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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
38/42

第36話〜バカと天才は紙一重〜

本編の最後にかなうの二面図公開してます。

詳細説明は、活動報告にて!

攻撃効かないんですけどぉ!!!!」


火、水、木、闇……エトセトラって感じで

色んな攻撃魔法を試したが何ひとつ

上手く発動しなかった。


そのせいか、鳥の魔物も警戒心が薄れて

私の肩や頭の上に乗っている状況だ。


「うーん…バフ・デバフ系はどうでしょう……?」

 

戦況を見ていたまゆりさんが技の提案をする。


「じゃあ……遅鈍時間(ダル・タイム)…!!」


私は、魔物へ向かって動きが鈍くなる呪文を唱えた。


「……変わらないな。」


かなうさんの言う通り、

魔物の動きが変化することはなかった。


「そうなると、バフ系でもないな。」


え……私ってもしかして戦力外……?


「そういえば、前にスキルのこと教えてくれましたよね。

魔物が浄化したというのを考えると……

もしかしたら…。」


まゆりさんが、内緒話のように

かなうさんの耳元で何かを伝えていた。


「あぁ……あるかもね。」


それを聞いたかなうさんも納得した様子だった。


「んじゃ私行ってくるわ。」


そう言うと、少し離れたところにいたバイソン系の

牛のような魔物に向かって武器も出さずに走り出す。


「え、え……?何する気ですか?」

「まぁ……見ての通りって感じですね…。」


私にはそんな勇気も無いですし、かなう様にしか

出来ません……とまゆりさんが苦笑いしている。


物凄い勢いで突っ込んでいくかなうさんに驚いた

牛の魔物もまた後ろ足を2、3回蹴り、

かなうさんに向かって走り出す。


「え、ちょ?!死ぬ気ですか?!」


さっきまで、狩りの三ヶ条を教えてた人が

何をしているんだ……?

かなうさんの考えていることがいつも分からない。


止めに行こうとしたが、

まゆりさんに腕を引かれて、逆に止められてしまう。


ドスッ__


「……っ!!」


鈍い音が響く。


痛みに耐えるかなうさんの声が

宙を舞う彼女の身体と共に、脳ヘ焼き付いた。


「かなうさんっ!!!!!」


そう叫んだ私の声は悲鳴にも近かったと思う。


私とまゆりさんは急いでかなうさんが倒れたところまで

駆けつけた。


「痛ってぇ……。」


血や目立った傷はないけど、骨は折れてそうだ……。


「うつつ、治癒魔法かけて。」


治癒魔法って……まさかそれをさせるために

わざわざこんなことを?


「馬鹿なんですか……?」


私は小さい声で振り絞るように悪態をつき、

覚えてきた呪文を唱えた。


天光奏の祝福ヒール・オブ・ファンファーレ……!」


かなうさんが抑えている箇所を目掛けて杖を振るうと、

光の粒が優しく彼女の傷を包み込む。


「やはり……!」


まゆりさんが、パチンと口元で手を合わせた。


初めて成功した魔法。

自分も成長した実感が持てて嬉しくなった。


「痛み治まったわ……ありがと、うつつ。

君の職業、"ヒーラー"だったね。おめでとう。」


なんて何事も無かったかのように立ち上がって

パチパチと拍手をするかなうさん。


バチン__


そんなかなうさんの頬を私はビンタしてしまった。


「……!?」


不意な出来事に頬を押えながら

一点を見つめるかなうさん。


「うぅ……なんでこんな無茶をするんですか……!!」


ジンジンと痛む手のひらの感触。

彼女がしっかり生きているというのが感じられる。


私は泣きながら、かなうさんに抱きついた。


「おいおい、一応戦場だぞここ……。」


死ぬ気で魔物に突っ込んで行ってた人が

何を言っているんだか。


「私も……流石に今回は無茶し過ぎだと思いましたよ。

うつつ様がヒーラーであるかもしれないという

希望を信じた結果が、実を結びましたが……。」


私なら鼻血程度の愛のアタックで

かなう様に傷を負わせる事も出来たのに悔しいです……。


なんて別ベクトルで怖いことを言っているまゆりさん。


「ごめん……。好奇心もあってつい……。」


その言葉を聞いた私は、

あぁ、この人の好奇心って本当に小学生レベルで

常に新しい刺激を欲しているんだなと思った。


ピピピィ__


この後、私達に倒されることも知らない鳥の魔物達も

一緒に群れて鳴いていた。


「ほんともう!リーダーに報告しますからねっ!」


「やめてほんとそれだけは……!

また家に来られるの嫌だよ私!!」

 

紫雨さんに痴態を晒されるのが、よほど嫌なのか

かなうさんが顔を真っ青にしながら懇願していた。


この前の蘭さんの話を聞いても思ったけど、

かなうさんと紫雨の関係って

ただの友達ってわけではなさそう……。


もっと深い関係にあって……でも、その関係も

ちょっとしたきっかけで切れそうで

中々本人には聞き出すことは出来なかった。

 

「また……?またってどういうことですか?」


私だって二階にはお邪魔したことないのに。

とまゆりさんがピシリと固まった。


「やべ。」


てへっと舌を出して誤魔化すかなうさんを、

パシャリと1枚写真を撮って

可愛いと、ため息を吐くまゆりさんだが……


「で?」


かなうさんの軽い誤魔化しは、効かないようだった。



「うえーん。何も知らなーい。」


なんて言って草原を逃げ回りながら

かなうさんはフィールドの魔物達をバシバシ倒していた。


さっきまで牛に飛ばされて

地に伏せていた人とは大違いだ。


その後ろを追いかけるまゆりさんも

式神を出しながら倒している。


「あ、うん。私大丈夫そうかな。」


ヒーラーと分かった今、つよつよな2人には必要ない。


そう思った私も2人の後ろを追いかけながら

ドロップした金貨を回収した。


✦┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈✦

かなう正面

挿絵(By みてみん)


かなう背面

挿絵(By みてみん)


キャラクターデザイン・イラスト担当▶︎かなまき先生


装飾の詳細やコメント付きのものは、

Xアカウントにて投稿させていただきました…!

みてみん3MGまでなので上げられなかったです( ; ; )

イラスト含め、ここまでの内容いかがだったでしょうか?

いつも読んでくださりありがとうございます。

感想や評価をいただけると執筆の励みになります!


ぜひ今後も、「現実的ファンタジア」を

よろしくお願いいたします。

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