BOSS:零魔ゼノジーノ 〜天下無敵の毒針使い〜
注)戦闘内容はイメージです。実際はただただカオスです。
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[16ターン目] 熱風が吹き荒れ血肉が舞う
少女は針を二刀流に構える。
肩の力を抜いて空を蹴る。
空を駆ける。
ゼノジーノ「グオオオオオ!」
べちゃ べちゃ
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ
肉片が雨のように降る。
シェードは雨を紙一重でカリカリと回避する。
肉体は飾り。心臓に当たらなければ問題ないのだ。
シオサ「肘からエネルギー反応。ロケットパンチ、来ます!」
シェード「了解!」
毒針から脳と心臓へ神経がつながる。
毒針になったシオサはシェードとリアルタイムで意思疎通をする。
ゼノジーノ「オオオオオ!!」
ボォォォン!!
筋肉ジジイの腕が飛んでくる。肘から先のロケットパンチだ!
シェードはロケットパンチを足場にしてジジイの首へと一直線!
ロケットパンチに触れた足は消滅したけど、すぐに生えてくる。
翅がさざめき針が煌めく!
シュパン!
グロテスクな巨大な首が宙を舞う!
--ゼロで割ってはいけない!
--ゆえにゼノジーノにダメージはない!
シェード「ちょっとこれは聞いてないの!」
シオサ「これはまずいですね。…考える時間稼ぎをお願いします」
シェード「任せるの!」
ゼノジーノ「グアアアアア!!」
--ゼノジーノは口からビームを吐き出した!
シュパァァァァン!
--シェードはビームを切り裂いた!
--シェードにダメージはない。
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[17ターン目] 風圧が徐々に強くなる。
針は膨大な数の蜂から構成されて、ゼロに消されてもビクともしない。
しかしゼロのほうもビクともしないのだ。
シオサ「(ふむ、まずは【ぼうぎょ無視】を付加しましょう)」
--毒針に『ぼうぎょ無視』を付与。
シオサ「(これでダメージが通るといいのですが…)」
巨人の首がぐるぐる回る。
ぐるぐるぐるぐる高速スピン、スピン、スピン!!!!!
白いヒゲが回転イカ干し機のイカのようだ。
シェード「気持ち悪いのよ!」
シュパァァァァン!!
シェードは急発進して巨人の足を切り落とす。
--ゼノジーノに ω_ω_ω_……(3000兆個くらい)ダメージ!
--元からHP0なので何も変化はない。
シェード「何なのよこれは!?」
シオサ「隙を生じぬ二段構えですね」
ぐるぐるぐるぐるぅ!!!
ヒュン!
--ゼノジーノは【ミサイルずつき】を使った!
巨人の首が襲い掛かってきた!!!
シェードは野球のバッターのように構える。
カキィィィィィン!!!!!
ひゅーん
--首は何処かへ飛んでいってしまった。
--シェードにダメージはない。
首なし巨人はオタオタしている……
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[18ターン目] 予想以上のしぶとさに若干焦りが生じる
シオサ「(うーん、いい方法が思いつかないですね……いっそ回復してみましょうか?)」
シェード「うわっ、再生キモいのよ!」
巨大ジジイの首と足がニョキッと生える。
シェード「ハリネズミにしてやるの。蜜蜂流針殺法:針の舞!」
シュキーン!!
針が増殖する。
空にひとつ、またひとつと針が現れてはピタリと静止する。
シェード「アナフィラキシーショックになるといいの!」
ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ ざ さ
あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
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あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ
ぶすぶすぶすぶす ぶすぶすぶすぶす
ぶすぶすぶすぶす ぶすぶすぶすぶす
ぶすぶすぶすぶす ぶすぶすぶすぶす
ぶすぶすぶすぶす ぶすぶすぶすぶす
ゼノジーノ「ぎゃぁぁぁ!?」
--アナフィラキシーショックだ!
--ゼノジーノを痛みが襲う!
ゼノジーノ「こひゅー、こひゅー」
--ゼノジーノの呼吸がおかしい!
--ゼノジーノは目を回している!
