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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
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第76話〜代償〜

かなう視点です。

うつつを【Macaron:Magic】へ向かわせた後、

私はアトリエの入口にある看板を

CLOSEからOPENに変えた。


「かなうがアトリエの店番するの久々じゃないか?」


日向を浴びに来たわっさんが

ちょこちょこと入口へ歩いてきた。


「そうかも。最近は皆に任せっきりだったね。」


今日こそはアトリエの宝達の手入れをしなきゃと思い、

お店の空気を入れ替える。


「そういえば、うつつにお金を持たせるの忘れたわ。」


Macaron:Magicという魔装具専門のお店は、

私がこのゲームのアストラニア・アカデミーへ

通っていた時に知り合った、苺乃雛子という

ちょっと不思議な友人が経営している。


「効果がある故に高ぇんだよな。」


私は、うつつのチャットに

魔装具が買えるだけのウェルスを送金した。


「あぁ……赤子の言葉で話す子のところか。」


わっさんが思い出したかのように言った。


雛は大人であるにも関わらず赤ちゃん言葉で話す。

それは彼女の固有スキル【BABY MOUTH(ベイビー・マウス)】による

影響である。


赤ちゃん言葉で話すことによって身体能力の向上を

得られるスキルみたいだが、そのおかげで日常的にも

赤ちゃん言葉が取れなくなってしまったと言う。


身長も今は131cmだが、元は170cmと

私と同じくらいの背の高さだったらしい。


なぜ、40cm近く身長もすり減ったのか。

雛は魔法の使い過ぎで背が……

いや、身体が幼児退行してしまったと言っていた。


とは言っても彼女の職業は魔法使い。

魔法を頻繁に使用する。

 

雛はそんな自分の悪化する症状と、

自分のような苦しみを味わう人が生まれないよう

魔装具を開発した天才である。


「あ、わっさんそれ取って。」


アトリエの商品整理をする中、

私は、腕時計を取って欲しいとわっさんにお願いする。


「針が狂ってるな。」


これもアトリエの商品としてみたら

ヴィンテージ感があり、味のある品物だろう。

でも、最近の人間はそんな壊れた物を買うことはない。


新旧変換(アップ・チェンジ)


時計を分解し、ゼンマイに魔法をかけた。


古い物を新しい物に交換する魔法。

実が壊した彫刻のように、壊れてしまった物には

使えない魔法だが……。


それでもかなり便利な魔法である。


「雛子がかなうに魔装具を持たせる意味がよく分かる。」


新品になった私の手袋を見て、わっさんが言った。

この手袋も、もう863代目である。


かなうちゃまはバカスカ魔力使うんでちから〜!!

とか言って毎月定期便で大量の手袋が送られてくる。


そう……私が普段身につけている

この左手の手袋は、雛お手製の魔装具である。


私も魔法剣士という職業柄、雛と同様に魔法をよく使う。

だからこそ心配してくれているのだろう。


「でも不思議なんだよ。」


雛は、魔法の影響で身体に異常があったけど

雛と出会う前から魔法を使用していた私の身体には

何も変化がない。


「うーん……人によって及ぶ影響が違うのかもな。」


知らないところで寿命が縮んでいたりして……

なんて怖い事を言うわっさん。


「マジでシャレにならんわ。」


私は、わっさんの頭をグイッと人差し指で押した。


ガチャ…カランカラン__


お店の扉が開き、鐘の音が鳴った。


「おかえり、早かっ……」


うつつだと思って振り返ったが、

そこに立って居たのは違う人物だった。


 

「かなうたん!!!どういうことっ!!!」


ピンクの髪をふわりと靡かせながら

可愛らしい顔でズンズンと私に歩み寄ってくる女。


「はぁ?どういうことって……なんだよ。」


その人物は、花邑(はなむら)みらい。

ファントム・ストーリー1の人気アイドルだった。


「これよこれっ!!」


ほっぺたをぷくーっと膨らませて、

私にスマホの画面を見せる彼女。


なぜ、人気アイドルが

私にこんな馴れ馴れしい態度なのかと聞かれれば

それは、コイツとリアルでの幼馴染だからと

言い返す他無いだろう。


「みらい、ちょ〜ショックなんですけどー!!」


ヒステリックに嘆く彼女は、どうやら

ギルド対抗戦のことを言っているようだった。


「何よっ!"月影Knight(つきかげナイト)"って!!!

この男もこの女も誰なの〜〜!!!」


ベシベシとスマホを叩くみらい。


あぁ……この3年間、誰とも吊るもうとしなかったことで

私は痛い目をみたらしい。


私が数年どのギルドにも入らなかったせいか

AYAKASHIは愚か他ギルドにまで

影響を及ぼしているのだと、みらいは言う。


「みらいもAYAKASHIじゃなくて

かなうたんと組みたかったよ〜〜!!!」


一緒にアイドルもしてくれないし〜〜!!!

連絡も返事してくれない〜〜!!

みらいとかなうたんは織姫と彦星なんだよぉ〜〜!!!


ヤダヤダと意味のわからない事を言いながら

駄々を捏ね始める幼馴染。


昔はこんな性格のヤツじゃ無かったんだけどな……。


けど、コイツの考えは透けて見える。


「で?要件は何よ。」


わざわざアトリエに来たということは、

理不尽な交換条件を持ち出されるんだろうなと

聞いてないにも関わらず、私はみらいに白旗降参である。


「みらいが勝ったら、

かなうたん一緒にアイドルしようね!」


つまり、私利私欲でAYAKASHIに臨時加入したって訳か。

とことんムカつくやつだなっ……!!!!


アイドルは、JOKERの育成で手一杯だと言うのに。

自分もそちら側?…たわけが。


私が勝ったら、AYAKASHI諸共

転移魔法で5時間帰れないコースに仕立ててやろうと

私は心の中でそっと思った。

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