Final Boss:最後の戦い 〜追憶の剣爪〜
注)戦闘内容はイメージです。
空は晴れ渡り、湿った空気が静かに荒れる。
天井の海には陽光が煌めく。荒波はうねり、かつての戦いを思い出させる。
アオサの旅はここで終わりを迎える。
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[1ターン目] 巨大な龍が視界を満たす
ユイキリ:「あれは何でも返す能力を持ってるのよね〜」
アオサ:「うん。物理で弱らせて毛細血管で乗っ取れば勝てるよ」シャキン!
赤黒い刀身が脈打つ。血液を固めて二刀流だ!
アオサ:「行くよ! 蜜蜂流:六角牢!」
六本のビームの中央を行く。
剣を交差させて捨て身の突進!
ズシャァ!!
--ギスラヴァールに u(κ) のダメージ(κ:a subcompact cardinal )
--ギスラヴァールは倒れた。
--ギスラヴァールが現れた!
ギスラヴァール:「はっはっは。痛くもかゆくもないわ!」
過去も未来も可能性も全て根こそぎ消し去る斬撃も、やはりギスラヴァールには通用しない。
--【反称】、自動発動!
ビームと斬撃がアオサに返っていく!
ズシャァ!!
--アオサに u(κ) のダメージ(κ:a subcompact cardinal )
--アオサはしんでしまった
ユイキリ:「あらあら〜?」
ギスラヴァール:「ぬぅ? あの不死身の心臓はどうした?」
ω の概念を超えた結果、心臓の強度が足りなくなったのだ。
ユイキリ:「アオサちゃ〜ん、戻って来なさ〜い」ナデナデ
アオサ:「はーい!」
無をナデナデすると、アオサの頭が現れる。
--アオサは復活した。
ギスラヴァール:「なんと奇怪な」
ユイキリ:「私を倒さない限り貴方に勝機はないわよ〜」
ユイキリは鉄壁の笑みを浮かべていた。
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[2ターン目] 母の後押しは何よりも心強い
ユイキリ:「アオサちゃん頑張って!」
アオサ:「蜜蜂流:光点斬下」
横方向から数多のビームが鱗を焼き払う!
そして上からアオサが急降下!!
ズシャァァァァァァ!!!!!
--ギスラヴァールに u(κ) のダメージ
--ギスラヴァールは倒れた。
--ギスラヴァールが現れた!
ギスラヴァール:「まだまだ、その程度では勝ち目はないぞ」
--【反称】、自動発動!
2ターン分の攻撃がアオサに襲いかかる!
--アオサに u(κ) のダメージ
ガキィィィィィン! 剣で受け止める。
--アオサはふんばった!
ズシャァァァァァァ!!
--アオサに u(κ) のダメージ
--アオサは倒れた。
ユイキリ:「アオサちゃ〜ん」ナデナデ
アオサ:「ぐはっ! …ふぅ」
ユイキリのナデナデが、アオサの魂を歪めて元気にする。
アオサ:「ねえ、もしかしてその【反称】、女神さまに改造された?」
ギスラヴァール:「そうだ。自動発動で、1ターン目から今までの攻撃を全て返すぞ」
ユイキリ:「あらあら〜、それは大変ね〜」
[3ターン目] 母の声援で緊張感は霧散する
アオサ:「蜜蜂流:斜陽箱斬」
箱型の斬撃が斜めに降り注ぐ!
--ギスラヴァールに u(κ) のダメージ
--ギスラヴァールは倒れた。
--ギスラヴァールが現れた!
--【反称】、自動発動!
ユイキリ:「アオサちゃん、弾きなさい」
アオサ:「はーい」
剣を斜めに構え、返ってきた3種の斬撃に切先を当てる。
ガキン ガキン ガキィィィィィン!
二の腕の筋肉が断裂する錯覚がする。
ギスラヴァール:「自分の斬撃は処理できるか。ではこれならどうかな?」ブンッ
--ギスラヴァールは【リバースクロー】を使った!
前方全てを無に帰す爪撃。ユイキリの眼前に迫る!
