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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
5面:スラスラスター 〜ぷるぷるゆれるおほしさま〜
99/108

Final Boss:最後の戦い 〜アオサの星〜

お待たせしました!!


遅くなって申し訳ありません!


▼▼▼▼▼▼▼▼



 女神に殴り勝った後、シオサは心臓を押さえてうめき苦しんでいた。


 女神の拳がシオサの胸にブラックホールを作ったのだ。


 宇宙を膨大基数の速度で破壊し続けるブラックホールだ。


 シオサは自らの能力で膨大な重力をキャンセルし、膨大基数匹の蜂を吸わせ続けなければならなかった。


 蜂を吸えば吸うほどブラックホールの力は膨大に、膨大に、膨大に肥大化する。


 肥大化した力を抑えるために更なる蜂を生成するのだ。


シオサ:「・・・」


 もはやシオサには、人体を維持する余力すらない。


 蜂球の形態をとって、ひたすらブラックホールを封じ込める事に集中する。


    (カツン)  (カツン)  (カツン)


 シオサの耳に無機質な足音が届く。


    (カツン)  (カツン)  (カツン)


シオサ:「・・・?」


 無言で気配を感知する。


  カツン! カツン!


キクラ:「ここ、は……?」

シオサ:「キクラ……さん?」


 赤髪の少女だ。


 目の焦点はどこかズレて、声には覇気がない。


 そしてフラフラしながら女神の肉体へと近づいていく。


キクラ:「呼んでる……行かなきゃ……」


シオサ:「いけません、それに触れては──」


キクラ:「えっ……いやぁ!!!?」



   ずぶずぶずぶ



 女神の、魂が、乗り憑るっ!!


キクラ?:「あー、あー、テステステス、はい、復活成功です♪」


 鮮やかな赤髪は、赤と白のタコ足色へ。


 足は白く8本に裂け、腕は純白の触腕となる。


シオサ:「……」


キクラ?:「まさか本当に指一本動かせなくなるなんて、キクラ(スペア)を産ませて本当によかったです」


シオサ:「……これは、完全に想定外ですね。」

キクラ?:「だって私、案外適当に行動していますから」


 目の前の少女は無邪気な笑顔で言い放つ。


シオサ:「適当、ですか。予測不可能な訳です。」

キクラ?:「んー、まだ喋る余裕があるんですね。ブラックホールの強さ、上げても良さそうですね」くいっ

シオサ:「ガッ、あが……が……」


 洗濯機が壊れたような音が響く錯覚に陥る。


 膨大な重力に晒されて、蜂球がジリジリと小さく、小さくなっていく。


キクラ?:「えっとアオサちゃんは……[20ターン目]!? 第4形態バグってるじゃないですかー! ちょっと行って来ますねー」ヒュン


 シオサを置いて姿を消してしまった。


 蜂球(シオサ)は無言でブラックホールを処理し続けていた。


 ブラックホールを削り、ブラックホールと同じ強さになり、ブラックホールを相殺できる数の蜂を生成する。


 この工程が連続的に続くのだ。


 永遠に…



▲▲▲▲▲▲▲▲



 一方アオサの戦いは最終局面に突入しようとしていた。



--おほしさまが出現したので、宇宙の生命、物質、時間、空間、可能性、情報、概念その他の要素が全て消滅します。



   ぶしゃっ



--【サンドバッグの加護】発動!

--アオサが代わりに消滅しました。


ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ

アオサ:「はっ!?」


--アオサは復活した。



▲▲▲▲▲▲▲▲



 [17ターン目] もうすぐ黄昏時だ



 直径10メートルものスライムだ!


アマノウス:「アレは… ギスラヴァールを取り込んでいるのか?」

アオサ:「そうだよ。さっきまで戦ってたんだ」


 青白いボールがあやしく漂っている。


アマコウ:「あまあま〜」

アマノウス:「そうだな、斬り裂いてみたら分かるかもしれぬ」


   ザンッ ザンッ!


 虹色の爪撃が交差する!


--おほしさまソウルに u(γ) のダメージ。



   ぽよん、ぷるぷるぷるぷる……



--おほしさまソウルは揺れている……



アマノウス:「……手応えが、ない?」

アマコウ:「あまぁー…」


--【反称】発動!


アマノウス:「しまった!」


 1ターン目からの攻撃が全て返って来る!


