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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第1章【ようこそ"綺麗"で"嘘"だらけの世界へ】
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第17話〜本心〜

うつつの背中を押した後、

私はとてつもなく憂鬱な気分になっていた。


「はぁ……。」


あからさますぎたかな……。

折角、彼女が優しい言葉でこの世界と私のことを

理解しようと努めてくれたのに…。


可哀想なことをしてしまった。


「そんなに思い詰めるなら言えば良いのに。」

「……なんだ、うつつに着いて行かなかったのか。」


私の元へと戻ってきたわっさん。


「俺の(あるじ)は、かなうだからな。」


なんて誇らしいペットなんだ。


「一人で抱えるにしては重すぎるだろ。お前の悩みは。」


「なら、わっさんの口から言えば?」

私、わっさんに背を向けた。


あぁ…こういう時に限って意地を張ってしまう

自分が嫌いだ。

 

「俺じゃ信憑性がないだろ。」

「そんなことないもん。」

「泣いてるのか?」

「別に…。」


私は飛び出してきそうな鼻水を啜った。


「ティッシュない?」

「俺が持ってると思うか?」

「じゃあ、わっさんの身体で拭いていい?」

「それだけは勘弁だ…。」

 

仕方ないから、鼻を啜り続けた。


うつつが戻るまで40分弱か…。

気持ちを切り替えなきゃな。


「わっさん、ジェラート食べに行こ。ミルク味。」

「俺にもくれるのか?」

「少しだけね。」


わっさんが食べたらお腹壊すかもしれないし。


私達は近くのジェラート屋まで歩いた。


「あらぁ。かなうちゃんじゃないの。珍しいね。」

「おばちゃん、久しぶり。」


ジェラート屋のおばちゃんが私を見るなり

嬉しそうな顔で挨拶をしてくれた。


「儲かってるみたいだね。」

お店の周りには色とりどりのジェラートを買った

お客さん達が美味しそうに食べている。


何あの7段になってるジェラート……羨ましい。


「お陰様でね!その節はどうも。」


私はアトリエ経営の傍ら、

お店の地下で"探偵事務所"も営んでいる。


この世界があまりにも平和すぎるあまり

探偵事務所と言っても、今まで事件っぽい依頼は

来たことがないけど……。


それに、地下の事務所へ行く為には"合言葉"が必要だから

依頼人が来る方が珍しいと言っても過言では無い。


「おばちゃん、ミルク味コーンで一つお願い!」

「はいよ。」


おばちゃんも依頼者のうちの一人だった。


彼女は、お店を経営するのが

ずっと夢だったと言っていた。


しかし、経営するのにはお金も場所もいる。

そして齢は68歳__


今から経営者になるのは、世間一般的に見て

遅いのかもしれない。

当然のように旦那さんからの同意は得られない。


そこでおばちゃんが見つけたのがこのゲームだった。


そして遊んでいて、たまたま街の噂で聞いた

探偵事務所の存在を知って駆けつけたという。


叶えたい夢と現実とのギャップがある話を

聞かされた時は、正直驚いた。


こういう相談依頼も来るのかと。


しかし、どこで探偵事務所の噂を聞きつけたのやら……。

 

まぁ、かなうちゃん敏腕だしね!

エリート探偵が居るって噂が流れてるんでしょ〜。


「お待たせ。50ウェルスだよ。」

「えー!これちょっと量多いよ?100でいいっしょ?」

 

これでもか!ってくらいに盛り盛りである。


後ろに並んでる子供たちから来る、

良いなという視線が痛い。


子供たちよ、上には上がいるんだよ。

私は7段ジェラートを食べてるやつを指差した。


それを見た子供たちは顎を外したように大口を開いた。


__わかる。その気持ちわかるよ。


「良いのよかなうちゃん。

その変わり、また遊びに来てちょうだいね!」


待ってるからとおばちゃんは手を振った。


そうだね…

折角なら甘えて、またここに来れば良い。


「うん。ありがとう!またくるね。次は7段頼む!」


私もニシッと笑い、

おばちゃんにありがとうと手を振った。

 

おばちゃんの夢を叶える手助けが出来て良かった。

今度は霧香も連れておばちゃんに会いに行こう。

きっと喜ぶ。


それと…うつつも。


私の好きな場所、好きな食べ物…

少しずつ彼女に教えられることがあればいいな。


「美味い。」

「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!この卑しい犬め!!!

直食いするな!!」


こいつ、私のジェラートにかぶりつきやがった……。


「落ちそうだったから。」

「落ちたやつを食え。」

「酷い飼い主だ。」

そう言いつつも離れようとはしないわっさん。


本気で言ってないって分かってるからこそ、

ずっと変わらずこの距離感なんだよね。


「うー!やみー!」

美味すぎる。


私は、遠くからおばちゃんの店に向かって

グッドサインを出した。


「俺にももっとくれ。」

またかぶりつこうとするわっさんを阻止し、

スプーンに掬って食べさせる。


「やみやみ。」

幸せそうな顔のわっさん。


二人で美味しいと言いながら食べていたら、

あっという間に失くなってしまった。


私は、紙くずとスプーンを巨大なゴミ箱に捨てた。


「これも便利だよな」


ゴミは分別しろと国が言っても、

1、2割の人は分別を怠る。


そこで開発されたのがこのゴミ箱。

ここにまとめてポイするだけで、後はゴミ箱の中に

入っているAIが自動でゴミを分別してくれる。


これを各所に設置したおかげで、今まで無関心だった

若者も使いやすくなり街がかなり綺麗になった。


そして何よりのメリットが…


[0.1ウェルスを取得しました]


このポイントシステムの導入だ。


ゴミ箱にゴミを捨てる毎に、

その量や物によってお金が貰える。


逆に、ゴミ箱以外に捨てるとお金が徴収される。


環境を守る為にも凄くいい考えだと思う。

角海獣(ルカントラー)が暴れ出したりなんかしたら大変だもんな。


この技術には感謝している。

しかし、時折この世には疑うような技術も

存在していたりする。



__ファントム・ストーリー



まさにこのゲームこそが、私の中での"()"である。

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