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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第12章 魏滅亡
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第127話

紫苑と璃々が何とか両国の承諾を得たが晋が近い内に魏へ侵攻する可能性が高いことから、早急な打ち合わせが必要になってきたので両国からそれぞれ担当者が長安にやってきたが、そんな中異色の人物がいた。


その人物は一刀を見るなり、


「お腹の子の種を貰いにやって来たわよ!」


と行き成り爆弾発言をしたが


「何言っているのですか、雪蓮さん!ご主人様の子を産むのは私が先です!」


移動中に真名を交換した璃々が雪蓮と言い争いになるが、これは一刀に止められ蜀に来た理由を璃々から聞いた。


そして璃々の口から呉が応援する条件の一つとして、雪蓮が蜀でしばらく世話になるのと近い内に蓮華に譲位することを一刀に伝えると流石に驚いた表情を隠せなかった。


「でも急に譲位することなんて考えたんだ?こっちは別に雪蓮に責任を取って貰う必要は無いんだけどな」


漸く立ち直った一刀が発した言葉に雪蓮はさばさばした表情で


「それね。私より蓮華の方が王としての器は上よ。私よりあの子の方が民の事をよく考えているから」


「そんな事無いよ。雪蓮も立派な王だよ」


「ありがとう一刀。でも私こういう性格だから、早い事重荷を降ろして楽になりたいのよ♪」


半分本音、半分は蓮華の事を思って言っている雪蓮を見て、敢えて一刀はこれ以上何も言わなかった。


そして一刀は一旦部屋を離れ、別室に行くとここには魏に行っていた紫苑たちも帰国していた。


「お疲れさん。紫苑、真里。えっ秋蘭…?」


「すごい驚きようだな。私が帰って来たらおかしいのか?」


「いや、そうじゃないけど、本当なら向こうに残ってこちらとの連絡要員になる予定じゃなかったの?」


「ご主人様、その件ですが…実は交渉の時に少々話が拗れてしまって…」


紫苑が言いにくそうにしていたが、魏での出来事を説明した。


そして紫苑、真里、風や稟との話し合いにより、華琳と秋蘭の関係修復についてお互いしばらく冷却期間を置いた方が良いという結論に達し、秋蘭を帰国させるにして代わりに星が残ることとなった。


一方、魏では秋蘭を帰国させることについて春蘭が猛反対すると思われたが、反対もせずに認めたことに驚いた。


帰国する際に秋蘭は春蘭と話をしたのだが


「正直言って私自身もまだ気持ちの整理が付かない状態だ。華琳様の気持ちも分からないでもない。もしこの場に北郷一刀がいれば華琳様に代わって、私が叩き斬りたいくらいだ」


愛する姉からそう言われる秋蘭も返す言葉も無いが、それに構わず春蘭は言葉を続ける。


「だが怪我した秋蘭を救い、更に身を挺して守った事、そして氾水関で私と互角に戦った事については私が今まで見て来た男と違うことも分る」


「姉者…」


「しかし華琳様は常々、私やお前の事を自分の物と言って憚りが無かった。しかしお前の事情があるせよ、『はいそうですか』と納得できるものじゃない」


「だからお前は蜀に戻って華琳様や私も含め、一度お互いに頭を冷やそう。華琳様から私から伝えておく」


一本気な春蘭が戸惑いながらも出した結論に秋蘭は内心この場では


(「姉者は私が居なくなってそこまで考えたのか…ああ可愛いな…」)


表情に出さず少々ピントがずれたことを考えていたが、それも束の間の事で直ぐに顔を引き締め


「姉者すまない…」


頭を下げ後事を春蘭や桂花ら軍師たちに託し、蜀に戻ってきたのであった。


一方、華琳にあっては紫苑に敗北したショックもあったのか、蜀との交渉にあっては稟や風に任せ、最初の対談以降の交渉の場には現れなかったのであった。


色々と憶測が飛んだものの一応名目上、内政面多忙な為、交渉については稟と風に任せるということであったので、紫苑たちもこれ以上事を荒立てる必要も無かったことから、その後は淡々と処理が進み、後は三国間の交渉で話を煮詰めることとなった。


紫苑や璃々が帰国して早々、蜀・呉・魏による話し合いが持たれた。呉から亞莎と桜(陳武)が、魏から風が出席していた。雪蓮については来訪を公にする訳にも行かなかったので別室で待機する形となった。


交渉はある程度順調に進み、兵については一緒に付いて行く者を希望して、陸と海で別れて脱出することとなったが、海での輸送について交渉が難航した。


救出する呉側から船の運動性や早急の船への乗り込みを行いたいことから、魏兵士の船内への武器や持ち込みを禁じ、身一つで乗り込む様に提案したことに対し、


「これは流石に捕虜の様な待遇だと思いますよ~」


風が呉の提案に反対の意志を示すと


「そちらの気持ちは分かりますが、皆の安全を考えるとこれは受け入れていただかないと」


「アンタ海を舐めて貰ったら死ぬよ。もし鎧を付けたまま海に落ちてみな。一発であの世行きさ。そんな私たちの指示に従えない様な奴を載せようとは思わないね」


風の意見に対して呉側の亞莎や桜も譲る気配が無いので、場の雰囲気は険悪な物になってきた。


魏の言い分とすれば、幾ら安全の為とは言え承服しがたい物で、呉の立場とすれば輸送に万全を期するのもあるが、過去に戦火を交えた魏の兵士が武器を手にしたまま乗船させることに不安があるのは無理も無かった。


