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ヒャッハァーーー

「セリーナ・シャルトル。お前、本当は強いだろう?」


驚いた。


かなり真面目に()()をしていたつもりだったのに。さすがは情報課トップと言うべきか、その観察眼は伊達じゃない。弱い振りを見破られるとは。


血を操る魔術(ヘモグラヴィティ)


課長殿のお言葉に返事をせず、短く唱えた。空中に血でできた槍を5本生成する。試しに飛ばしてみるが.........


まぁ防がれるよね。


リュイネルは瓦礫を盾に5本の槍を防いだ。逆に瓦礫を大量に飛ばしてきたがそちらは課長にお任せした。


「ヒャッハァーーーまじか!!まさかの特級魔術!局内で特級魔術扱える奴なんて特捜部くらいにしかいないってのに」


おや、予想外の反応だ。後の4人もお口あんぐりではあるが課長ほどではない。というか、もはや課長は驚きを通り越して興奮すらしていた。


「つうか特捜部だけ特級魔術使えるやつゴロゴロいて怖い。何してるか謎だし。あそこだけ課じゃなくて部だし、予算も多いし、人も多いし........」


ん?どんどん声が小さくなって早口になって行く。驚きのお言葉が愚痴へと変わった。


とまあそんなことを言っている間にも瓦礫による飽和攻撃は続いている。そろそろ反撃しないとやばそうだ。現に防護結界に亀裂が入り始めている。


「おーい、戻ってきてくださーい。課長ぉーー」


「はっ」と言う言葉と共に課長は正気に戻る。まったく、ふざけているのかこいつは?


「とりあえず特級魔術を扱えるのはわかった。でもお前、魔族との戦い方なんてわかるのか?」


「安心してください。こう見えても私の実家は裕福だったので十分な教育を受けています。対魔族戦についても家庭教師に教わったことがあります」


実家が裕福だったという私の言葉に課長は目を細めた。一体この人はどこまで知っているのだろう。


「で?具体的には?」


「私が隙を作ります。そこに全員で全火力を叩き込んでください」


「まるで隙が作れるのを確信しているようだな。よほど自信があるのか...............まぁいい。指図されるのはムカつくが、やるっきゃねえよなあ」


会話を済ますと私は一人で結界の外に飛び出た。飛んできた瓦礫が結界の周りにバリケードのように積み重なっている。


血を操る魔術(ヘモグラヴィティ)


そう唱えると今度は数十本の槍を生成する。そして絶え間なく槍を降らせる。その間に私は背後に移動した。


別に隠れているつもりはないのですぐにリュイネルはこちらを向く。槍を防ぐ片手間攻撃してきた。


瓦礫は次々と私のすぐ背後に突き刺さる。走り続けているので直前まで私がいた所と言ってもいいかもしれない。周りの建物は全て倒壊しておりここは開けている。よって隠れる場所もない。足場が瓦礫で埋め尽くされているため時々転びそうにもなる。


走りながら私は左手にナイフを突き刺した。血がドボドボとこぼれ落ちる。バカなのかと思われそうだがこれぐらいしないと勝てそうにない。


痛い。痛い。痛い。(全く痛みを感じない)


ナイフを抜くとさらに血がこぼれ落ちた。


地面に溜まった血の痕をみる。痕は私の走ってきた軌跡になっていた。


溜まった血液を操作する。血のシミは蛇のようになり、クネクネとリュイネルに向かっていった。


こうしている間にも私の槍はリュイネルに向かい続けている。


リュイネルの真下に到達した血は脈打ち、次の瞬間、鋭い棘となってリュイネルへ襲いかかった。傍から見たら一瞬で大きな赤黒い棘が地面から生えたように見えただろう。


願わくばそのまま倒してしまいたいが現実はそう甘くはない。


心臓を狙ったつもりだが避けられた。血のオブジェは魔族の右肩に刺さる。


でもそれで十分。


さぁ課長、作りましたよ。“致命的な隙”を............


「よっしゃやったれ!!!」とこちらまで聞こえる課長の号令と共に攻撃魔術が放たれる。


その時だった。


嫌な予感がした。


あたりを見回すとふと一本の剣が目に入った。おそらく最初に馬車が吹っ飛ばされた時に中から落ちたものだろう。........え?遺品ってこと?


そんなことよりもなぜだ。奴の魔法は単純な物体を操るだけの物だと思っていた。それならばなぜ剣をこちらに飛ばさない?その方が確実なはずだ。今まで奴が操ったのは.........


()()()()だ。


奴の魔法の対象は瓦礫だけ?


まずい。


足元を見るとやはり瓦礫の上に私は立っている。というかここら辺どこを見渡しても本物の地面が見えない。全て瓦礫で埋もれている。


もしも奴がこれら全ての瓦礫を操れるとしたら.........本当にまずいことになる。


でもだとしたらなぜ今まで一部の瓦礫しか操っていなかった?


手を抜いていた?あるいは一度に操れるのには限度があるのか?


いや杞憂だろう。全ての瓦礫を同時に操れるなんて、そんなわけ..........


そんなわけあった。


課長らが放った攻撃魔術が魔族に到達しそうなその瞬間、魔族の周りの瓦礫が一気に動いた。3mは超えるんじゃないかという壁が六角形型全方位に構築される。


瓦礫で出来たその防壁に全ての魔術が無効化された。課長たちの魔術ではあの中にいるだろう魔族には届きそうにない。


足元の瓦礫がぐらぐらと揺れ始めた。やがて私の周りの瓦礫が数個、宙に上がり、尖った角がこちらを向く。見ると課長達も同じ状況だ。


ゆっくりと瓦礫の壁が崩れると中から魔族が姿を表した。


あぁやばい。こりゃマジでやばい。

ちなみに瓦礫のリュイネルさんの元になったのはRuiner、スウェーデン語で廃墟という意味です。かなりテキトーに考え…(((((((殴


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