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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
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第53話〜台風みたいなやつ〜

かなう視点です

後書きにお知らせあります。

「そんな幽霊見たような目で見るな。」


わっさんのクッションから起き上がった彼女は、

呆れたような目で私を見た。


「いや、だって……3年前……。」


私は言い訳しようとしたが、言葉に詰まった。


目の前の彼女は、私がこの世界へ閉じ込められている

原因の一つでもある。


それは、間接的にうつつも関わった"あの事件"である。


3年前、私と紫雨は【EDEN(エデン)】という

同じギルドに所属していた。


弓使いの"藤宮(ふじみや)フィンリー"

彼女もまた、ギルドの一員だった。

 


「ちゃんと生きてる。」


フィンリーは、自分が生きていると伝えるためか

私の頬に手を当てた。


「手冷たいんだけど。」

「冷え性なんだよ。

そんなに言うならキスでもしてやろうか?」


キスなら温かいだろと口を近づけようとする。


「馬鹿が移る!やめろ!!」

「3年見ない間に、お前生意気になったな。」


ハイテンションみたいなノリを

一定の声のトーンで喋るもんだから脳がバグりそうだ。


そう、外国人と喋ってるみたいなあれ。


って……一応外国人だったな。

日本で産まれて、本当の親の顔も知らないまま

児童養護施設で育ってきたと、前に言ってたような。


「先輩は敬え。」


なんて先輩アピールを始めるフィンリー。


「はいはい。」


2つしか変わらないのに。


私は、その場しのぎの返事をする。



それにしても不思議だ。


彼女は3年前、私と紫雨が不在の間

他のギルドメンバーと共に、"事故"に巻き込まれた。


何が原因で事故にあったのかは分からない。

けど、何となく想像は出来る。


このゲームは"造花"と同じ。

綺麗に見せているだけの偽りなのだから。


「これ、かなうのペット?」


フィンリーの他にいた2人は、あの日死亡した。

彼女は病院で昏睡状態だった……はずなんだけど……。


まぁ……流石に3年も経てば回復してるか。

何より、大事に至らなくて良かったと思う。


「そう。わっさんって言う名前だよ。」

「へぇ、ダサい名前だな。」


ズバッと毒を吐くフィンリー。

 

「だ、ダサい……だと。」


結構名前を気に入ってるわっさん本人は

ショックを受け、大きくなっていた身体を萎めた。


「おぉ、萎んだ。」


ダサいと言いながらも興味はあるようで、

わっさんをジーッと見つめていた。


「ところで、紫雨は知ってるのか?」


私は、フィンリーに聞いた。


「紫雨……あぁ。魁斗のことか。」


メンバー2人の葬儀にも出た奴だ。

情に厚い紫雨は、律儀に見舞いもしてそうだなんて

勝手に思う。


そんな奴が生きてることを知ってたら

第一に私へ報告してきそうだけど、

生憎今日までそんな話はなかった。


「毎日のように見舞いに来てたらしい。

もちろん知ってるはず。」


おいおいおい、話が違うぞ。


なんで私に教えてくれないんだよクソ前髪はよぉ!!!!


「話は少し変わるけど、フィンリー達は

何の事故に巻き込まれたの?」


それは当事者にしか分からない事実を聞く内容だった。


私の言葉を聞いたフィンリーは、

少し悩ましそうにフッと苦笑した。


「それが……思い出せない。」


その顔はとても歪んでいるように見えた。


思い出したくても思い出せない。

思い出そうとすると何かに止められる。


何となくわかっていた。


そう簡単には真実に辿り着けないって。


「起きたら、病院にいたんだ。」


目覚めたのは最近。2ヶ月くらい前だと言う。


「EDEN解散したんだってな…。」


フィンリーの口から語られる、失ったギルドの現在。


「それはまぁ……。」


リーダーとタンクが帰らぬ人となり、

おまけに弓使いも昏睡状態。


流石に私と紫雨だけで何とか続けようという

気にはなれず、ギルドは解体させた。


「仕方ない。かなうを責める気はない。」


ただ、あの時もっと早く気づけていたら。

あの時もっと力があったら。


何があったのか分からないまま、失った現実を目の前に

フィンリーは後悔を背負っていた。


「私の記憶はないけど、看護師が言っていた。」


私達3人は工事中の現場を通行した際に

鉄骨の下敷きになったと、フィンリーは看護師の言う

真実を語った。


「鉄骨の下敷きって……。」


それならそうとテレビでも報道すれば良かったのに

そんな報道は全くなかった。


彼らの死や重症に関して情報は一切流れなかった。


この場で私の口から彼女に伝えることはないが、

フィンリーは看護師に嘘をつかれている。


そう思ってしまうようなチープで拙い真実だった。



「でも、何が本当で何が嘘か分からないだろう?

一人の方が何倍も楽だと気付けた良いきっかけだった。」


結局最後に信じられるのは自分だけ。


フィンリーはそっと目を閉じて語った。


「そうかもね。」


現実と向き合った彼女だからこそ、

その気持ちには肯定出来る部分もあった。


 

「そういえばさっき、なんで矢を射ってたの?」


さっき、不思議な行動をしていたなと

私は会話の時間を巻き戻した。


「あぁ。幻警(げんけい)に追われててな。」

 

「は?」


また、めんどくさいのに追われてるなぁ。


「昔の旧友を盾に逃げてきた。」

「最低すぎる。」


安心して、新しく買った遠距離用の矢で

幻警を仕留めたから。

なんて安心出来ないことをスラスラと語る。


「旧友って施設の時の?」

「そう。」


世界って狭いなぁ。

フィールドはこんなにも広いというのに。


「"うつつ"って言ってな。

あいつ昔から不運なんだよな。」


聞き馴染みのあるその名前に

わっさんが耳をピクリと動かした。


「うつつって……まさか……。」


嫌な予感がした。


うちで預かっている"うつつ"も、

施設育ちという話を聞いていた。


「そのまさかかもね……。」


私とわっさんは冷や汗を流しながら、顔を見合せた。


「ん?知り合い?ならちょうど良いな。」


何がちょうど良いなだ。


「かなうが知り合いなら安心。

後はよろしく頼んだよ、"ヒーロー"。」


そう言ってさっきまであんなに沢山会話していた彼女は

面倒事だけを置いてサッサと姿を消した。


「自由すぎんだろ……。」


空気も察したように、冷たい風が吹いた。

 

久しぶりに会ったけど、

こんな台風みたいなやつだったけ。


それより今は……


「幻警署行きたくねぇ……。」


アトリエに帰って良いかなとわっさんに聞いたが

返事はNOで、重たい足どりで幻警署へと向かった。

最近PVの伸びに少し悩んでいるので、

新規さんを流入するために小説の投稿時間を

明日から平日は18時、土日は12時にします。

時間が変わるだけで投稿ペースは変わりません!


以上お知らせでした!

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