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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
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第64話〜とある舘の摩訶不思議⑦〜

蘭さんからプレゼントして貰ったのに

投げたりして申し訳ない…。


私は杖を拾い、付いた埃を払った。


「なるほどね、謎解きギミックとして

魔物を倒すとアイテムがドロップする仕組みか。」


かなうさんは、さっきの狼の魔物を倒して手に入れた

絵本を手に取った。


「【羊姫と狼執事】……。」


タイトルの中に"ヒツジ"と"シツジ"が混ざって

紛らわしいっ……!!


「これ結構面白いぞ。」


かなうさんがペラペラと絵本を捲る。

 

面白いとか言って、ほんとに読んだのか……?

絵しか見てないでしょ絶対。


「僕も読む!!」


かなうさんから絵本を受けとり、読み始める実くん。


「むかしむかし、あるところに

お城に住むお姫様がいました。」


テンプレ的な始まりだった。


「そのお姫様の名前はマトンネ。

隣町のとても優しい王子と結婚し、

子供も2匹授かりました。

マトンネ達は、周りからも羨ましがられるほど

沢山の幸せで満ち溢れていました。」


羊だけにマトンってか??

 

そういえば実くんも、さっき技でラム・チョップとか

言ってたような……。


「そんな幸せ家族はある日、執事を雇いました。

彼女は、狼のウルフィ。」


こちらもまた安直過ぎる名前……。


そう思ったが、名前は問題では無いだろう。

絵本を読む子供は、別にそういうところを

気にしたりしない。


「ウルフィは、なんでも出来ます。

頼んだことは全て完璧にこなす、完璧主義者でした。」


良いな……。

私も社畜時代にそんな執事を雇えたら、

生活水準が上がったんだろうなぁ……。


「望みだって叶えてくれます。

パスタが食べたい時だって、すぐに作ってくれます。

マトンネが熱で仕事が出来ない時も、

ウルフィが変わりにやってくれました。」


神かよ。今すぐ雇わせてください。

 


「次第に、マトンネの要求はエスカレートしました。

ロボットのようにマトンネの願いを

なんでも望みを叶えてくれるウルフィ。

そんなウルフィにも、完璧でいるための

理想がありました。」


ここまで読んだ実くんは私達に問いかけた。


「ウルフィの理想ってなんだと思うー?」


理想かぁ……。


「そう言われると少し考えちゃいますね……。

規律を守るとかそんな感じかな?」


完璧にこなす彼女だからこそ、

ルールとか時間には厳しそうだ。



「私は、"エゴ"だと思うな。」


かなうさんはそう言った。


完璧でいるための押し付け。

 

こうしろ。ああしろ。と

無償で、他者のために行動できる人はいない。


「完璧を求める人は、エゴがなきゃ動かないよ。」


理不尽に指図されたら、私なんかぶん殴っちゃうわと

まるで自分が体験したかのように、かなうさんは語った。


「うんうん、2人とも面白い考えだね!続き読むね〜。」


実くんが続きを読み始める。


「ウルフィは、その真面目さと器用さから培ってきた

努力を"完璧"だと他者から評価されてきました。

そんなウルフィは、少しのミスも許しません。」


意味ありげに、ウルフィがナイフを研ぐイラストが

描かれているページ。


「自分が完璧でいるためには、仕えている家族にも

完璧で居てもらわなくてはならない。

そう思ったウルフィは、深夜

マトンネの子供の部屋に忍び込みました。」


そこで話は終わっていた。


「え?!これで終わり??

こういうのが1番気持ち悪い〜〜!!」


ムズムズすると、実くんが物足りなさそうに言った。


しかし、これ以上ページは無い。

 

日記のように破れてもいないし、

空白のページがある訳でもない。


かなり不気味というか……

想像を掻き立てられる終わり方ではあった。


かなうさん、これ面白いって言ったのマジですか?

捲ってただけだし、適当に言ったわけでは……。


「ハハハッ……!!

マトンネがこうで、ウルフィがこうってことでしょ?

おもろ〜〜!!」


嘘でしょ……?

1人で読書感想会してるんですけど。


そんな面白かったかな……?

でも、理性=エゴという観点は間違いではなかった。

 

かなうさんの感性がわかんなくなってきた…。

 

もうこの舘のトリックや魔物よりも

この人が一番、思考と行動が読めなくて怖いよ……。


「芸術的な話をすると、未完成だからこそ美しくて

価値があるものってこの世には存在するんだよ。」


サグラダ・ファミリアのように。と言うかなうさん。


「いや、この絵本をサグラダ・ファミリアと

同格にしちゃダメでしょ。」


てか、サグラダ・ファミリアだってもう完成してるし。

何百年前の話してるの……。


「それはそうと、次の部屋へ行くための

手がかりは探したいよね。」


かなうさんが、絵本をベッドの上に置き

部屋の探索を始めた。


「そうですね。実くん、残りの部屋の鍵の形状は

どんな感じでしたか?」


「1番左が鍵ないんだけど、知恵の輪を解くと

開くみたい。真ん中がアルファベットのダイヤルキー。

1番右がフェイク!鍵無かったから開けたんだけど、

扉の向こうはコンクリートの壁だったよ。」


え……?でも、あそこは元々書斎じゃ……。


「恐らくその部屋が、真相の眠っている部屋だろうね。」


きっと真ん中の部屋から行けるはずだと

かなうさんは言った。


「左の部屋なら自力で突破出来そうですね。」


知恵の輪なんてやった事ないけど……。


「一旦そっちの部屋行ってみるか。

この部屋は(はりつけ)板や拘束椅子のような拷問器具だらけで、

謎解きのアイテムになりそうなものは無さそうだね。」


確かに……。

 

未成年の実くんへの影響にも良くないし

この部屋は後にしよう。


「これなに?」と実くんが聞く度に、

かなうさんが宇宙猫のように遠くを見つめた顔で

「ペぽ」とか「ぱにょ」とか……意味のわからない言葉で

答える姿も見るに堪えないし……。


6月もありがとうございました!

投稿してから2ヶ月!!


7月もよろしくお願いいたします!

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