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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第3章 黄巾党の乱
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第17話

一刀たちは、武関で黄巾党を破り、宛城に向かっていたが、宛城の手前、約30里手前で陣を張り、宛城を攻撃する部隊の集結を図っていた。




そして、官軍で今回の指揮官である張遼の名で、一刀の陣で軍議が開かれようとしていた。




~曹操の陣~




「あら、秋蘭どうかしたの?」




「華琳様、これを」




と言って手紙を渡した。




華琳と呼ばれた女性、名は曹操、字は猛徳で、現在は陳留太守である。




秋蘭と呼ばれた女性、こちらは名は夏侯淵、字が妙才、華琳の右腕的存在、姉に春蘭こと夏侯惇がいる。




そして手紙を見て華琳が




「軍議に参加しろ…か」




「仕方がありません、華琳様、まだまだ我々は力不足なのですから」




「あら、秋蘭、そういう意味で言ったのではないのよ、今回、この戦いに参加している陣営を見たら、会うのが楽しみということを。孫策に劉備、そして馬騰軍の指揮官である天の御遣い人がどんな人物か」




「そして我が覇業の敵と成り得るかどうかをね…」




「秋蘭、すぐに桂花(荀彧)を呼んで、軍議に出席するわよ」




~孫策の陣~




「軍議なんてめんどくさい~、冥琳代わりに行ってきて」




「馬鹿な事言うな雪蓮、お前が行かなければ、誰が行くのだ?」




雪蓮と呼ばれている女性、名は孫策、字は伯符、現在、袁術の将として軍を率いている。




そして冥琳と呼ばれている女性、名は周瑜、字は公謹、孫策の軍師でもあり、盟友で「断金の交わり」を交している。




「仕方がないか、取り敢えず、行きましょうか?」




「おや、やけに素直にだな」




「まあね、行った方が面白いと、私の感が囁いているのよね」




「面白いか…、まあその感が外れたことがないから信用はするけどな」




「そうね、さあ行きましょう、孫呉復活の第一歩を踏み出すために…」




~劉備の陣~




「ほええ~沢山集まっているね~」




「桃香様、まもなく軍議が始まりますので、準備の方を」




「うん、ありがとうね愛紗ちゃん、あと雛里ちゃんは?」




「雛里ももうすぐしたら、こちらに来ますので」




「しかし、一刀さんらと会うのも久しぶりね、皆、元気でやっているかしら」




「実は私も、皆と会うのが楽しみです」




「ふ~ん、愛紗ちゃん、一刀さんが気になるの?」




「い、いいえ、そんなことはありませぬ」




「そうか、そうか、さあ軍議に行こう、愛紗ちゃん」




「そんなのではありません!桃香様!」




先の2人に比べ、呑気な桃香たちであった。




~一刀の陣~




そして、各軍の代表者と軍師が集まり、そして警護の武将については別室で待つこととなっていた。




そしてお互いの自己紹介を終え、朱里が現状の把握ということで、各軍勢を人員を公表すると




馬騰軍 20000




張遼軍 15000




曹操軍 25000




孫策軍 15000




劉備軍 15000(公孫讃の援軍込み、公孫讃自身は、自領守備のため参戦出来ず)




そして現在、宛城に籠城している黄巾党本隊は約10万くらいで、首謀者の張角らも一緒にいるという情報であった。




そして、霞が




「一応、ウチが大将みたいになってるけど、頭使うのを苦手やから、各軍いい軍師連れてきてるやろ、無茶な策ではない限り、承認するから、あんじょう頼むで」




丸投げな提案を出してきた。




それを聞いた一刀が内心




(「おいおい、それはないだろう、いくらこの国の5本の指に入ろうとする軍師らがいるとは言え、それは無茶苦茶だろ」)




と思っていると華琳が




「あなた、なかなか面白い提案するね」




すると霞が




「ああ下手に私が、策を立てるよりは、皆、いい軍師連れてきてるんやろ、それやったら、兵の被害が少なくすむよう策を考えてくれるやろ、アホな作戦を立てて被害を増やすのは、嫌やからな」




