表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
4面:リグラシティ 〜序曲で染める新世界〜
78/108

キクラとミミナの新世界ピクニック

今回は落ち着いて書きました。




 [キクラ視点]



 ざざーん

  ぞぞーん



キクラ「うぅ…ん?」


 ここは?


 波の音がする。潮風が生暖かい。


 砂浜、生暖かい。ざらざらして肌にこびりついて……


 ……え“!?


 手に水かき!?


 肌にウロコ!?!?


 てか足がない! 魚のシッポになってる!!!


キクラ「えええええ!?!?!?!?」


ミミナ「ハッ、朝ですか!?」がばっ


キクラ「ミミナ大変、私、人魚になっちゃった!」

ミミナ「ふえぇぇぇ?!」


  ジャキン!


 待ってミミナの爪が長い!?


キクラ「ミミナ手、手!」

ミミナ「えっ?……ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」


……


 ふぅ、落ち着いた。


 どうやら私は人魚に、ミミナはモグラ人間になったらしい。


ミミナ「わぁ、耳がヒダヒダしてますぅ。あっ、エラがヒクヒクしてますぅ」

キクラ「ちょっと待ってぇ“ぇ”ぇ“〜」ビクン


 ……変な声出た。


キクラ「ミミナも爪がすごいよ」


 長いナイフのような爪で、5本束ねるとスコップみたい。


キクラ「鼻から赤いぴろぴろ生えてる?」こしこし

ミミナ「んひっ!?」ぴくん


 ふむふむ、そして腕と脚が毛深くなったね。


 そして足がめっちゃ縮んだ。私より身長低いぞ。


キクラ「ミミナー、これからどうする?」

ミミナ「そうですね、ちょっとこの辺見て周りましょう」


 まあそうだよね。よし行こう。


 こうして2人でその辺を歩き回る事にした。



▼▼▼▼▼▼▼▼



ユイキリ「あらあらキクラちゃん元気で良かったわ」

アオサ「ママいつの間に!?」


 アオサとユイキリの肩が触れ合う。


ユイキリ「でも記憶が曖昧なようね」

アオサ「キクラは2回消滅したみたいなんだ」



 ネルリリーリゼとの戦闘の余波で、宇宙が ω_ω の所まで時間軸もろとも消滅。


 一般人であるキクラとミミナは過去も未来もまとめて粉砕されてしまったのだ。


 その後シオサがしれっと蘇生させたが、ゼノジーノの【イチのブラックホール】によって再び粉砕。


 そして、ゼノジーノが幼女になった直後、シオサが思い出したようにキクラたちを作り直したのだ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



キクラ「ええ〜」

ミミナ「ほえぇ」


 ミミナと手を繋いで砂浜を行く。


 私は雷魔法で宙に浮き、しっぽを振りながら進む。


 ミミナは小さなモグラ足を小刻みに動かしている。可愛い。


 砂浜から見上げると、防波堤の先に高層ビルが垣間見える。



妖精「お姉ちゃんたちこの世界はじめて〜?」

妖精「アドレス交換しましょ」


 妖精!? 風タイプと土タイプか。てかアドレス?


キクラ「うわっ!」

ミミナ「きゃっ!?」


 脳が震える。突然の電流と振動に驚く2人。


─────────────

ー つなげた

2 つなげられた

─────────────


妖精「スマチしらない〜?」

妖精「ツナガッターすごいよ〜」


 何とこの世界の人は全員脳にチップが埋め込まれているという。


キクラ「いつの間に!」ぞわり

ミミナ「あーでも楽しいですよ〜」ぴこぴこ


 まさかスマホを脳に埋め込むとは。姉や母以外にもネジが飛んだ奴がいるんだな。


 そして【ツナガッター】。


 脳内つぶやきを共有して常時コミュニケーションがとれるという信じられないアプリなんだ。


 とりあえずミミナとつながっておこう。


 ……脳内を見られるのって、なんだかムズムズするな。


ミミナ「そうですね〜、わたしは慣れましたよ」


 さすがミミナ。適応早いな。


ミミナ「脳内公開の対象はオンオフできるんですよ〜」


 なんだそうだったのか。とりあえずミミナだけに流しとこう。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 【サバサバシティ】


 砂浜から上がるとそこは繁華街だった。


 立ち並ぶ高層ビル、環状ストリート、そして中央の発電塔。


 ずいぶんキラキラした町だな。


 アスファルトの広い道には色んな人が行き来してる。


キクラ「あー、スマチで検索すればいいのか」

ミミナ「すごい、種族が膨大すぎます」


 人口の半分を占めるのは【ハチビト】という種族。


 うぅ、姉を思い出して吐き気がしてきた。


 ……ふぅ。


 一人一個の蜂の巣を携帯しているらしい


 リュックに入れる派とポシェットに入れる派があるそうだ。



キクラ「………」じぃー

ミミナ「………」ぼけー



 親子と思われるハチビト四人家族を見てみる。


 双子の娘は手をつないで肩を寄せ合いスキップしている。


 ママと母親は指を絡めて娘たちを微笑まし気に見ている。


 そして飛び回る小さな蜂。


ミミナ「はわわ、女の子どうしで……」

キクラ「てか男が全くいないんだけど」


 あ、双子が手を振ってきた。私も手を振る。


  ビビッ!!



