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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第10章 波乱
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第103話

雪蓮の爆弾発言に驚いた一刀であったが、流石に状況が状況であったため、朱里や冥琳の助言もあり、婚約云々の話は流石に状況が落ち着いてから話し合いすることなり、雪蓮たちは国境防衛のため帰国することとなったが、立ち去る際雪蓮は


「また、会いに来るから♪」


笑顔満面で立ち去るのに対し、蓮華は雪蓮にこれまでの事を無理やり白状させられその時は落ち込んでいたが、こちらも去る時は


「今度会う時には成長した私の姿を見せてやる。か、勘違いするな。決してお前の為ではないぞ。そ、そう自分の為にやるのだからな」


蓮華の照れ隠しの様な発言に対して


「あらあら素直じゃないわね」


「蓮華、誰もそんな事聞いていないわよ…」


紫苑は微笑を浮かべ、雪蓮は蓮華の自爆っぷりに呆れかえっていた。なお紫苑と雪蓮については呑兵衛同士ということで意気投合して、飲み過ぎて二日酔いとなり一刀と冥琳から怒られたことは言うまでもなかった。


雪蓮の帰国後、約定に従い華容から引き揚げて、念のため兵の半分を南郡に留め、璃々たちは洛陽にやって来たのだが…。


「ご主人様――!しばらく離れて寂しかったんだよ――」


璃々は到着そうそう脇目も振らず、一刀に抱き付いてきた。


一刀も嫌がずに璃々の頭を撫でてやると、璃々は目を細めて嬉しそうにしていた


今回は五路侵攻戦より長期間一刀と離れていたことや更に愛紗や桃香も一刀に横にいる女性が増えたこともあり、璃々も久しぶりに会うこともあり人目も気にせず一刀に甘えたのであったが


「こら、璃々。先に報告することがあるでしょう」


「は~い」


紫苑が注意すると流石の璃々も渋々、一刀から離れ無事到着した旨の報告をした。


その遣り取りを横で見ていた桔梗は横にいた黄忠に


「のう、紫苑……。(注意:桔梗の場合、黄忠のことを紫苑と呼び、紫苑の事を『紫苑殿』と呼んでいる)少し相談なんじゃが……」


「あら?どうしたの、桔梗?」


「お屋形様があの様なお方だ。それで儂もしばらくあちらの方は『日照り気味』でのう……。出来うるのであれば『味見』させて欲しいのじゃが……どうじゃ?」


「あのね桔梗…『味見』ってご主人様は料理じゃないのよ」


「……やはり駄目か。そうなると実力行使しかないかのう」


「ちょ、ちょっと桔梗、貴女何言っているの?」


桔梗の言い方に黄忠も少し慌てる。


「言葉の通りじゃ。まあ気にするな、今日の所は璃々殿が一人占めしそうな勢いじゃ。儂は近いうちにそのお零れを頂戴するだけじゃ。ハハハ…」


桔梗の言葉を聞いて黄忠は一刀たちに何らかの相談する必要があるとそう感じていた。


その後、璃々達が戦いでの旅塵を風呂で落とし、広間にやってきた。


そして一刀は別に準備させていた食事を各々の席に運ばせる。


「ご主人様、豪華な食事だね」


璃々が尋ねると


「ああ、久しぶりに皆と会えたんだ。皆の元気そうな顔を見れて嬉しいし、それに霞や桔梗のために酒もたっぷりと用意しているよ」


「ご主人様…」


「おっ!準備いいなぁ。今日は遠慮なく飲ませて貰うで」


「ほう……こういう演出を当たり前にするところが何とも心憎いのう……」


一刀の言葉に璃々や霞、桔梗はそれぞれ感嘆していた。


その後、乾杯をして杯に口を付ければ、もうここから先は無礼講であった。


そして酒に酔った璃々が先陣を切って皆の前でとんでもない発言をする。


「ご主人様、今夜は私と一緒に寝よう!」


「ぶはっ!」


璃々の発言に一刀は酒を噴き出す。


「あらあら」


「ほう…主、今宵は久しぶりに璃々を啼かせるのですな」


紫苑や星は璃々の爆弾発言にも動ぜずに酒を酌み交わしながらこんな発言をする一方、こんな場を盛り上げたり掻き乱すのが酔っ払い連中である。


すると背後から酔った桔梗と霞が現れ、一刀の背中に抱きつく。


「なんじゃ、寝るなら儂も一緒に行くぞぉ」


「ウチもウチも。付いて行くでぇ」


霞はいざ知らず、先に桔梗の発言を聞いていた黄忠が


「はいはい、黙りましょうね。酔っ払いさんたち♪」


桔梗と霞に手刀を落として気絶させると傍にいた華雄にも手伝って貰い二人を別室に連れて行く。


一刀の方もこれ以上璃々の醜態を見せる訳にもいかず、


「紫苑、後は任せたよ」


璃々を無理やりお姫様抱っこして広間から離れた。


すると桔梗を部屋に連れ、戻ってきた黄忠が紫苑に先程の桔梗との話を説明すると、


「事情は分かりました。ただ桔梗さんが一晩限りの遊びのつもりなら許すわけにはいきませんわ。もしご主人様を愛するのであれば、受けて入れる用意がありますと。桔梗さんが気付かれた時にそう言って貰えますか」