「確かに、それはいい考えね、下手な指揮で兵を死なすよりはよほどいいわ」




と雪蓮も同意し、一刀も桃香も同意したので、各軍の軍師を中心に策を考えることにした。




そして冥琳が朱里に




「現在、敵の食糧状態は分かるか?」




「詳しい量は分かりませんが、ただ10万の大軍を抱えてますから、潤沢ではありませんね」




「ふむ…」




すると桂花が




「それだったら、敵を誘き寄せるよう、偽の食糧の輸送隊を作るのは、どうかしら」




そして雛里が




「その輸送の荷物の中に兵を潜ませたらどうでしょうか」




と言うと、続いて冥琳が




「そうだな、これに敗残兵を装った黄巾党にこれを襲わせ…」




最後に朱里が




「偽の伝令を使い、敵兵を城から出して、救助に向かわせて、わざと救助させ、そして、その敗残兵と輸送隊の中に潜ませた部隊で城中に入る…」




そして一刀が




(「さすがにこれだけの軍師がいたら、多少の兵力の差なんか問題にならないだろうな…」)




と思いながら




「俺らが攻めた時に中から蜂起するか…」




と言うと、華琳、雪蓮、桃香は




「この案が一番妥当じゃない、まともに攻めても被害が多そうだし」




「そうね、こちらの兵が少ないから、被害が少ない方が助かるわ」




「皆、すごいね~、こんな策考えつくなんて…」




3人は様々な反応を示していた。




そして、霞もその作戦を了解し、あとは各軍の軍師で詳細を詰めることなり、軍議は解散する運びとなったが、すると一刀のところに華琳がやって来て、いきなり




「あなたが噂の御遣いなのね、噂と違って、ずいぶん普通なのね」




(「相変わらず、キツい言葉を吐くな、華琳は」)




内心思いながらも、一刀も皆が見ている前で、舐められては駄目だと思い




「ああ、確かに見た目は普通だけとね、噂の曹操さんも当てにはならないな、人を見かけで判断するなんて、身体同様に器も小さいのかな?」




と切り返すと、華琳は一刀の見事な切り返しにあっけに取られたが、そして表情を元に戻し、




「なかなか面白いね、あなた、今の会話の切り返しやそして涼州での治政の噂も聞いているわ、ぜひ私に仕えないかしら」




と人材収拾に余念がない華琳が一刀に誘いをかけたが、一刀はあっさりと




「あ~、それは無理だな」




断ったので、華琳は少しムッとした表情で一刀に




「それは、何故かしら?」




「愛する妻を捨てて、曹操さんに仕えることできる訳ないだろう」




一刀がその拒否理由を答えると華琳もその回答に驚き




「え!?妻ですって?」




「ああ、俺には愛する妻が3人いるが、そのうちの1人が、錦馬超さ」




と一刀が自信満々に答えると、華琳はさすがに驚きを隠せず




「そ、そうなの残念だわ」




(「すでに馬家に先手を打たれたか…、何か手段を考えて出直しだわ」)




