表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
69/105

第66話〜とある舘の摩訶不思議⑨〜

「コイツ邪魔だし倒しとく?」


かなうさんは、人型魔物を指差して言った。


「カミカミうるさいし、

本当に神がいたら話してみたいわ。」


〈カミイナイ……ッテ……イイマシタカァ……?〉


ドンッ__


魔物がかなうさんに近付き、壁に向かって押し飛ばした。


〈イルイルイルイルイルイルイルイル……!!!!〉


狂喜乱舞に暴れ出す魔物。

彼の首にかけられているロザリオが光る。


「いってぇ……。なんだよ急に……。」


もしかして……かなうさん、神が居ないことを前提に

話したからそれに反応した……?


「あーもう。なんか、ムカつくわ。

"いる"って言うなら連れてこいよ。」


理不尽に攻撃を受けたせいか、眉間に皺を寄せ

怒っているかなうさん。


「ウチら"友達"じゃねぇーんだわ。

テメェの思想を初対面の奴に押し付けんなよ。」


それは、今まで見た事のない彼女の一面だった。

荒々しくも論破するような口調。


「あぁ……怒らせちゃったね。

僕かなねぇ怒ったの見るのコレで2回目。」


部屋出た方がいいよと。

実くんが、私をかなうさんと魔物から引き剥がした。


「かなねぇって顔に出るけど言葉には出さないでしょ。」

「うん。」


本来、凄く気が強くて短気だけど

それよりも優しさが上回ってるから、普段は絶対に

傷つくようなことや悲しませることは言わない。


「僕今日言ったでしょ。

頭がいっぱいになって、爆発しちゃったって。」


そういえば……確かに。

不安を抱えきれなくなったが故に家出をしたと

実くんは言っていた。


「僕みたいに頭で考えなくても、

心がいっぱいになる時もあるんだよ。」


それが、かなうさんだと実くんは言った。


「薄々感じてた…。」


本人はそんな素振りを見せていなくても、

1ヶ月近くも一緒に住んでいれば、何となく

この人我慢してるなってことくらい分かってしまう。


「だから、僕はかなねぇのこと凄く信用してる。」


気持ちを溜め込むってことは、

それだけ自分や相手と向き合える人なんだって。


「コレ自画自賛にも聞こえちゃうかもだけど…。」


実くんは、きっと自分自身とかなうさんの感性が

似ていると感じているのだろう。


「凄く素敵なことだよ。」

「へへっ。」

 

照れくさそうに話す実くん。


ここに来てからなんだか、

ネガティブとかマイナスに思える感情も

裏を返せばそれは前向きだったり

役に立つことがあると気付けた。


今まで人と関わる機会が少なかったせいで

感じること全てが新鮮で、コミュニケーションは

人がより人らしくあるための、大事な過程なんだなって

思い知った……。


現に、実くんの考えや発言は

私よりも遥かに人として立派である。


私よ……12歳に精神年齢負けてるのか……??

めちゃめちゃ悔しいが……!!!?


「でも、僕も甘えすぎちゃったよね。」


かなうさんが断らないことを知っていて

今日急に押しかけてしまったことを

実くんは後悔しているようだった。


「私が言うのもあれだけど……多分大丈夫。」


"大丈夫"だと、かなうさんも同じことを言うはず。


「それに、子供が大人に甘えられるのは

高校生までなんですから!」


施設にいた頃、クリスマスになると毎年

寮母さんからクリスマスプレゼントが贈られた。


一度は遠慮したものの、子供のうちは甘えておきなさいと

沢山の愛情を貰って育った。


施設での生活は決して居心地のいいものではなかったけど

物凄く感謝している。


おかげで、半グレにはならず済んだのだから。


寮母さんから貰った言葉を

私は、実くんへ伝えた。


「それなら、いっぱい甘えるー!」


ガバッと私に飛びつく実くん。


そ、そいうことではないんだけどなぁ……。

と思いながらも可愛さに負け、頭を撫でる。


今頃扉の向こうではかなうさんが

魔物討伐を頑張っているというのに……。


私達はこんなに平和ボケしていていいのだろうか?


「かなねぇのこと心配?」

「うん。普通の魔物には見えなかったし……。」


キョンシーとか、るるちゃんは別として

あんなに綺麗な人型の魔物は初めて見た。


私がクエスト初心者過ぎて分からないけど

異様な感じがした。


「このゲームってあんな感じの魔物もいるの……?」

「うーん、僕は初めて。かなねぇも多分。」


そうなんだ……。


初めての魔物じゃどう対処していいかも

分からないだろう……。


かと言って、経験の浅い私が突っ込んでも足手まといだ。


「このゲームってホント変だよね。

僕、今まで色んなゲーム遊んできたけど、

こんなに完成度が高いゲームは他にしたことないよ!」


ゲーム好きな父の影響で、自分もゲームが好きになり

色んなタイトルを遊んでいると言う実くん。


「このゲームってさ、アクションもあれば

スローライフもできるでしょ?

おまけに期間限定でホラーも楽しめる。」


このゲーム1つで色んなゲームを

楽しんでいるみたいだと。


「私、ゲームはこれが初めてだけど……

言われればそうかも。」

 

「えー?!これが初めてなの?!

じゃあもう他のゲームで遊べないよ〜〜」


他だと、物足りなくなって

結局"ファントム・ストーリーに戻る"なんて

実くんは冗談交じりに言った。


まぁ……私の場合は、住む家無くなっちゃったから

他のゲームなんて遊べないんだけどね……。


我ながらなんて不幸なんだと心の中で静かに泣いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつも作品を読んでくれてありがとう!
ぜひ感想お待ちしてます!

小説家になろう 勝手にランキング
↑こちらを押すと私の作品レベルが少しupします↑
★5評価いただく度におにぎり握ります!!
ブックマークもぜひよろしくお願いします*ˊᵕˋ*

Xでも小説のお知らせを更新したり、情報を届けています!
↓ぜひ、チェックしてね!↓
現実的ファンタジア公式Xアカウント
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