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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
みんなのせかい 〜降り注ぐ青い雨〜
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おまけ:深海のスライム茶

今度はルルリエちゃんのお話



 ズィ島、アオサが住む小さな島。


 その海底には島を囲むようにぽつぽつと穴が空いている。


 そこから潜ること10000メートル。


 光も届かない……と思いきや、光子こと【ピカビト】ちゃん達は普通に生息しているのだった。


 普通に明るい海底には、たくさんの人が生息している。


 エビやアンコウの【ウオビト】、ユムシやグソクムシの【ムシビト】、緑藻や紅藻の【クサビト】、ベニサンゴの【イワビト】がたくさん生息していた。


 (たまにプラスチックごみの【プラビト】も混じっているのはご愛嬌。)


 彼らは半球状の家を並べて海底都市を作っていたのだ。


 こうしてできた海底都市のひとつ『ランランシティ』をちょっとだけ紹介しよう。


………


 [ランランシティ〜藍に紅藻揺れる町〜]



 ズィ島を囲んだ環状都市。


 6個の都市を環状の車道で繋いでいるのだ。


 ランランシティは東部に位置する。


 サンゴモの生産が盛んで紅茶にして飲むのだ。


 ランランシティの郊外の小高い丘に、立派な豪邸がひとつ。


 立派な門がついた西洋風の豪邸だ。


ルルリエ「まあ、メイドさんがあんなに慌てています」

ネルリリーリゼ「お茶を買いに行ってるだけよ」


ルルリエ「お母さまっ♪」

ネルリリーリゼ「ルルちゃんっ♪」


ルルリエ「うふふ」

ネルリリーリゼ「うふふ」


 二階のベランダから幸せが漂ってくる。今日も平和だ。


アマコウ「ワンっ!」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [一般メイド視点]


 わたしはクラゲ〜。名もなきクラゲメイド〜。


 早くお嬢様がたの紅茶を用意しなきゃ〜。お茶会に遅れちゃう〜。



  ゆらゆら〜



 ここは直売所〜。採れたてのサンゴモがあるの〜。


 スイカを割ったような建物に入りまぁ〜す。


 新鮮な緑藻と紅藻がたくさん並んでまぁす。


 エビ店員さんおはようございます〜。


 22本腕と真っ赤な装甲には毎日ビックリ〜。


エビ店員「いらっしゃい。いいのが揃ってるよー!」

メイド「いつものロイヤルペコペコハーゲをくださ〜い」



  カコン



エビ店員「はいまいどー」



  チャリン♪



 茶葉の缶を受け取って電子マネーで支払いを済ませま〜す。早く帰らなきゃ──


エビ店員「ところで、最近新しく入った紅茶なんだけど……」


 これは、青透明? 初めて見るよぉ〜?


エビ店員「名付けて『ニュル・スララール』。ウチの最新作さ。一杯どうかな?」


メイド「毒味はメイドの仕事だよぉ〜。えいっ」ごくり



  にゅるっ♪



 !?!!???!!!!!



 な に こ れ ! ?



メイド「買います!」



  チャリン♪



エビ店員「まいどー。他にもあるよー」


メイド「スライム飴にスライムチャーハン、スライム食器、スライム手袋!!」


エビ店員「世はまさに大スライム時代だよー」


メイド「すっごぉぉい!」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ルルリエ視点]


ルルリエ「それで、つい買いまくってしまったと」


メイド「へへぇ、衝動が抑え切れず……こちらが新作の紅茶『ニュル・スララール』になります」


 スライムです。粘度低めのスライムです。


ルルリエ「お母さまお母さま、ティーカップにスライムですよ?」

ネルリリーリゼ「ふふっ、ルルちゃん落ち着きなさい」


 そうです。淑女のたしなみです。


 目を閉じて、平常心。浅く深呼吸。


ルルリエ「いただきます」



  にゅるり♪


   にゅるっ にゅるっ


    ぐいぐいぐい!!



ルルリエ「!??!!!」んぐっ

ネルリリーリゼ「喉越し爽やかですわ」



 ちょっと、生きてますよ。なんですかこのスライム普通に生きてます。ピチピチの鮮魚ですか!?


 食道がウゾウゾしてます!


 今、胃液にドプッとダイブしました!