それにお互い国の面子もあったので、意見は平行線が続き、その間一刀たちは無言を貫きお互いの言い分を聞いていた。


「今回の事はそちらから言い出した事、何故口を出さずに黙っているのですか!」


全く会話に加わろうとしない一刀たちに対して、桜が怒りの声を上げる。


「あっ、ごめん。今回の呉の熱意を感じて、そのまま見入ってしまって」


「そ、そういう訳だったら、仕方がないな」


一刀から素直に事情を説明し、自ら頭を下げられると桜も大声を出して怒鳴り返す訳にも行かずに、一刀からの謝罪を受け取るしかなかった。


「呉の言い分は分かるけど、流石に丸腰というのはまるで降伏した兵士の扱いだから、海での安全の事を考えて、取り敢えず鎧を外して携行できる武器のみ持っていくということでどうかな」


「それでは万が一、船内で事があった時にどうするつもりですか」


一刀の提案に亞莎が反対意見を述べるが


「それは大丈夫と思うよ。元々魏の兵は北方の兵が多いから海に慣れていない。船酔いとかで苦しむと思うから、そんな事する余裕がないと思うよ。それにそんな兵に呉の水軍が遅れを取ると思っていないけど」


一刀の言い分に一理あったのか、桜も納得した表情を見せ


「確かにそれはそっちの言う通りだな。向こうさんがそれを飲んでくれるのなら、こっちは譲歩するよ」


水軍の長である桜がそう言うと亞莎も同意し、風もこれに同意したのであった。


そして蜀・呉協力の元、魏の援助策が纏まった。


会議終了後、風は一刀に面会を求めてきたので、これを了承。別室で紫苑と秋蘭が同席した。


「今回の協力ありがとうございます~。一つお聞きしたい事があるのですが、よろしいですか~」


「いいよ。何かな?」


「今回の事ですが、幾ら秋蘭ちゃんの頼みとは言え、呉を動かして私たちを助けるのは何か裏があるのですか?」


風の疑念は当然であろう、例え秋蘭の頼みとは言え、敵国でもある魏を善意で救出援助する事は普通考えられないからだ。


「そうだね…。確かに普通では考えられないよな」


「それはそうですよ。ご主人様」


「ああ、言い出した私が言うのも何だが、普通じゃないな」


風の質問に一刀が答えると紫苑や秋蘭も突っ込みを入れる。


「それでお兄さん、本当の事を教えてくれませんか?」


何故か風は一刀の事を『お兄さん』と呼んで返事を促す。一刀も以前いた世界で華琳の能力が高い事を知っていたが、それを言う訳にも行かなかったので、


「俺が元のいた世界じゃ、曹操さんの事を『治世の名臣、乱世の姦雄』と呼ばれていたんだ。今は色々あって実力が発揮されていないと思う。ただ、このまま死なすのに惜しいと感じたからかな」


「曹操様の能力を惜しんでの事ですが、でも、そのような乱世の奸雄を保護して置いたら、何れ邪魔となり、色々と影響が出るのでは~」


一刀の答えに風は納得したような表情を見せず、更に一刀を追及する。


「そうだね…もし曹操さんが裏切られた時は、俺に人の見る目が無かったと言うことだろうね。まあその時はその時さ」


風は完全に満足できた答えでは無かったが、ただ現時点では華琳の器では一刀に勝つ事は困難であることは分かった。


「そうですか……。もし…お兄さんが魏に来てくれたら、私たちもこのような状況にならずに済んだかもしれませんね~」


「程昱さんの気持ちはありがたいけど、俺には紫苑や璃々が居ない生活というのは考えられないからね」


「あら、ご主人様ったら…」


「使者を目の前にして、奥方への惚気ですか~」


風は呆れながら、一刀と紫苑を見ていたのであった。


三国間の話がある程度纏まり、その日の晩、一刀は久しぶりに紫苑と璃々の三人で過ごしていた。


「はい。どうぞ、お茶です」


「ありがとう、紫苑」


一刀は紫苑から渡されたお茶をゆっくりと飲む。


「あれ?美味しいけど、いつものお茶と違うね」


「ええ、偶には趣向を変えようかと思いまして」


「へぇ、どんな味なの?」


璃々の質問に答えようとしたところ、


「……うっ」


突然、一刀は胸を押さえ込み、息が荒くなり始める


「ど、どうかしたの!ご主人様!?」


璃々の問い掛けに一刀は


「か、体が…熱い…」


「ちょっと、お、お母さん!ご主人様に何を飲ましたのよ!?」


一刀の姿に動揺した璃々は紫苑を問い詰めるが、紫苑は平然とした顔をしながら


「大丈夫よ、璃々。これはね。華佗さんに作って貰った滋養強壮の薬と媚薬をお茶に混ぜただけだから♪」


「はぁ!?」


璃々は紫苑の言葉を聞いて、ある程度事情を察したが


「でもどうして、こんな事を…」


「私や璃々、貴女もしばらくご無沙汰だったでしょう。どちらか占有したら我慢しなければいけないでしょう?だからどちらかが我慢するよりは、ご主人様に夫婦円満の為に少し頑張って貰おうと思ってね」


紫苑の言葉を聞いて、璃々は唖然としたが、しかし紫苑の見透かした様な目と誘惑から逃げられないと璃々は覚悟を決めるしかなかった。


「では…ご主人様。今晩は頑張って戴きますわよ……フフフ」


紫苑の妖絶な言葉に今の一刀には抵抗する事はできなかった。


そして翌朝、生きているのか死んでいるのか判らない、ほぼ屍状態で寝ている一刀と肌の状態が滑々で気持ちよく横で寝ている紫苑と璃々の姿があった



ご意見・ご感想については喜んで返事させていただきます。(ただし誹謗中傷等については無視します)

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