BOSS:零魔ゼノジーノ 〜心臓の穴は極楽超過〜
ついに決着か!?
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ゼノジーノが作り出した【イチのブラックホール】。
その余波は宇宙にまで及んだ。
星も銀河もブラックホールも、異世界もパラレルワールドも、時間も次元も概念も情報も、とにかく色んなもの全部吸い込んでしまった。
そして……
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[23ターン目] 圧縮され続けて常に心臓が痛い
ユイキリ「あらあら〜」
ジヒナ「えっ!?」
アオサ「なにこれ」
シオサ「ママー!」
シェード「アオサ、大変なのよ」
蜂たち「「「ぶんぶん ワキャワキャ」」」
| 《ぐしゃっ ドクンッ!)
心臓は強かった。
1に侵食されては元に戻るを繰り返し、繰り返し、何とか意識は保っている。
ルルリエ「あれぇ〜? もしかして宇宙滅亡しました?」
ネルリリーリゼ「せっかくの新人類が台無しですわ」
アオサ「シオサー! なにこれ何が起こってるの?」
シオサ「1によって全て侵食されたんですよ」
アオサ「ええー、せっかく心臓に穴空けてゼロ対策したのにぃ〜」
シオサ「うん? ……うわぁ、女神さまが──」
しれっとアオサの過去を見るシオサ。
シェード「うわっ、醜態なの。なにあの女神!」
アオサ「あうっ、それは、そのぉ」もじもじ
ユイキリ「アオサちゃ〜ん、女神様にあんな事言って、ママ傷ついちゃったの〜。おしおきよ〜」にこ
頭グリグリ
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!
アオサ「あばばばばばばばばばばばば」
ジヒナ「まあまあユイキリ、その辺にしてあげなよ」
シオサ「そんな事より心臓見せてください!」
ユイキリ「いいわよ〜ほら」
アオサ「あばっ」カパッ
シオサ「なるほど、その手がありましたか」
シェード「どうなの?」
シオサ「穴を大きくしましょう!」
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[24ターン目] 1が吹き荒れている。
アオサ「ゲッ、ただでさえ痛いのに、まだ広げるの!?」
そう、アオサとユイキリの心臓には、太さゼロの穴が空いているのだ。
それを広げるなんて、とんでもない!
ユイキリ「あらあら〜。じゃあ私からするわね〜」
ドシュッ!!!!!
ユイキリ「がはっ……」
ユイキリは人差し指を自らの心臓に突っ込む。
ユイキリ「はあ、はあ、ね、大丈夫でしょ?」ふらふら
--ユイキリの心臓から『1』がなくなってしまった。
アオサ「ママ!?」
シオサ「ママさん手当てをします」
もももももももも
シオサを構成する小蜂がユイキリの中に入っていく……
ユイキリ「ふぅ、ありがとう、もう大丈夫よ」
ユイキリの雰囲気がガラリと変わる。
まるで女神のようなオーラを放つユイキリに、アオサたちは目を見開く。
アオサ「ママ、うん分かった。勇気を出すよ」
シェード「待つのよ、みんな一緒にやるの」
ジヒナ「あうぅ、ちょっと怖いけど」
シオサ「パパさん、手を繋いであげます」ぎゅっ
ルルリエ「待ってください、私たちもやります」
ネルリリーリゼ「ルルちゃんと一緒なら怖くないですわ!」
シオサ「ついでにアマノウスさんもやりましょう」
アマノウス「!?(急に蘇生させられた)」
「「「「「「せーの!」」」」」」
ドシュッ!!!!!
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[25ターン目] そして世界は動き出す
ゼノジーノ「ふう。あのクソガキもいなくなった事だし、世界作り直すかのぉ?」
ゼノジーノは元のジジイの身体に戻り、小指でヒゲをいじり回す。
彼が望むのは魔獣のいないニンゲンの為だけの世界。
魔法の不思議パワーが存在しない世界、それで人と人との意思が交差してドラマを生み出す。
その世界のミツバチはハチミツとローヤルゼリーを作り続ける労働を強いられる。
それ以外の蜂も、住処を追われて細々と生活している。
当然、蜂が、そんな世界を、許すはずが、ない!
