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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
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第33話〜お届けもの〜

私がファントム・ストーリーに来てから

1週間が経った。


ここ2日間は、特に変わったことも無くて

たまにアトリエの店番を任されたり

わっさんとおつかいに行ったり、とても平和だった。


「うつつー。お前宛に荷物だ。」


私は2階のリビングで本を読んでいた。


かなうさんから貰った【誰でも使える!簡単な魔法!】

というタイトルの魔法書。


次読むページに栞を挟み、

1階で荷物を受け取ったかなうさんの元へと向かった。

 

「荷物なんて頼んだ覚えないですけど…。」


こんな大きな荷物、一体誰からだろうか。


送り主を見ると、(あららぎ)嵐樹(あらた)の文字。


「蘭さん?」


先日、武器を見せて貰ったが、

自分の中でピンと来る武器は見つからなかったから

何も買わずに帰ったはず。


「あの後、うつつの連絡先を知らないからって

3年ぶりに私のところにチャットが届いたんだよ。」


チャットというのは、

ファントム・ストーリー内部の連絡手段である。

画像や動画の共有も出来たりする。


「そうだったんですね。」


私の連絡先には、かなうさんのと探偵事務所の皆さん

それからAYAKASHIの皆さんの連絡先が入ってる。


実は、まゆりさんからは草原へお出かけしませんか?の

お誘いも貰ってたりしていた。

 

草原へお出かけ=クエスト討伐だろうなと思ったから

まだ返事は出来ていない…。

折角の提案をNOと突きつけるのも難しい話だよね。


「うつつの武器に関して、

本人が気に入るか分からないけど

インスピレーションが湧いたから作らせて欲しいって。」


プレゼントとして受け取って欲しいと

蘭さんから貰ったメッセージをかなうさんが読み上げる。


「バタバタしてたからすっかり話伝えるの忘れてた。」


確かにここ2日間、私は平和だったけど

かなうさんは忙しそうで事務所にいるか

外出がほとんどだった。


「とりあえず開けてみたら?」

 

私にカッターを渡すかなうさん。

 

「そうですね。開けます。」


私はそのカッターを受け取り、ガムテープで固定された

ダンボールに切れ込みを入れて開けた。


「あれ?これ…」


中には、緩衝材で包まれた武器らしきものと

丸裸の彫刻が入っていた。


これ、かなうさんが修理に出してたやつだ。


「え?え?彫刻に対しての梱包雑くね?

おいおい武器屋のレビューどこだぁ?」


星1案件だぞ!!とかなうさんはぷんぷんしている。


「しかもなんか形変わってるし!!!

マジ許せないんですけどー!!」


あまりにも衝撃的だったのか

ギャルが憑依してしまってる。


「ちょっとクレーム入れてくるわ。」


そう言ってかなうさんはスマホを取り出して

文字を打ち始めた。


あぁ…きっと蘭さんにチャット送ってる。

送ってるメッセージも安易に想像が出来てしまう。


「こっちも開けなきゃ。」


メインの武器を包んでいる緩衝材を外して

私は中身を取りだした。



「……!!」


素敵


初めに出た感想はそれだった。


「これ凄く衣装とも合う…!」


入っていた武器は、私が試験で使いこなせなかった

"杖"だった。


見た目は大きいけど、プラスチックのように軽い。

 

1本の木のような素材を軸に、上の方は丸く曲がっていて

曲がった内側に緑の水晶玉が入っている。


その周りには三日月のオブジェと

雫のような水晶もあった。

 

持ち手の少し上のところには白い羽根のオブジェと

沢山のクローバーの飾りがあってすごく可愛い。


女の子らしく、一目で気に入るデザインだった。


「おっ。良いじゃん。」


クレーム入れ終わったのか、

かなうさんが武器を見て言った。


「試しに使ってみたら?さっき本読んでたでしょ。」


クエストに行こうとかなうさんが言った。


「あ、そしたら……。」


私は、まゆりさんから来ていたチャットを

かなうさんに見せた。


「良いね〜女子会だ!」

 

草原ならうつつレベルでも簡単に倒せる魔物いるし

練習には丁度いいねと、かなうさんは私のスマホを取り

まゆりさんへ返信を打っていく。


「物騒な女子会……。」


でも、良かった。返信どうしようか悩んでたから…。


こんなにも私のことを沢山考えてくれる人達がいて

幸せ者だな……。


「ありがとうございます。」


私の口からは感謝の言葉が溢れていた。


「なになに〜うつつちゃんどうしたのー?」


ニヤニヤと私の顔を覗き込もうとするかなうさん。


「別に!感謝してるだけです!」

「ふふっ。可愛いね〜。」


そうやってすぐからかう。


「…お出かけ楽しみです。」


よくよく考えたら友達とどこか遠くへ出かけるなんて

久しぶり……もしかしたら初めてかもしれない。


友達と捉えていいのかは謎だけど……。


「2時間後で約束したから、使ってみたい魔法を

魔法書からピックアップしといてね!

あと一応、バフ系とか回復呪文も覚えて!」


また無茶なことを言うかなうさん。

お、覚えられるだろうか…。


こうして、ここに来てから悪いことも含めて全部、

自分と向き合う時間が増えた。

 

キッカケは不運だったとはいえ、良い運命だと思った。


この世界と向き合う度に、自分のことを知れたり

成長体験ができるゲームは中々ない。


おかげで、今まで我慢しながら働いていた会社とも

切り離せたし……。


「しっかり脳に焼き付けておきます。」


今では、心のどこかで

あのリンクを送った人に感謝をしている。


杖を抱えてリビングへ戻った私は、

途中にしていた魔法書のページを捲った。

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