第60話〜とある舘の摩訶不思議③〜
「この部屋を出るにしても、
アイツらで足止めくらいそうだな。」
かなうさんが言う"アイツら"とは、
キョンシーの事だった。
「この部屋に何かないかな〜?」
実くんのその一言で、全員が部屋を探索し始める。
かなうさんはキッチンを調べ、リビングは実くんが。
私は、この部屋全体にある家具をスマホにメモしていた。
ブラウン管テレビに蓄音機……
キッチンには料理器具が諸々と。
流石に電気やガス、水道は止まっていた。
「これは?」
私は、キッチンにあったダンボールを開けた。
そこには500mlペットボトルの水が1本と
残り少ないオイルライター。
「謎解きに使えるかもな。持っていこう。」
かなうさんはそれを手にすると
空間アイテムボックスを呼び出し、その中へとしまった。
「かなねぇ…!」
実くんはある物を手にしてキッチンへ来た。
「テレビ台の裏に小さい鍵とメモがあったよ。」
そのメモは紙が焼けて少し見にくいけど、
子供が書いたような字であることが分かる。
"おたからのカギ"
部屋の鍵では無さそうだが、
きっと重要なアイテムであることは間違いない。
「宝探しワクワク……!」
実くんは楽しそうにその鍵をポケットへと入れた。
他に何かないか探してみるも、
冷蔵庫の中には"腐った味噌"のみ。
中々使えそうな物は無かった。
「さて、どうしたものか。」
廊下のキョンシーの足止めするにはどうすればいいのか
かなうさんは頭を抱えた。
やはり強行突破するしかない……?
「部屋開けるか。私が、雷縛輪で捕獲するから
攻撃が効くか試してみてくれない?」
「分かった!」
かなうさんの作戦に、実くんが分かったと
三角のボムを手に持った。
確かに、夜猫冥神の時に使用していた
かなうさんの雷縛輪という技なら
一定時間キョンシーを足止め出来るかもしれない……!
ガチャ__
部屋の扉を開けた。
「これでも食いな!!」
かなうさんは玄関付近の広い廊下へ向かって
冷蔵庫に入っていた腐った味噌を投げた。
遠くからでもかなりの悪臭……。
グァァ……ァァァヴァァァァ……!!
悪臭放つ餌に群がるキョンシー達。
「雷縛輪!!」
一体も漏らさず、かなうさんはキョンシーを捕縛した。
そこを目掛けて、実くんがボムを投げ飛ばす。
「握飯爆弾!!!」
ドカァァーン!!!
しかし、キョンシーは無傷。
「コイツらだけでかなり時間食ってる。」
ただの足止め要員かもなとかなうさんは言った。
「そうかもしれないですね……。」
いや、期間限定の割にシステムも
ストーリーもめちゃめちゃ凝ってないか???
このゲーム本当に侮れない……。
「そこの目の前の部屋、やっぱり鍵かかってた!」
キョンシーを捕縛している間に、実くんが玄関入ってすぐ
目の前にあった部屋を調べてきてくれたらしい。
「数字式のダイヤルキーだった…4桁。」
4桁の数字かぁ。
「この舞台の年号とか?1958年。」
パッと思い浮かんだ数字を言ってみる。
「1958も8591もだめだったよ〜。」
そっかぁ……だめか…。
「左側の廊下奥にも部屋あるみたいだから
うつつねぇちゃん一緒に行こ…!」
「かなうさんは?」
一緒に行かないのだろうか。
「多分大丈夫……私はコイツら見とくから行ってきな。」
キョンシーそっち行ったら、私が気絶したと思って
なんて怖いことを言うかなうさん。
「そうですか……。」
かなうさんのためにも、早く見に行ってこよう。
私は、実くんの後ろを着いて行った。
「うーん。トイレとお風呂だね。」
鍵付き部屋ではなかったが、左側の廊下にあったのは
トイレとお風呂という…
あまり関係なさそうな部屋であった。
廃墟設定だと言うのに、意外と綺麗な鏡。
多少油が着いている感じがするが、
私と実くんの顔も綺麗に写っている。
「鏡になんか書いてある……?」
実くんが鏡に近づき言った。
「なんも見えないけど……。」
何が書いてあるんだろう。
「曇らせたら見えるかな?」
「それ良いかも!」
私の疑問に実くんが良いねと反応した。
「これ使えないかな?」
実くんが指したのは、
洗面台の脇に掛けられていたタオル。
私が今手持ちにあるのはライターと……
あと、かなうさんが水持ってた気がする。
この3つを組み合わせれば、鏡を曇らせられるかも……!
「かなうさーん!!水ください!!」
私は、かなうさんを呼んだ。
「おっけー!!今行く!」
そう言って、駆け足でかなうさんはこちらへ来て
水を取り出してくれた。
こんなに早く水を使うとは。
私は洗面台にタオルを置き、そこに水を染み込ませた。
水を絞り、水分の含んだタオルを
燃やさないようにライターで温める。
「良いねぇ、謎解き要素濃くなってきたね。」
キョンシーの監視はもう辞めたのか、
かなうさんも一緒に見ていた。
「蒸しタオルできた……!」
ほかほかと温かくなったタオル。
これを鏡に当て、油分を拭き取らないように
ソッとなぞった。
「1225……!数字だ!」
しかも4桁!と喜びながら
実くんは鍵付きの部屋へと向かった。
私とかなうさんも急いでその後を追う。
ガチャ__
鏡に浮かんだ数字で開いた部屋。
「開いた……!」
それは、いよいよ本格的に物語が進む音だった。
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