ああこの策は、勝利を前提していないが、目的は達成できると思うがな」
「目的?」
「そう、目的は董卓たちの命を救うこと。この戦いでこの国は分裂状態になり群雄割拠の時代になる、こんな輩みたいな戦いに董卓の命を失うなんて間違っている、と言って俺達が董卓軍と組んでも連合軍に勝利を得ることは難しい、だからこの作戦を作ったのだが・・皆、どうだろうか?」
「私は、ご主人様がどんな決断をしようとも、一生付いて行きますわ」
「私もご主人様とお母さんに付いていくよ」
「わ・・私も勿論ご主人様と一緒付いて行くからな」
「おや翠、何赤くなっているのだ。主、私も一緒付いて行きますぞ」
「蒲公英も勿論付いて行くぞ~」
と言えば、
「やれやれ、この馬鹿娘どもは・・、しかし「義」のためか・・悪くないね、私も行くよ」
「まずは姉貴の暴走を止めないとな・・」
「これだけの将がいて俺出番あるかな?」
「私も腕が鳴りますわ」
と碧、馬休、馬鉄、渚が賛成し、そして
「これだけ策を立てて、私たちを失業させる気なの?」
「(涙目で)グスン・・、申し訳ありません、私、どうかしていました・・、勿論賛成します」
と真理、朱里の軍師も賛成し、これで軍議一決し、董卓軍との同盟を結ぶため、直ちに洛陽に差し向けた。
~朱里視点~
「私の心の中は、何かもやもやいていた・・」
「ご主人様は、普段通り、私に優しく接してくれているが、先に星さんや蒲公英ちゃんと結ばれたと聞いた」
「私も2人と一緒にご主人様の世界で言う「キス」をして貰ったが、それ以降、何もして貰えず、
2人に先に越されてしまった・・」
「そして何か嫉妬心が出て来てしまって、ご主人様が言っていることが正しいのに…
私に構って欲しくて…、感情的になってしまって、真理お姉さんに怒られてしまった…」
「私は軍師失格だ、…ご主人様に嫌われてしまう…、どうしょう…」
そして軍議の途中から涙目になってしまった…
朱里視点終了
そして軍議が終わり、紫苑と真理が
「今日の朱里ちゃん、様子がおかしかったですわね」
「あ~多分、朱里のやつ、一刀さんに焼もちをやいていたのと思うわ。あいつ星や蒲公英に一刀さんのことで先に越されて、それで何で私はという気持ちになったのと思うけど?」
と言われると一刀も今回の朱里の様子がおかしい事について納得した。
すると紫苑が
「ご主人様どうされます?」
「このまま放っておくわけには行かないだろう?」
「そうですね、朱里ちゃんもご主人様のことが好きですから、ちゃんと責任を取って上げて下さいね」
「すまんな紫苑」
「ご主人様、星ちゃんの言葉ではないですけど、美しい花に蝶が集まるのは当たり前ですわ、後はその蝶の中で最も愛することを証明するだけですから、もっとも私は誰にも負けるつもりはありませんけど・・」
紫苑はそう言いながら微笑を浮かべていた。
それを聞いていた真理は
「すごいな・・紫苑は、私には真似できそうにないわ・・」
と紫苑の懐の大きさに驚きを見せていた・・。
そして一刀は朱里の部屋の前に行き、
「朱里居るか」
「・・はい」
中から声が聞こえると、一刀は部屋に入った。
朱里は一刀を見るなり
「ご…ご主人様、さっきは申し訳ありませんでした」
「何で謝るんだ朱里、さっきの意見も俺たちのことを思って言ってくれたのだろう?」
「い、いいえ、さっきの私は軍師の役目を忘れ、私の不満をご主人様にぶつけてしまいました…こんな私、軍師失格ですよね・・」
「ハハハ、朱里が軍師失格だったら、殆どの軍師が失格で誰もいなくなるよ」
そして一刀は朱里の頭を撫でながら
「朱里、ごめんな、お前のことを気付いていなくて、もう少し、俺が気付いていたらこんな思いをさせずに済んだのに…」
「いいえ…、私が悪いのです、家臣の身分でありながらご主人様に嫉妬するなんて…ご主人様、私に罰を与えて下さい…」
朱里は責任を感じて再び涙目になっていた。
「罰って…、別に悪いことをした訳ではないから、いらないけどな…?」
「そうは行きません、軍議の場で公私混同をしてしまいました、だからけじめを付けるために必要なのです」
と朱里が言い張るので、一刀は仕方がない顔になり、
「じゃ朱里、君への罰だけど……」
「…俺が死ぬまで、必ず側にいることを命ずるよ」
恥ずかしそうに一刀が言うと、朱里は
「……へ?へ?はわわーーー」
とパニック状態になったので、一刀は朱里に深呼吸をさせて落ち着かせた。
そして朱里は
「ご、ご主人様、何言っているのでしゅか!」
「うん?その言葉の通りだけど、やっぱり嫌?」
「そ、そうではありません…、軍師失格の私にこのようなことを言って貰って…」
「あ~、朱里、軍師だからって完璧な人間っていないんだからさ、そんなこと言っていたら、俺なんて女の子にだらしない君主で失格になってしまうぜ」
と軽口を叩くと朱里もその言葉に気を取り直したのか
「フフフ、それもそうですね、それにご主人様も公私混同させてますから、罰を与えないと駄目です」
「そ…それで、ご…ご主人様、罰として今日1日、私と一緒にいて下さしゃい」
朱里は、カミカミながら言うと一刀は
「分かりました、我が軍師殿、仰せのままに…」
と笑顔で言うと、一晩2人で過ごした。
そして翌朝には、今までやや自信なさそう軍師から、気持ちが吹っ切れ、何か自信が付いた軍師が誕生していた…。