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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
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第65話〜とある舘の摩訶不思議⑧〜

「ぐぬぬ……っ!!」


どうも、知恵の輪と格闘中の20歳

鳴宮うつつです。


扉のノブにかけられている星型のメッキ。

そこに絡まる変わった形の鍵。


その鍵は、鍵穴とも形状がピッタリ合う。

しかし、ノブからは角度があるため鍵穴に直接届かない。


この部屋へ入るためには、やはり

この知恵の輪を解くしかないみたいだ……。


「頑張れ〜。」

「うつつ姉ちゃんファイト!!」


私が真剣に解いている中、かなうさんと実くんは

変なダンスを踊って、私を応援している。


「集中できるかっ!!!」


ゴンッ__


集中力が切れた私は、知恵の輪を扉に向かってぶつけた。



「その鍵なんか書いてあるみたいだけど読んだ?」

「読んでないです……。」


かなうさんに言われて気付いた、

鍵に刻まれた小さな文字。


私はそれを読み上げた。


【星々は、東から巡る。

羊と狼が初めて視線を交わした“その時”、

星を東回りに同じ数だけ進めば道は開ける。】

 

その文は、この知恵の輪を解くためのヒントだった。


力任せにやっても出来ない。

これは頭で解くものだと言われているようにも見えた。


「羊と狼……。」


実くんはそう呟いて、この場を離れてしまった。


私は、さらにメッキと鍵をよく観察する。


「かなうさん、これ……!」


メッキと鍵には、小さくアルファベットが刻まれていた。


「星がA・G・S・T・Vで、鍵がF・I・N・Wか。」


かなうさんが、アルファベットを読み上げた。

 

星には5つ角の内側に、

鍵には4つ円の内側に対面している。


「もしかしてこれも使う……?」


戻ってきた実くんが持っていたのは、

さっきの部屋で読んだ絵本だった。


「羊姫と狼執事!!

羊と狼が視線を交わした"その時"って……。」


マトンネとウルフィが関係してる?


私は、彼女達が視線を交わしているシーンが無いか

ページをめくった。


「ここっぽいな。」


それは、"7ページ目"


マトンネが熱で寝込み、

ウルフィに大事な仕事を頼んでいるシーンだ。


この時初めて2人の視線が交わっている。


「東回り……時計回りに7回回すとして、

一体どこから回せば……?」


やることは分かったけど、

スタート地点が間違えていたら鍵も取れないだろう。



「この星のメッキと、

鍵のアルファベットも意味があるはず。」


アルファベットということは、

何かの単語を表しているかもしれない。と

かなうさんは言った。


「狼は英語でWolf(ウルフ)。この絵本、一見

ただのお遊びかと思うけど、沢山ヒントが隠れてたね。」


確かに……。

 

討伐メインなはずなのに、謎解きも

程よくクオリティ高いのなんなの……?


「鍵にWのアルファベットあるよ!

じゃあ羊は、Mutton(マトン)Ram(ラム)?」


実くんが羊も英語に直すが、

MとRのアルファベットは無い。


「メッキの形が、星ってところが肝かもな。」


かなうさんは分かったのか、

頭を抱える私と実くんにヒントを出した。


「分かったなら解いてくれても良いのに……。」

「いやいや、それじゃあ君達がスッキリしないでしょ。」


くっ……的を射てるから何も返せないや。


「星……羊……あっ!!!牡羊座!!」


かなうさんからのヒントで(ひらめ)いた実くん。


「牡羊座ってことは、Aries(アリエス)……!」

「ピンポーン!正解。」


実くんからのバトンを受け取り、

私も見事謎が解けた。


「うつつねぇちゃん、いえーい!」


私は実くんとハイタッチを交わした。


そして私は、知恵の輪を手に取った。


「AとWを合わせて、時計回りに7回回して……。」



カツン__



「鍵、取れた……!!!!」


今日1日これにめちゃくちゃ頭使った気がする……。

もうさっさとクエスト終わらせて帰りたい。


まだかかりそうだけど……。


なんて思いながら、私は部屋に鍵を刺し込んだ。


ガチャ__



扉を開けると、もはやお決まりのように

魔物がこちらを見ていた。


〈カミヲォ……シンジマスカァ……?〉


「なんだか今までの魔物とは雰囲気が違うな。」


仕掛けが分かっていれば

驚くこともなくなったかなうさん。


かなうさんの言う通り、今までの魔物とは雰囲気が違く

言葉も聞き取れるし"ちゃんとした人型"である。


神父のような格好をした青年。

手には聖書のようなものを持っている。


壁一面に描かれた星空が、

その魔物の異質さを際立てている。


〈シンジマスカァ……?カミ、シンジマスカァ……?〉


「コレやっていいのー?」


最前走って討伐に挑む実くんも、

今回ばかりは引き気味だ。


「分かんないなぁ……。一旦捕縛しとくか。」


かなうさんが、人型魔物を雷縛輪(スパーク・ヘイロー)で捕縛した。


〈シンジマスカァ?シンジテマスカァ……?〉


さっきからずっと同じ言葉を繰り返す魔物。

"神を信じますか?"と言っている。


よく見れば、本棚には聖書や宗教の本があったり

机には宗教勧誘のポスターや魔法陣を描き途中の紙が

置かれていた。


「こりゃ、また随分と力が入ってるカルト部屋だな。」


魔物を捕縛したまま、

かなうさんと実くんは部屋を探索し始めた。


よくこの状況で探索できるな……。


「相当な宗教マニアだぞ。誰の部屋だっけ?」

「長男!」


実くんに部屋の主を確認するかなうさん。


〈カミ、シンジマスカァ?シンジテマセンカァ……?〉


捕縛されてもまた言葉を繰り返す魔物には

今までにない不気味さを覚える。


「この部屋で大分真相に近付けそうだな。」


かなうさんは、魔物を怪しく見つめながら

舌なめずりをした。

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