アオサ:「さあ来い!」
ユイキリの前に飛び出し手を広げる。
--【サンドバッグの加護】発動!
--攻撃は全てアオサが受ける
ズババババ!
--アオサは死んでしまった。
ユイキリ:「あらあら〜」ナデナデ
--アオサは復活した
アオサはニコニコしている。
[4ターン目] アオサの剣が眩しい光を放つ!
アオサ「そろそろ決めるよ、蜜蜂流最終奥義:無辺刃滅光!!」
カッ!
空から斬撃の雨が降り注ぐ! 極太ビームが龍のウロコを焼き尽くす!
ギスラヴァール:「この程度では──」
ユイキリ:「アオサちゃ〜ん、頑張って〜」
グサッ ぶしゅー ずざざざさ!!
ギスラヴァール:「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」
ユイキリの声援に応えてアオサの攻撃が強くなる。
そして何故か【反称】が発動しない!
ここはアオサの夢。世界の理もユイキリの一言で歪んでしまう。
ユイキリ:「あらあらごめんなさいねぇ〜」
ギスラヴァール:「う、ぐぐぐ」
めまいで上手く声が出ない。
ユイキリの望みが蜂となり、ギスラヴァールの心と存在に深く深く刺さっていく。
[5ターン目] 今こそ追撃の時だ!
ギスラヴァールの呼吸が荒くなる。
龍の巨体が上に落ちようしている。
アオサ:「毛細血管入れるよー」
ユイキリ:「気をつけるのよ〜」
黒と銀の巨体へ、赤の根っこが伸びる。
どこまでも伸びて、全身を包んでいく。
ギスラヴァール:「(不味いぞこのままでは……)」
霞む意識に敗北の記憶が蘇る。そして女神の言葉が──
◯◯◯◯◯◯◯◯
女神:「アオサちゃんは以前とは比べものにならない程に強くなりました。そのままでは5ターンで終わるかもしれません。その時は──」
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ギスラヴァール:「クソッ、仕方あるまい。【ワカメパック】発動!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ギスラヴァールの様子がおかしい?
アオサ:「?」
ユイキリ:「あらあら〜?」
ギスラヴァール:「何だ、何が起こっている?」
もぞもぞ もぞもぞ にゅるっ♪
頭からワカメが生えた!
アオサ:「あれは、メワワーギア!」
ユイキリ:「あらあらたくさん生えたわね〜」
海藻メワワーギア、かつてジヒナの船に絡まったワカメ。
立派なウロコからワカメが、雑草のように生い茂る。
そして毛細血管まで侵食しようとする。
アオサ:「チィッ」シュル
仕方なく引っ込める。
ギスラヴァール:「なんだこのワカメは! 女神め余計な真似を …まあいい食らえ!」
--ギスラヴァールは【交代ブレス】を放った!
消火器のような白いブレス、これは避けられない!
アオサ:「ぶへっ!?」
--アオサは交代させられた。
綺麗なアオサ:「あれっ? ここはどこですか?」
白い煙が晴れるとそこには、学生服に身を包んだアオサが透き通る声でオロオロしていたのだった。
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どこか遠くで頬を殴る音が響く。
女神:「良いですよシオサ。もっと、もっと強く殴るのです!」ボコォ
シオサ:「これは、完全に、想定外ですッ!」ドゴォ
海の下では殴り合いが繰り広げられていた。
腹を殴り、額を殴り、心臓を殴り… そして吹き飛び星を砕く。
汗の代わりに魂を、血液の代わりに存在を流す。命の削り合いは過激さを増すばかりだ。
女神:「想定外なのはこちらです。」ボコォ
シオサ:「……」ドゴォ
女神:「その【宇宙のスープ】のおかげで」ドンッ「どんなパワーで殴っても耐えてくれるんですね!」ドガァ
シオサ:「……」ドゴォバギィ
女神は歓喜を笑顔で押し出し、シオサは無言で殴り続けるのであった。
アオサとユイキリとギスラヴァールは全ステ u(κ) です。
(κは準コンパクト基数、u(κ)は濃度κのグロタンディーク宇宙)
シオサと女神は一発殴る度にステータスが上昇しています。