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エピローグ
家族を殺したのは魔族だと誰もが信じている。
私自身も、そう信じることにして生き延びてきた。
真実を疑うにはあの日の血はあまりにも多すぎた。
あの日のことは二度と拭えない記憶として、私の瞼の裏に焼き付いている。
床を赤く沸らした血潮は夜の静寂すら飲み込み、永遠の悪夢として私の魂に刻まれた。
没落した貴族の名も、守るべき家も、もうない。
誇りも未来も、あの夜に全て失われた。
残ったのは復讐だけ。
だから私は剣ではなく嘘と影を選んだ。
国家の諜報官として生き、
いつか必ず――
家族を殺した“誰か”に辿り着くために。
次話は明日20:30にあげます。
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