アオサの異変とユイキリの決断
プリンの大地で抱き合う親子。
ユイキリはアオサ?の青髪に指を走らせる。
5本の指に絡めてサラサラ撫でるのだ。
ユイキリ「うふふふふ〜♪」
アオサ?「あうあうあ〜」
シェード「何、アレ?」
ジヒナ「いや、光景はシュールだけど、ただならぬオーラが…」
シオサ「うーん、心音認証ではママのはずなんですけど、まさか高度な偽装?」
アオサの変わり様にみんな困惑しているようだ。
ユイキリ「とりあえず船に戻りましょう」
アオサをくるりと回し、お姫様抱っこの体勢へ。
プリンで汚れた足を上げ、そのままゆっくり歩き出す。
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[18ターン目] 場の空気がソワソワする
ユイキリ「貴女、アオサちゃんに寄生したスライムね」ナデナデ
アオサ?「あ、ぁぅぁぅ」もじもじ
実はアオサに自由はあんまりない。ママの言う事を聞いてナデナデされるのが最高の幸せなのである。
そんなアオサを乗っ取ってしまったスライム。存在レベルでアオサに同化した結果、ママにナデナデされると無条件に喜んでしまうのだ。
ユイキリ「『はい』と答えなさい。それがアオサの幸せよ」ナデナデ
アオサ?「あう?」
ナデナデが加速する。
ユイキリ「ほら、早く」ナデナデ
アオサ?「ぁぅぁぅ、えと、あの、はい」
アオサ?はとろんとした目で頬を赤く染める。
ユイキリ「よしよし〜♪」ナデナデ
アオサ?「んふぅ〜♪」
ユイキリ「なでなでぇ〜♪」ナデナデ
アオサ?「キャッキャ♪」
シェード「何あれ?」
シオサ「うーん、とりあえず楽しそうですね」
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[19ターン目] いつの間にか空気が緩む
ユイキリ「アオサちゃ〜ん(仮)、おっぱいの時間ですよ〜」
アオサ?「ええっ!?」
ユイキリ「ほら、飲みなさい」ガバッ
アオサ?「え、あ、はい」ぱくっ
んくんくんく んくんくんく
アオサは目を閉じ喉を鳴らす。
アオサ?「ふぃぃ」げぶぅ
ユイキリ「うふふ」ぽんぽん
アオサの目は半開き。眠気が見える。
[20ターン目] 突然、ユイキリの目が薄く開いた
ユイキリ「アオサちゃ〜ん、今度は私の番よ〜♪」
アオサ?「ぁぅ、えっ?」
ユイキリ「アオサちゃんもママになったからおっぱい出るわよね〜」
アオサ?「え、え、え?????」
ユイキリ「ちょっと失礼〜」
アオサ?「ふえ?」
ユイキリ「いただきま〜す」がじがじ
アオサ?「!!?!!!?????」
無い胸に無理やりかじり付く。
ごくごくごく ごくごくごく
ごくごくごく ごくごくごく
ごくごくごく ごくごくごく
この時、不思議な事が起こった。
アオサ?の身体が縮んでいくのだ。風船の空気が抜けるように。
そして、青いスライムがウネウネと形を変える。
アオサ?は幼女の姿になってしまった。
そしてユイキリから何やらハチミツ色のオーラが……?
[21ターン目] 縮んだアオサ?に視線が集まる
シェード「ちっちゃくなったの!」
ジヒナ「ああ、ちょっと可愛いかも」
シオサ「なんだか妹みたいです。」つんつん
皆さん興味深々なご様子。
ユイキリ「アオサちゃん(仮)は何処から産まれたのかしらぁ〜」
幼女アオサ?「えっと、あたち、星だったの。気づいたら意識があったの」
◯◯◯◯◯◯◯◯
むか〜しむかしある所に、【おほしさま】がありました。
【おほしさま】は何でも吸い込む危険物でした。
時間を吸い込み、空間を吸い込み、無限のパラレルワールドごと根こそぎ吸い込みまくって宇宙を荒らしました。
女神さまが一発、右ストレートを決めると【おほしさま】は止まりました。
女神さまは何かに使えそうだからと、改造を施し宇宙の外に大事に取っておいたという訳です。
そして、サンドバック強化に丁度いいからと、アオサと【おほしさま】を融合する事になりましたとさ。
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[22ターン目] 何とも言えない空気が漂う
ユイキリ「へえ、つまり女神さまの掌の上だったのね」
シオサ「そうですね。無邪気で害がなさそうなのがモヤっとしますね」
ジヒナ「あ、あのー、もしかして、私みたいなのを食べた事があったり?」
幼女アオサ?「ふえ、これの事?」ごそごそ
ポイッ
なんと、ジヒナそっくり等身大スライムフィギュア!