 アオサの斬撃、毒針の嵐、毛細血管の侵食、そして先程の爪撃!


アマノウス:「ぐっ、これはさすがに…」

アマコウ:「あまぁ〜」


 針の先端を逸らす見事な爪捌き。しかしいかんせん毒針の数が多い!


 何発か肌に刺さってしまう。


--サンドバッグの加護、発動!

--アオサは何度もしんでしまった。


ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ


--アオサは生き返った!


アマノウス:「すまぬ!」

アオサ:「大丈夫だよ!」b


 右手をサムズアップさせる。ママに顔をうずめてナデナデされながら。



▲▲▲▲▲▲▲▲



 [18ターン目] 遠くに流れ星が光った


 


シェード:「毒針なの!」



--おほしさまソウルは揺れている……

--【反称】発動!

アオサ:「ぐふっ」

ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ

--アオサは生き返った。



ルルリエ:「くすぐってみましょう?」



--おほしさまソウルは揺れている……

--【反称】発動!

アオサ:「ぐふっ」

ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ

--アオサは生き返った。



アオサ:「みんなストップ、ストーップ!」


シェード:「なによ?」


アオサ:「アイツ、放っといたら何もしないんじゃない?」


シェード:「の? ……」



--おほしさまソウルはプルプルしている。



シェード:「何も、しないの……」


 急に静まり返った。



▲▲▲▲▲▲▲▲



 [19ターン目] 流れ星が尾を引いている。



   ぷるぷる ぷるぷる



--おほしさまソウルは揺れている……



ルルリエ:「ぷるぷるしてますね」

ユイキリ:「あらあら〜、どうしましょう?」


 場の空気は緩んでいるが、ある程度の緊張感も潜ませる。


アマノウス:「アオサよ、そもそもお主はなぜ戦っているのだ?」

アオサ:「え?」


アマノウス:「此奴(こやつ)は無害に見えるのだが……」

アオサ:「あっ、確かに」


 アオサは1ターン目からの戦闘内容を赤血球で送りつける。


アマノウス:「なるほど。状況は理解したが、あの女神の思惑は分からん。遊んでいるのか?」

アオサ:「うーん……」


 考える素振りを見せながら、アオサはなんとなく手を伸ばす……


   ぺと……


--アオサはおほしさまソウルに触れてしまった!

--アオサに悪意が流れ込む。


アオサ:「ん、おいしい」


 コーヒーの味だ。柔らかな苦味、豊かな香り、そして強い酸味が特徴的なコーヒーだ。


 悪意が流れ込むとはいえ、親子の愛の前では大海原へ一滴のコーヒーをこぼすようなものだ。


 だが、一滴のコーヒーによりアオサはふと冷静さを取り戻す。


 アオサは考える。女神の思惑。


 女神とシオサがこの場にいない理由を。


 このスライムは何故、動かない?