ネルリリーリゼ「うふふ……ルルちゃん可愛いわ」ニヤリ


ルルリエ「お、お母さまは平気なのですか?」

ネルリリーリゼ「洗脳ですわ。黙らせればいいのです」


 そうです。平和ボケして忘れていました。


--ルルリエは【くすぐる】を使った。


  こちょこちょこちょ♪


--体内に触手が生えてスライムをくすぐり始めた。

--スライムはクネクネしている。


ルルリエ「なるほど〜。大人しくなりました」

ネルリリーリゼ「そうですわ、クラゲと融合させましょう! そこのメイド!」


メイド「はいぃ〜!?」


ネルリリーリゼ「買ってきたのは貴女ですわね。責任取って実験台になりなさい」


メイド「ひえぇ」



  ぶちょっ


   ぐゆぐゆ ぐゆぐゆ


    ぬるり



メイド「うーん、全身がゆるゆるする〜」


ルルリエ「ふむふむ、クラゲ触手のプルプル感が増しましたね」ツツー

ネルリリーリゼ「頭もプルプルですわ」ナデナデ


メイド「ふみゃ、ふみゃみゃみゃみゃ〜」へなへなぁ


アマコウ「ワンッ、ワンワン!」


ルルリエ「どうしましたアマコウ?」



  ヒュゥゥゥゥゥゥン……



 何か降ってきます。あれは……スライム!


ネルリリーリゼ「まだ海底2000メートルね」

ルルリエ「行きましょう。この町に落ちたら大変です」


  ビュン!



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [スライム視点]


 ここはどこ?


 私はだあれ?


 ……


 ふわぁ、分かんないや。


 お水おいしいな。ゴクゴク。


ミズビト「わー、飲まれたー」


 んんー、何か入ってきた?


 わはー?


 私はミズビト?


 私は水だー。ミズミズするよー!


ルルリエ「はじめまして。早速ですがコチョコチョします」



   にょろり♪



 えぇ、なにそれこわい。


 いや、来ないでぇぇ!!



   コチョコチョコチョコチョ

  コチョコチョコチョコチョ

 コチョコチョコチョコチョ

コチョコチョコチョコチョ

 コチョコチョコチョコチョ

  コチョコチョコチョコチョ

 コチョコチョコチョコチョ

コチョコチョコチョコチョ

 コチョコチョコチョコチョ

  コチョコチョコチョコチョ

   コチョコチョコチョコチョ

    コチョコチョコチョコチョ

     コチョコチョコチョコチョ

    コチョコチョコチョコチョ

   コチョコチョコチョコチョ

  コチョコチョコチョコチョ



 アヒャ、あははははははは、やめ、くすぐっt、あひゃひゃっ ヒッ ふごっ ヒヒャヒャヒャヒャ


─────────────


--スライムの【せいしん】が2まで下がってしまった。

--スライムの耐性がなくなってしまった。


─────────────


 待って私もしかしてピンチ?


ルルリエ「今です。ナデナデ!」


  ナデナデ、ナデナデ


   ぷっつん♪


スライム「お嬢様ぁ♪」


 ああん、私をルルリエお嬢様が満たしていく〜。


 ルルリエお嬢様のことしか考えられなぁい♪


ルルリエ「スライムちゃん、今日から貴女は私の髪の毛の一部です」

スライム「はぁい♪ お嬢様の仰せのままにぃ」


ネルリリーリゼ「私にも分けるのですよ」



  にゅるにゅる



ソリュビト「あれー新入りかい?」

エレビト「仲良くしようね」

スライム「はーい」



……



 こうして髪の毛に扮したクラゲ触手はスライムと融合した。


 こちょこちょパワーは更なる強化を遂げ、ナデナデ、モフモフと並ぶ凶悪な能力と化した。


 後に三種の神技呼ばれる【ナデナデ】【モフモフ】【こちょこちょ】が一大勢力を築いて三つ巴のじゃれあいに発展するのだが、それはまた別のお話。



▼▼▼▼▼▼▼▼



アオサ「あれ、なんだか髪がムズムズするよ」

ユイキリ「あらあら〜、ルルリエちゃんみたいになってるわ〜」

そろそろおまけパートは終わり。次は3日くらい開きそうです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > ズィ島、アオサが住む小さな島。 Z-Island ? > そこから潜ること10000メートル。 海溝でもないというのに、いきなり10000m……。 つまり、Zアイランドは、火…
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