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プロローグ:サ終

ロリコン。そんな言葉を何十回、いや何百回と人生で浴びてきた。僕は自分でもロリが好きな事は分かっている。

 さすがに現実の幼女に手を出したら犯罪だし、僕の興味のあるロリは二次元の世界を生きている子たちである。

 僕のやっているゲーム「ウィザードユートピア(魔法の楽園)」略して「ウィザユ」に、ケモミミ・オッドアイ・ロリという好み三つが揃った少女、アズラという子がいる。

 アズラを推し続けて三年たったある日の出来事から、この可笑しい物語が始まるのだった。


『ウィザユ、サ終するってよ』

 友達の加藤から送られてきたチャットに、リアルで「は?」と声が出た。

 そんなわけない。ウィザユは結構人気ゲームだ。しかも、僕より先に加藤がその情報を知っているわけがないし。

 検索をかける。ドキドキとうるさい心臓と震える指。上手く検索できなくて自分に腹が立つ。自分の部屋に置いてあるアズラのグッズの視線が痛…くない。かわいい。

『ウィザユはサ終します』

 検索結果が冷たく現実を突きつける。

 まだ来月末まではプレイできるらしい。理由は、人気の低迷。確かに最近プレイヤー減っていると思ったらやはりか!

 ボンヤリと今までのウィザユを思い出す。


 三年前、初期の十人のキャラのうちにアズラがいた。加藤にオススメされて始めたが、加藤は半年でやめた。

 一年後には課金をしていた。アズラの新スキンが出るたびに買った。

 今ではリリース三年がたって、キャラは五十人を越えた。

 僕の名前は西塔和希だが、ゲームの中では主人公・サイラスになれた。

 僕の居場所がなくなった。加藤は学校が離れてもうチャットでしかやりとりができない。ウィザユは消滅してゆく。

 こうなったら、いっその事ウィザユなんて忘れて他のゲームをやるか?

 駄目だ。そんな浮気じみた事できない。

 ウダウダ悩んでいて弱いな。ゆっくりアズラのグッズを見ると、少女が語りかけてきたような気がした。

『サ終したからって、アズラに会えないわけではないですよ?』

 僕は自嘲するように笑い、一度落ち着いて散歩にでも行こう。

 こういうときは死亡フラグが立っているから、死なないとは思うが、転生…とかしてみたいな〜。と希望を持っている。母さんと父さんに悪いから、自分からは死なない。

 こんな事考えていても、無駄か。


 家を出て、コンビニに行こうとしたその時。目の前が真っ暗になった。

 意識がなかった。


 次に目を開けたとき、見覚えのない田園風景が広がっていたのだった。


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