「でも、私は諦めないからね、また出直しから来るわ、秋蘭、桂花は帰るわよ」




と言って、華琳たちは自分たちの陣に帰った。




それを横で見ていた雪蓮が一刀に




「ふ~ん、あなたって、結婚しているのね」




「ああ、そうだよ」




「何で馬超と結婚したの?」




「何で、好きに決まっているからだろう、それ以外になるかあるのか?」




「聞き方が悪かったわね、馬超のどこに惚れたの?」




「話を聞いていなかったか?俺にはすでに妻が3人いるんだ、翠…馬超は3人目の妻で、馬超はそ




んな俺でもいいから結婚したんだ、そんな馬超の意志を無視した言い方は失礼だな」




一刀が雪蓮に指摘すると、さすがに雪蓮も




「ごめんなさいね、そういうつもりじゃなかったわ、ただあなたに興味があって聞いてみたかったの」




「その血を貰えるのは、馬家だけなの?」




雪蓮が一刀に言うと、一刀もさすがに目が点になり、雪蓮が一刀に




「だか~ら、私はどうって、聞いているの」




「いや、それおかしいだろ、いきなり初対面でそんな話になるのは?」




「全くだ、雪蓮、帰るぞ」




「いたた~」




雪蓮の背後から、髪の毛を引っ張っている冥琳の姿があった。そして冥琳が一刀に




「すまなかった、呼び方は、北郷でいいか?」




「ああ北郷でいいよ、気にしてはいないけど…、周喩さん、いつも孫策さんこんななの?」




「ああ…、突拍子な事を平気で言ったり、実行したりするからな」




冥琳が一刀に言うと、思わず一刀が冥琳に




「…苦労しますね」




「分かってくれるか…」




「ぶ~ぶ~、私をそんな変な人みたいに言わないの」




雪蓮が文句を言うも、冥琳は、一刀に迷惑を掛けたことを謝罪して、無理やり雪蓮を連れて帰った。




今度は、桃香、愛紗、雛里がやって来て、




「こんにちは、一刀さん」




「お久しぶりです、一刀殿」




「お、お久しゃしぶりです」




3人が挨拶をしたが、一刀は雛里に




「朱里と話をしたの?」




「は、はい、元気そうで良かったでしゅ」




「戦いが終わったら、ゆっくりと話をする時間があったら、また話をするといいよ」




「はい!」




と元気よく返事をした。




そして一刀は、桃香と愛紗に




「皆、元気そうで良かったよ」




すると桃香と愛紗も




「うん、一刀さんも元気そうで良かったよ」




「またお会いできて、何よりです」




「そうだな桃香、あれからここまで兵とか集めてすごいな」




「私だけの力じゃ無理だよ、愛紗ちゃんや鈴々ちゃんに雛里ちゃん、そして凪ちゃん、真桜ちゃん、沙和ちゃんもいるからだよ」




一刀は聞いたことがない人がいたので




「そのあとの3人は、誰?」




「あ~、ごめんなさい。楽進ちゃんに李典ちゃん、于禁ちゃんのことだよ」




一刀は、それを聞くと




「(この3人って、本来曹操の配下だよな…何でだ?)」




疑問に思っていると愛紗が




「その3人は、別の町で「大梁義勇軍」という義勇軍として、賊から町を守っていたのですが、町を攻められた時に、近くにいた私たちが助け、そして取り敢えず、この乱が治まるまで、一緒に戦ってくれる仲間ですよ」




と補則説明してくれた。




「へ~、大したもんだな。また機会があれば、紹介して欲しいな」




「うん、いいよ」




「3人とも、怪我しないよう頑張れよ」




一刀が桃香らに激励すると、桃香らも一刀と笑顔で別れた。




そのやり取りずっとを見ていた紫苑と翠が




「ご主人様、曹操さんや孫策さんに、ずいぶん翠ちゃんのことを熱く語っていましたね」




「見ていたのか紫苑、話の成り行き上、こんな話になってしまったけど」




「ちょっと妬いてしまいましたけど、ちょっと翠ちゃん見て下さい」




一刀が翠の方を見ると、顔を赤らめて放心状態になっていた。




それを見て一刀が翠に




「何、顔を赤くしてるんだよ」




「い、いや、あんなに妻だと強調されると逆に照れてしまって…」




「だって事実だろ、翠はかわいいのだから、もう少し自分に自信持てよ」




一刀がそう言いながら、翠の頭を撫でると、翠も




「こ、子供じゃないんだ馬鹿するなよ」




「いいじゃないか、俺が好きでやっているのだから、それとも触れるのは嫌か?」




「嫌じゃないけど…、ご主人様がいいのだったら、触ってもいいよ」




最後は照れながら言う翠であった。




そして各軍の軍師と協議した結果、3日後に作戦を開始することに決まり、黄巾党討伐の最終決戦を迎えるのであった。



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