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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
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第42話〜運命の出会い〜

まさかの舞依視点です。

愛依を置いて、一人で出てきてしまった……。


感情的になると、どうしても周りが見えなくなる

私の悪い癖。


愛依の方がお姉ちゃんだったら良かったのに。

 

しっかりしてるし、練習なんて沢山しなくても

すぐに出来ちゃうし……


私なんかよりもずっとアイドル向いてる。


ガチャガチャ__


「あれ……?鍵かかってる。」


入ってきた時は開いていたのに……。


「客を閉じ込めるなんてとんでもないお店ね!」


私は、内鍵を解錠して外へ出た。


フードを深く被り、

すれ違う人達の視線に怯えながら歩く。


自分に向いていない事は分かっていてる。


同じゲームを遊ぶ住人でも、場所が違ければ他人

顔が見えないSNSでの誹謗中傷は私の精神を、行動を、

簡単に蝕んだ。


潤んでも、溢れてはこない涙。


「……早く家に帰ろう。」


こんな時は、別のゲームで気を晴らそう。

大好きな恋愛シュミレーションゲームで

ドキドキと気分を高めたい。

 

そう思った私は、ログアウトするために

足早で集会所へと向かう。


ドンッ__


「っ……!」


フードを深く被りすぎたせいで前が見えていなかった。


衝撃と共に涙が飛び、私の身体は倒れた。


「すみません…。」


下を向いたまま私は、謝った。

完全に周りが見えてなかった。


「こちらこそ。怪我は無い…?」


相手は倒れた私に手を伸ばしてくれた。

少し中性的な声が心地良い。


「は、はい。大丈夫です。」


私はその手を取ることなく自分で立ち上がろうと

身体に力を入れた。


「強いんだね。」


その人はすぐに離れることはなく、優しく声をかけた。

…普通の人だったらとっくに去ってるのに。


「良かった〜。女の子傷付けたら

自分の方が立ち直れないもん……」


悪夢でも見そうだと言いながら、私の頭を

フード越しに優しく撫でた。


「え…。」


恋愛シュミレーションゲームでよく聞いた言葉に

思いがけず、私は顔を上げた。



その瞬間、時が止まった気がした__



「……ぉうじ……さ…ま。」


今までに出会ったどんなキャラクターよりも

魅力的で美しい。

 

__私は、目の前の人に"恋"をしてしまった。



あぁ、一目惚れってこういう感覚なのか。


身体が熱くなり、私の時間だけが止まったような

そんな感じがした。


「あ、泣いてる…。痛かったよね…。」


風で靡く綺麗な水色の長い髪。

目を合わせ、心配そうに私を見つめる蜂蜜色の瞳。

特徴的な顔のホクロには、色気すら感じる。

 

そして、長身でモデルのようなスタイル……。


漫画の主人公並のルックスだった。


「こんな可愛い子に出会えるなんて、

今日はラッキーだ。」


その人は私の顎をクイッと持つと、

衝撃で溢れていた涙をハンカチで優しく拭ってくれた。


やばい、顔熱い。ドキドキする!!!


何このガチ恋距離ファンサービスは。

どういう状況??距離感バグすぎる!!!!


リアルでこんなことあるんだ……。

(※一応ゲームです。)


「うん、可愛い。」

 

涙を拭いた彼はハンカチをしまって、

じゃあね。気を付けてね。と

最後まで優しい言葉をかけて、私に背を向けた。



あっという間だったひと時に、消失感が芽生えた私は

勢い任せで行動を起こした。

 

「あの……お名前は…!」


この出会いをここで終わらせたくないと思って

彼を追いかけた。


振り返り、再び私と目を合わせてくれる彼。

 

ほんの少しの行動でも私の心臓は

ドキドキと高鳴ってしまう。


いや、ズキュゥゥゥンの方が正しいかもしれない。



帝月(みかづき)かなうだよ。」


ニコリと微笑んでそう言った。


「かなうくん……!」


かなうくんは少し驚いた顔をしたけど

その顔もまた絵になるなんて私は思った。


「私は、天道(てんどう)舞依(まい)!」


「舞依ちゃんね。君にピッタリの名前だね。」


可愛いとか綺麗という褒め言葉じゃない。


ピッタリだね。という

かなうくんの言葉選びが私には凄く嬉しかった。


愛依に後で自慢しなきゃ!!

もちろん、仲直りしてからだけど……。


「あの…もし良かったら……」


私はこの勢いに、更に拍車をかけた。

 

「明日18時から、4区のThoth Note(トート・ノート)という場所で

ライブをするので、良ければ見に来てください……!」


私は、助けてもらったお礼というのを口実に、

ポケットからチケットを2枚取り出して

かなうくんに渡した。


本当は、探偵さん達に渡す予定だったものなんだけど……

今更戻れないし、愛依が何とかしてくれるはず…。


「へぇ…!アイドルやってるんだ。かっこいいね。」


かなうくんは、ありがとうと

チケットを受け取ってくれた。


あぁ、かなうくんに渡して良かった……。


「うん!ここでは始めたばかりだから

知名度はあんまりないけどね……。」


「始めたばかりなら当然だよ。見に行くね。

チケットって当日も買えたりするの?」


折角なら仲間とか友達も連れて行きたいと

かなうくんが言った。


なんて良い人なんだろう……。

私の理想の王子様として完璧過ぎる……。


「うん…!ありがとう。」


それじゃあ、と言って私達は別れた。


また、かなうくんに会える。

 

そう思ったら今までの誹謗中傷やネットの記事なんて

どうでもいいくらいには、ちっぽけに思えた。


「神様もたまには味方になってくれるんだね。」


空は曇り一つなく晴れ渡っていた。


…もう少しだけログインしてようかな。


帰ってくる愛依を待とう。

 

私は集会所の近くにあった、本場仕込みを謳っている

ジェラート屋さんへと足を運んだ。

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