めんどくさいな、
夏休み早く来てほしいな、と思っているともう夏休みだ。
帰ったら支度をしよう。
夏休みは日帰りで水族館に行くことになった。
部屋に沢山あった推しグッズがどこにも無い。持っていきたかったが、本人がいる。
話し合った結果、予定はこんな感じだ。
浪石駅集合。電車に乗って、水族館へ。そして水族館内で昼食。最後にフリータイム。
ものすごく飛んで当日だ。
「やべ、早く来すぎちゃった。まだ誰も居ないし」
すると「お姉ちゃん可愛いじゃん。今日はどこへ?」とナンパされた。
面倒くさい奴らに絡まれたな、と思っていた。
「お姉さん彼氏いる?」「好きなタイプとかは?」と、どんどん質問が来る。
「お願いだから一つだけ答えてくれよ」と男二人は手を合わせて言う。
「……じゃあタイプだけ答えます」
「私の好きなタイプは、優しくて、思いやりのある、顔がめっちゃ良く、あなたたちのような人ではない人です」
男たちは黙り込んだ。どう答えたらいいのだろう、と考えているのだろう。
すると、タイミングがよく「おーい! 結月ー!」と慎二くんが来た。
「慎二くん!」私は名前を呼びながら、助けを求める目をした。
「え? その人達は?」
「ナンパの〇ソ〇郎」
「あ〝」
慎二くんは、結月って意外と口悪いんだな、と思ったのだろう。そういう目をしている。
「その人……もしかして……」
「彼氏」と私は真顔で言った。
「ごめんなさいー!」と言いながらナンパの男二人組は逃げていった。
「あ、彼氏って言ってごめん」
「え? 彼氏? 前からじゃん」
そういえばそうだった。
「慎二くーん! 結月ちゃーん!」と遥ちゃんが走って来た。
「ごめん、ごめん。遅くなっちゃって」
「大丈夫。私達が早く来すぎたから」
今日は待ちに待った夏休み。
電車の中は遥ちゃんと由依ちゃん、私、慎二くん、光くん、淳司くん、明くんの七人なのでとても大人数だ。
電車内では夏休みの予定などを話した。
「流石に勉強だろっ!」と光くんが珍しく真面目だった。
「確かに……な」と淳司くんが共感する。
「勉強以外なら特に無いかな」
「私も。明くんは?」
明くんは「うーん」と考え込み「俺は家の手伝いがある」と言った。
「俺も」と淳司くん。
「慎二と結月さんは?」
「俺は特に何もない」
「私も。ん? あれ? 確か……」
「ん?」
何かあったような、なかったような……真剣に考えていると思い出した。
「ピアノの発表会」
「え⁈」とみんなは驚く。
「早く言ってくればいいのに」
遥ちゃんは行きたがっているように見えた。
「それって俺たちでも行けるのか?」
「チケットが無いと」
「そんなに大きなやつなのか?」
「まぁ。でも人数分関係者席取っておいたよ」
「関係者席⁈」と珍しく由依ちゃんも大声を出した。
「次は雪住駅。雪住駅」というアナウンスと共に電車がふわりと止まった。
「ヤバイ。降りないと」
「あっ、そうだね」
みんなは急いで降りた。