翌朝、桔梗は黄忠からその話を聞くと


「ハハハハハハ!豪気な奥方だ。また時期が来た時にその勝負挑ませて貰おうか」


桔梗は豪傑な笑いをしながら愉快そうに言っていた。


一方、一刀の方は璃々が相当溜まっていたのか又は『紫苑の血』が開花したというのか、


「ハァハァ……り、璃々。もっ、もうこの位でカンベンして……」


「駄目だよ~ご主人様。今まで溜まっている分精算して貰わないと~」


翌朝璃々の顔は、いつも以上に肌艶が良く、逆に一刀の方はいつも以上に疲れ切っていたのは言うまでも無かった。


そして皆で今後について話し合いを行われていたのだが、まずは洛陽の取扱であった。現状洛陽を占拠しているものの、現状ここを本拠地とするのは晋や魏との国境にも近く危険であることから付近の鎮撫や魏と晋の戦いの行方が分かった時点で一度軍勢を再編するため長安に引き上げることが決まった。


そして呉の同盟を魏に宣言することについて、使者を送る話となったが、ただ使者には無位無官の人物を送る訳にも行かず、ある程度の地位を持った人物を送る話となったが、各人色々と候補者が出していたが、すると一刀が


「そうだね…翠を使者に送ったらどうだろうか」


「はぁ?」


「「「「「「え――――!」」」」」


これには翠は勿論、皆、驚きの声を上げ


「あの~ご主人様、何で翠さんなんですか?翠さんには申し訳ないのですが翠さんの性格ではこういう使者には不向きだと思いますけど……」


「そうだよ!ご主人様、朱里の言う通りだよ。お姉様は戦なら問題はないけど……」


朱里や蒲公英は横にいる翠を気にしながらそれぞれ言葉を切る。


「な、何だよ、皆、そんな不安そうな顔で私を見るな!こ、これはご主人様のじ、冗談だろう!?それにこんな私が使者なんて務まるわけないだろう!!」


「翠…冗談ではなく本気で選んだんだけど…」


「ちょっと待ってくれ!そんな重要な使者に朱里や星みたいに口が達者な奴らが行った方がいいだろう!?」


翠の返事に一刀は意を得たりばかりに


「だからこの場合、翠が一番いいんだよ」


「へっ?どういう事だ?」


一刀の答えに翠が疑問の声を上げ、紫苑や璃々、朱里たちは黙って一刀の言葉を待つ。


「こういう場合、変に考えない方がいいんだよ。翠、腹の探り合いみたいな事は苦手というか出来ないだろう?だから気にせず、いつも見たいに正々堂々と俺の書状をそのまま曹操に渡して来てくれたらいいんだ」


一刀がここまで説明すると漸く何人かは一刀の意図に気付き


「なるほど、それであれば必要以上な事を喋る心配が無いと言うことですね。ご主人様」


愛紗の説明に皆は得心したが、翠は今一つ納得していない様子で


「なぁ、蒲公英。これって何となく馬鹿にされているような気がするんだが…」


「お姉様、適材適所というやつで、今回はご主人様からの直々にお姉様を指名したからさ。その期待に応えようよ♪」


「別に翠を馬鹿にした訳じゃないぞ。俺は翠だからこそできると思って選んだつもりだけど…嫌だったら他の誰かと代わって貰うけど…」


一刀が寂しそうな顔をすると翠は慌てて


「ご、ご主人様、そんな顔をしないでくれよ!分かったから。使者に行くから!!」


「ありがとう、翠」


そう返事する翠の元に一刀が近付いて、無意識に抱きしめると


「★■※@▼∀っ!?」


一刀の行為に驚いた翠が思わず意味不明の言葉を発してしまい、


「ご、ご主人様、何をしているのですか!」


この様子を見て愛紗が怒ったのは言うまでも無かった。


それを見ていた紫苑は苦笑しながらも


「はいはい、愛紗ちゃん怒らないの。翠ちゃん、大丈夫だと思うけど気を付けてね」


「ああ任せてくれ。向こうに舐められないように行ってくるぜ」


翠はそう言いながら力強く答え、魏への使者として旅立ったのであった。


ご意見・ご感想あれば喜んで返事させていただきます。(ただし誹謗中傷等は止めて下さいね)

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