ジヒナ「お、おう……」
髪が少し長くて女神っぽい服装だ。
ジヒナ「……、間違えなく前世の私……」ぺたぺた
ジヒナは自分の人形に抱きついて顔を埋めてしまった。
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幼女アオサ?「ねえ、あたち、どうすればいいの?」
ユイキリ「そうね、アオサちゃんに身体を返すのは?」
幼女アオサ?「やだ!」
シェード「なによさっさと返しなさい」ぶんぶん
シオサ「ママ落ち着いて」
シオサがシェードの顔面にへばりつく。
バタバタ
シオサ「しかし、困りましたね。」
ユイキリ「そうね〜……」
ユイキリは目を閉じる。
幼女アオサ?をナデナデしながら考える。
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ユイキリ「そうだ、私にいい考えがあるわ♪」
ユイキリ「アオサちゃん(仮)、まずは……」
アオサ?「え、本当にするんですか?」
ユイキリ「そして……」
アオサ?「ほえ〜、すごい」
ひそひそ話に花を咲かせる2人。
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[24ターン目] 何かが始まるようだ
ユイキリ「みんな〜、ミルクの時間よ〜♪」
ジヒナ「へ?」
シオサ「はい?」
シェード「の?」
ユイキリ「まずは私のステータスをみるのよ〜」
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ユイキリ Lv ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク(火+水)
HP :ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
こうげき:ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
ぼうぎょ:ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
まりょく:ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
せいしん:ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
すばやさ:ま〜ろやか宇宙ハチミツミルク
主な能力
・ナデナデ
・赤血球
・アオサ特攻
・ハチミツミルク
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シェード「なによこれ?」
シオサ「??? 美味しそうな名前だな?」
ユイキリ「アオサちゃん(仮)のミルクを飲んだらこうなったの〜♪」
シオサ「そういう事なら、いただきます。」
んくんくんく んくんくんく
シオサ「あ、本当に訳分からんくらい強くなりました。」
シオサから薄いハチミツ色のオーラが昇る。
ユイキリ「やっぱりね。ジヒナもシェードちゃんもおいで」
シェード「仕方ないの」
ジヒナ「お、おう」
んくんくんく んくんくんく
んくんくんく んくんくんく
シェード「ぷはぁ、どうなの?」
ジヒナ「ぷはぁ、どうかな?」
シオサ「ちゃんとオーラ出てますよ。」
シェード「すごいパワーなの」
ジヒナ「ふふふ、もう何も怖くないぞー!」
[25ターン目] 白い船もオーラを発している
ユイキリ「そろそろ本題に入るわよ〜」
温度が下がる錯覚。なぜか緊張感が走る。
ユイキリ「ジヒナ、貴女がパパになるのよ!」
ジヒナ「………え? ええ?!! えええええ!?!?!?!?」
ユイキリ「問答無用よ、行きなさい、アオサちゃん」
アオサ?「はーい」
ぴょん♪ ずぶずぶずぶずぶ♪
ジヒナ「ひえぇ、何するんだ!?」
ジヒナのお腹の中でスライム状のアオサがうごめく。
今のジヒナはまるで妊婦だ。ふくれたお腹をやさしくさする。
ユイキリ「今からアオサちゃんを産むのよ。今、ジヒナの要素を吸わせてるの」
ジヒナ「え? なになにどういう事??」
シオサ「ああ、パパってそういう」
シェード「あたしたちも混ぜるの!」
ユイキリ「そうね、みんなで順番に回しましょう♪」
こうしてアオサを順番に回す事になった。
アオサスライムをお腹に入れて24時間経つと、産卵管を通り口から出ようとする。次の人が口移しで飲むのだ。
そして最後は、ジヒナとユイキリで半々に分ける事にした。
こうして4人はこのプリンだらけの惑星で、アオサの妊娠出産を決意したのだった。
アオサに乗っとった【おほしさま】の人格を分離する事になりましたとさ。
【おほしさま】の名前募集しております。