─────────────

3 つなげた

5 つなげられた

─────────────



 え、これって見ただけで繋げられるの!?



  テトテトテト……


子供「お姉ちゃん何見てるの〜?」

子供「すごーい、写真とろー」パシャ


 なつかれた?


ミミナ「わぁ可愛い〜」


  ビビッ!!



─────────────

3 つなげた

7 つなげられた

─────────────


 ママさんたちとも繋がってしまった。


蜂ママ「娘がすみません」

ミミナ「いえいえ〜」


蜂母「ほら、はやく帰って準備するよ」

双子「はーい」


 何の準備だろう。パーティーかな?


蜂ママ「それじゃあ、さようなら」ちゅっ

ミミナ「!?」


蜂母「じゃあね」ちゅっ

キクラ「!?!?」


 え、え!? 挨拶でキスするの!?!?


ミミナ「ほわぁ……」ぽっ


 甘い。


 今まで味わった事のない極上の甘味。


 これがハチミツなのか?


 ……やっぱりこの町は何かがおかしい。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 ミミナと手を繋いでストリートを進む。


 左右には高層ビル、人通りは多い。


 狐の少女2人が手を繋いで歩いている。


 キツツキ少女が木の少女をつついて中のカミキリ虫少女をつんつんしている。


 野良猫少女の家族はビルの隙間で丸くなり、ペンギン少女が集団下校みたいに歩いている。


 本当に大丈夫かこの世界?




 ビビッ ビビッ ビビッ ビビッ

  ビビッ ビビッ ビビッ ビビッ



 ビビッ ビビッ ビビッ ビビッ

  ビビッ ビビッ ビビッ ビビッ



─────────────

3 つなげた

511 つなげられた

─────────────


 現在【ツナガッター】で絶賛繋げられ中。


 会う人会う人が繋げて来る。


 グイグイ来られて少し困惑気味。


ミミナ「うへへ、繋がるっていいですね〜」


 やっぱりミミナは適応してるんだね。


 メガネを揺らして歩きながらニヤニヤしてる。


 繋がれた時に脳に微弱な電流が流れるんだけど、その、嬉しくなって勝手にニヤニヤしちゃうんだよね。


……



 公園だ。滑り台と鉄棒と砂場がある小さな公園。


 ホッとする。魔境のオアシスに見えて来た。



 蛇口をひねり、水に唇が触れる。


  その時!!!!!


   ゾワリ!!!


???「んへへ〜」ちゅっ


  ごくごく


 あれは確か【ミズビト】!?


  ごくごく


 え、水道から出るものなの!?!?


  ごくごく


   ズルリ!!!!!


 なっ!! 体内に入った!?!?!?


ミズビト「えへへ、キクラさん、よろしくね?」


 悪意なんてない。好意しかない。


ツチビト「キクラさーん、貴女の体内の細胞でーす」


 はっ!? いやいやおかしいって。


エレビト「キクラさんの体内の電子でーす。よろしくー」


 !?!!!???


ソリュビト「素粒子でーす。全身くまなく存在してまーす」


 え、え、え?




ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ





─────────────

999999999999999999999999999999 

 つなげた

999999999999999999999999999999 

 つなげられた

─────────────



▼▼▼▼▼▼▼▼




キクラ「あは、あはは、アハハハハハハハ」


 今まで悩んでたのがバカみたい。


 プライバシー? 倫理? なにそれおいしいの?


 ともだちたくさん たのしいな〜


ミミナ「あはは、なんだかお腹空いてきました〜」


キクラ「そうだね、ご飯食べよっか」


 電子ちゃんいい店知ってる?


 おk、行ってみるねー



▼▼▼▼▼▼▼▼



アオサ「友達できたんだね。よかったね」

ユイキリ「ふぅ、娘の自立は寂しいわね〜」


アオサ「大丈夫、ずっと一緒だよ」

ユイキリ「ふふ、分かってるわよ」


 いつの間にか膝枕。顔を埋めてママの匂いを嗅いでいたのだった。

 素粒子の個数の数え方が分からんかったから、丼勘定で30桁にしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] > 今回は落ち着いて書きました。 ふむ……。 では、感想、行ってみようかの? [気になる点] > どうやら私は人魚に、ミミナはモグラ人間になったらしい。 い、意味が分からぬ……。 なぜ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