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
にゅるにゅる♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
ブゥゥゥゥゥゥン♪
アオサ「やっほー」
シオサ「戻って来ましたよクソジジイ」
シェード「さっさと滅びるの!」
ゼノジーノ「なんじゃと!」
ユイキリ「あらあら〜貴方が黒幕ですか〜? よくもウチの娘に手を出してくれましたね〜」
ジヒナ「まあまあ落ち着いて……」
ゼノジーノ「貴様らどうやって」
シオサ「うるさいですね」
ゼノジーノ「……!?!?」ぱくぱく
--ゼノジーノは喋れなくなった。
シオサ「心臓に穴を開けたら『0』と『1』が働きを失ったんですよ」
ゼノジーノ「……!!!!!」ぱたぱた
ゼロとイチが効かないのだ。こうなったらただのジジイである。
アオサ「ジジイに用はないです。いただきまーす」
にゅるにゅる♪
毛細血管が伸びる。
ゼノジーノの手に、足に、顔にへばり付いていく。
そして【白血球】によりあっという間に食べられてしまった。
ユイキリ「大丈夫アオサちゃん、お腹壊してないかしら?」
アオサ「大丈夫だ──オエッ!?」
シェード「アオサー!?」
シオサ「どうやら『0』と『1』は消化できないようですね」
アオサ「よーしこうなったら、蜂にしてやる!」
アオサの赤血球が暗い虹色に怪しく輝く。
そして長い永い0秒間が終わりを告げる。
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[ゼノジーノ(?)視点]
うーん、ワシは、ここは何処じゃ?
記憶が……だめじゃ、頭が痛いのじゃ。
ゼノノ「たしかワシの名はゼノノ……!!」
声が高い!? まるで幼女ではないか。
ガサゴソ ガサゴソ
ゼノノ「触角!? 翅!? 蜂の尻ぃ!?!?」
魔改造なのじゃ!
しかも髪の毛が触手のようにウネウネするのじゃ。
キモいのじゃ!!
……
ところで、ここはどこじゃ?
真っ黒空間ではないか。
……
ゼノノ「おーい、誰かいないのかー」
……
ゼノノ「おーい」
……
寂しくなんかないのじゃ。
ぐすっ
勝手に肉体をいじりおって。
こんな所に閉じ込めおって。
もし会ったらタダじゃおかないのじゃ!
ぐすっ
……
???「おぎゃー」
!?
???「おぎゃー」
誰かいるのじゃ!
ゼノノ「おおーい、どこじゃー!」
???「おぎゃー」
あっちにいる気がするのじゃ。
タタタタタタタタ
タタタタタタタタ
タタタタタタタタ
???「おぎゃー、おぎゃー、ばぶ?」
そこには触角の生えた赤ちゃんがいたのじゃ!
カゴに入れて捨てられたかのような……
きゅん♪
ゼノノ「はうっ、可愛いのじゃ♪」
……ハッ!?
かっ可愛くなんてないのじゃ、フン。
赤ちゃん「うあぁ!? ぎゃぁぁぁぁ!!! ぎゃぁぁぁぁ!!! ぎゃぁぁぁぁ!!!」
ゼノノ「ごめんなのじゃ! 可愛いのじゃ! よーしよしよし」
赤ちゃん「ぎゃぁぁぁぁ……ぐすっ」
ふう、嵐は去ったのじゃ。
ゼノノ「そうじゃ、お主の名前はイチイなのじゃ」
こうしてゼノノは幼いシングルマザーになったのだ。
もぞもぞ……
ゼノノ「ん? なんじゃ……」
まさか、まさか母乳を吸うつもりかのぉ?
イチイ「んまぁ」がぶぅ
ゼノノ「ぴぎゃぁぁぁあああ!?」
真っ黒空間に可愛い絶叫が響くのだった。
実はここ、アオサの心臓の中である。
心臓の中に宇宙が出来て、新たな生命を育む事になるのだが、それはまた別の話。
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こうしてアオサたちの戦いが終わり、世界から『0』と『1』がすっぽ抜けてしまった。
ゼロとイチを失った世界は、……さほど問題なく動いていた。
今、この世界の創造神は4人
ミツバチ娘のアオサ
純白クラゲのルルリエ
灰白クラゲのネルリリーリゼ
創世犬アマノウス
純粋なニンゲンに価値を見出さなかった神々がいったいどんな世界を創造したのか……
次回に続く
ゼロとイチを神聖視するのは見ますが、オワコンになるのは珍しいかもしれません。
↓ ステータスです。アオサ以外もこんな感じです。
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アオサ Lv ω_ω_ω_……(無限個)(水)
HP :ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
こうげき:ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
ぼうぎょ:ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
まりょく:ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
せいしん:ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
すばやさ:ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_ω_……(無限個)
主な能力
・赤血球で付与回収
・白血球で食べる
・心音センサー
・心臓の痛みで強くなる能力(カンストにつき停止中)
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↑なんと、数学的にカンストしてしまいました。
『弱到達不能基数』ってのと同じ数量らしいですねコレ。