 そして、ひとつの仮説を立てる。



アオサ:「もしかして……」ずるっ



 無言で右腕を突っ込む。


ユイキリ:「アオサちゃん?」


 次に左腕。


アオサ:「ママ、一緒に来て?」

ユイキリ:「分かったわ!」ガシッ


 後から抱きついて2人一緒に入っていく。


   ずぶ、ずぶ、ずぶ……


 頭、全身、足まですっかり飲まれてしまった。


シェード:「ちょっと、親子揃ってバカなの!?」

アマノウス:「ふむ、正直に言って、ワタシにも良く分からない」



   にょろ にょろ にょろ



アオサ:「ぷはぁ、どう?」

ユイキリ:「あらあら上手よ〜」ナデナデ


 おほしさまソウルから顔を出すのは2人の親子。


 アオサはソウルの操作に集中し、ユイキリは背後から抱きしめナデナデし続ける。


ルルリエ:「まあ、お二人ともラスボスみたいですよ」

ジヒナ:「ああ……ちょっと怖い……かもな」


 青白い巨大ボールから、手足が出たり引っ込んだり。そんな光景にジヒナは密かに戦慄する。


アマノウス:「これは、大丈夫なのか?」

シェード:「どうせ後で腹痛起こすの!」


 ヤケクソ気味に言い放つのだった。







            ワ

翅翅           カ          翅翅

 翅翅翅         メ        翅翅翅

   翅翅      ■■■■      翅翅

     翅  ■■■■■■■■■■  翅

      ■■■■ ■■■■ ■■■■

     ■■■■■ ■■■■ ■■■■■

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

翅翅翅 ■■■■■■■■  ■■■■■■■■ 翅翅翅

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

     ■■■■■■■■■■■■■■■■

      ■■■■■■■■■■■■■■

      翅 ■■■■■■■■■■  翅

    翅翅     ■■■■      翅翅

   翅翅                 翅翅

  翅翅                   翅翅




▼▼▼▼▼▼▼▼



 [20ターン目] 夕日がわずかに山にかかる



 アオサは翅を生やしてみたり、毒針の試し撃ちをしたりする。


 次第にコツ掴んでブンブンと翅を鳴らす。


アマノウス:「あんな見た目だが、ワタシ達よりも数段強いらしい」


 圧倒的な戦闘力に毛が逆立つ。


    (ぶーん)  (ぶーん)  (ぶーん)


 アオサは嬉しそうに翅を鳴らす。


 そうしていると、空に見える流れ星が大きく見えてきた!


 急に夜になる!


 悪寒が、する!!


 流れ星がまっすぐ降って来る!


 あれは……女神!


 純白の髪には赤が混じり、腕と足はイカの触手になっている。


 黄色いヒトデに乗って、スケートのように空滑る。



女神:「アオサちゃーん、ラスボス討伐おめでとうございまーす!」

アオサ:「あ、女神さまー、ありがとー」

ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ


 みんな笑顔だ。


女神:「でもー、ラスボスと融合しちゃうのはちょっとねー?」

アオサ:「え、違うの?」

ユイキリ:「あらまあ」ナデナデ


 女神は少し困り顔、アオサは目を開く、ユイキリは笑顔を貼り付けている。


女神:「それ、私が乗って最後の戦いになる予定だったんですよー!」

アオサ:「ええー、なんだってー!?」

ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ


 ユイキリは笑顔を貼り付けている。


女神:「まあいいでしょう。では、追いかけっこしましょう!」


 そう言って、女神はヒトデを右手で掲げる。


女神:「アオサちゃーん、私を追いかけて殴ってください! そしてユイキリ、私を捕まえるまでナデナデ禁止です!」



   バヒューン♪

          (ドカァァァァァァン)


 女神は宇宙の彼方へ飛び去ってしまった!



アオサ:「なんだってー!!」

ユイキリ:「…はぁ?」


 ユイキリが表情を崩す!


 ナデナデ禁止令の衝撃はすさまじい!


 女神の言葉がユイキリに入り込み、身も、心も、魂も存在も、拘束し続ける。そして拘束がどんどん強くなるオマケ付きだ!


    (どかーん)  (どかーん)


アマノウス:「アオサよ早く追え! 奴は宇宙を片っ端から破壊し出したぞ!」


シェード:「なっ!? ついに本性を現したの!」

ジヒナ:「なんて奴だ」


アマノウス:「もはやワタシ達は足手まといだ。2人で行け!」


アオサ:「分かった行って来るよ!」

ユイキリ:「行くわよアオサちゃん!」



   バヒュン!!



 夢を破って現実世界へ!!

-------------

アオサ Lv u(h) (水)


HP   :u(h)

こうげき:u(h)

ぼうぎょ:u(h)

まりょく:u(h)

せいしん:u(h)

すばやさ:u(h)


u(h) (h:an n-huge cardinal, n<ω, γ<h)

-------------


            ワ

翅翅           カ          翅翅

 翅翅翅         メ        翅翅翅

   翅翅      ■■■■      翅翅

     翅  ■■■■■■■■■■  翅

      ■■■■ ■■■■ ■■■■

     ■■■■■ ■■■■ ■■■■■

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

翅翅翅 ■■■■■■■■  ■■■■■■■■ 翅翅翅

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

     ■■■■■■■■■■■■■■■■

      ■■■■■■■■■■■■■■

      翅 ■■■■■■■■■■  翅

    翅翅     ■■■■      翅翅

   翅翅                 翅翅

  翅翅                   翅翅



↑ この中にアオサとユイキリが入っています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >  女神の、魂が、乗り憑るっ!! さては、最初からこのオチを用意しておったな? [気になる点] > ルルリエ:「まあ、お二人ともラスボスみたいですよ」 ×みたいですよ ○ですね …
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