シェード「あ、こういうのは効くのね」
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[19ターン目] ここでシオサに天恵が降りる
シオサ「(そうか、回復するまで何度も回復を試みれば……)」
シオサ「ママ、アイツを回復させてみましょう」
シェード「えっ?」
シオサ「HPを1ポイントだけ回復させて、再び0にすればもしかしたら──」
シェード「任せるの!」
シオサ「まずは針に回復能力を付与します。」
>『毒針』に『HPを1ポイント回復させる能力』を付与
シェード「これで刺しまくればいいのね!」
ゼノジーノ「ブオッ??」
ぶすぶす ぶすぶす ぶすぶす ぶすぶす
ぶすぶすぶすぶすぶすぶすぶすぶすぶすぶす
--シェードは【毒針】を何度も使った。
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
--しかし何も起こらなかった……
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--ゼノジーノのHPが1ポイント回復した!
ゼノジーノ「!?!?!?」
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ゼノジーノ Lv 0(なし)
HP :1/0
こうげき:0
ぼうぎょ:0
まりょく:0
せいしん:0
すばやさ:0
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ゼノジーノ「おご、おごごごご!?」
ゼノジーノの様子がおかしい。
ボコっ ボコボコっ
ゼノジーノの構造が変化する!
ゼロだけの身体に1が付加されてしまったのだ!
ゼノジーノの目に『0』と『1』がフラッシュする!
ゼノジーノ「がはっ! ここは? なんじゃ、何が起こっている!?」
シオサ「おはようございます」
シェード「おはようなの」
ゼノジーノ「貴様ら何をした! 何なのじゃこの異物感は!」
シオサ「あなたに1を付加しました。これで『HPが減る』という概念が生まれました」
シェード「毒針でぶすりなの♪」
ゼノジーノ「ちょっと待て、止めるのじゃ!」
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[20ターン目] あとは攻撃を入れるだけだ!
シオサ「これで、ゼロの守りは突破できたはずですが……」
シェード「刺せばわかるのよ!」
ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!
翅音を響かせ突進して……
ぶすっ!
ゼノジーノ「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
シェード「やったの?」
シオサ「いいえ、ダメみたいですよ?」
--無からゼノジーノが復活した!
ゼノジーノ「ファファファ、この世にゼロがある限り、ワシは不滅なのじゃぁー!」
シオサ「やっぱり不死って面倒ですね」
シェード「あたし達も他人の事言えないの」
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[21ターン目] シェードはため息を吐き、ゼノジーノはからから笑う
シオサ「困りましたね」
シェード「そうね」
シオサ「グダグダです」
シェード「そうなのよ」
ゼノジーノ「フォフォフォ、ほう? この『1』を使うと色んな事ができそうじゃの」
シェード「えー、もしかしてジジイ強化なの?」
ゼノジーノ「おお、おお、おおお!!! 『0』と『1』だけで世界を創造できるのじゃ!」
--ゼノジーノは宇宙を創造した。
シオサ「ウイルス送っときますね〜」
ゼノジーノ「ファッ!?」
--蜂ウイルスによって宇宙は食い荒らされた。
ゼノジーノ「クソガキめ、やはり生かしておけぬ!」
ゼノジーノは再び闘志を燃やす
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[22ターン目] シェードとシオサは肩を寄せてヒソヒソ話す
シェード「どうするの?」
シオサ「ジジイの言葉を信じるなら、世界からゼロがなくなれば復活できなくなるのでは?」
シェード「なるほどなの」
シオサ「毒針に【ゼロを消す能力】を付与し……」
ゼノジーノ「ファファファ、ワシはもはやゼロだけには在らず! 喰らえぃ新技、【イチのブラックホール】なのじゃ!」
キュィィィィィィン!!!!!
シェード「えっ? 1がくるくる回って?」
シオサ「まずいですね。1が0みたいになりました。触れたもの全てが1に浸食されるようです」
シェード「なにそれこわい」
ゼノジーノ「ファファファ、しねぃ!」
キュィィィィィィン!!!!!
シェード「きゃぁぁぁぁ!?」
シオサ「あー無理。これは無理っぽいです」
ひゅぅぅぅぅぅぅぅ シュポン♪
ぐしゃっ……
1との最大公約数は1。こういう演算ではブラックホールのように作用するのですよ。
ポッと出のジジイにはもったいないパワーです。