表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
4面:リグラシティ 〜序曲で染める新世界〜
67/108

アオサと女神が出会ってしまった!

ようやく主人公の登場です!

▼▼▼▼▼▼▼▼


 [アオサ視点]


 あれからしばらく時間が経った。


 肉体はくちゃくちゃのままだけど、何故か心臓からワカメが生えたよ。


 うーん、辺りは真っ暗で何も見えない……事ないよ。


 心音センサーでちょっとだけ見えるんだ。


 まず私は黒い金庫の中に多重に密閉されてるんだ。


 金庫の中に金庫があって更にまた金庫。金庫のマトリョーシカだよ。


 普段なら紙みたいに破れるんだけど、謎のパワーで能力ゼロになってて文字通り手も足も出ないよ。


 心臓の中だけは無事みたいだけど、外出た途端アウトだよ。


 金庫の外には 110個の金庫があるんだ。


 近くの金庫を見てみると、アマノウスさんがいるよ。


 別の金庫にはルルリエちゃん、また別のにはネルリリーリゼさん。


 残りは107匹の神獣だね。アマノウスの取り巻き。


 みなさんぐったり眠ってるね。


 ……


 あー、暇だ。ひまひまひま。


 ウッ!? 急にママに会いたくなってきた。


 目はないけど、涙がポロポロ落ちる気持ちだよ。


 ぐすん、でも何をすればいいんだろう?


 いい考えが浮かばないよ。心臓しか動かないからどうしようもなんだよ。


 そもそも何で心臓は正常なんだろう?


 何で?


 うーん?


 ……


 そもそも、心臓の中身ってどうなってるの?


 当たり前すぎて考えた事無かったよ。


 よし。


 心臓に意識を集中してみよう。


 どれどれ〜?


 ぱっと見オーラを纏った普通の心臓だけど……


 うわっ、心臓の表面に小さな心臓がたくさんくっついてる!?


 ブツブツでイボイボだよ!


 そして小さな心臓からもっと小さな心臓が数え切れないくらい付いてるよ。


 そして、もっと小さな心臓からもっともっと小さな心臓が……


 まさかの無限ループだよ。


 表面でもうビックリだけど、中身はどうなってるのかな?


 あらら、やっぱりマトリョーシカだったよ。


 心臓の中に心臓があって更に心臓が……


 こっちも無限ループだね。正確には ω個だね。


 んじゃ、心臓の中に ω回ダイブしましょう。


  ぎゅーん

 


▼▼


  ぱぁっ


 うおっ眩しい。


 急に白い空間に?


 んん? どこかで見覚えが……


女神「こんにちはアオサちゃん」

アオサ「女神さま!?」


 そこには如何にも『女神』という格好のお姉さんがいた。


 純白の長髪にワカメの草冠、赤白いトーガはタコの面影があって、頭にイソギンチャクの髪飾りがウネウネしてる。


 なんだか不思議な感じの人だ。神々しいのに親近感あふれてる。


女神「私は【(なぐ)りの女神】。直接合うのは初めてですね」

アオサ「もしかして、心臓の製作者さん?」


女神「そうですそうです。どうですか私が作った心臓と赤血球?」

アオサ「すごいよ。何されても死なないし、宇宙壊し放題だし」


女神「そうですか〜。では、耐久テストを始めます」

アオサ「ふえっ?」


女神「えいっ♪」


  とんっ


 女神様はその細腕で私の胸をゆっくり小突いた。


アオサ「うっ!?」


  ぱたり……


 ここで私は意識を失ったらしい。


女神「あららら〜」


 ※アオサ心肺停止中


 アオサは白目を剥いて仰向けに身体を横たえる。


 女神様はアオサに跨り心臓マッサージの体勢をとる。


女神「えいっ」どんっ

アオサ「がはっ!?!?!?」



▼▼



 ハッ、寝過ごしたか!?


女神「おはようございます」

アオサ「えっ!? もしかして死んでた?」


 全身が疲労でギシギシ音を立てそう。


女神「次は精神の耐久テストです。えいっ♪」

アオサ「ぶえっ!?」


 女神様は左手を私の後頭部に当てて、そのまま頭を引き寄せる。


 私の顔は女神様の胸へダイブ。そして女神の右手によるナデナデが始まる。


  ナデナデ


アオサ「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁ♪」


 はうぅ、なにこれ気持ちいいぃ〜♪


  ナデナデ


アオサ「あっあっあぁっ♪」


 だめっ、脳の中まで撫でられてるよぉ♪


  ナデナデ


アオサ「ふにゃぁぁぁ♪」


 えへへ〜女神さまだ〜いすき♪


─────────────


>アオサは魅了されてしまった!!


─────────────


女神「それっ」

アオサ「ふぐぅ」


  べたっ ぐりぐり


 ああん♪ 女神さまのおみ足ぃ♪ 踏まれてるぅ♪ ペロペロしたいぃ♪


女神「お手!」

アオサ「ワン!」


女神「お座り!」

アオサ「ワン!」


女神「くるくる回って〜」

アオサ「ワン!」きゅいぃぃぃぃぃん


女神「ペロペロ!」すっ

アオサ「わふっ」ペロペロ


 女神さまのおみ足ペロペロォォォ!!!


  んちゃっ れろれろ じゅるり


 なんて甘美な!!! ああ、幸せぇ〜♪


女神「待て!」

アオサ「……」ぴたっ


女神「よくできました」ナデナデ

アオサ「わふぅぅぅん♪」


 えへへ〜 私もうペットでいいや〜♪


女神「ア〜オ〜サちゃ〜ん、お願いがあるの」

アオサ「わふっ?」


 女神さまの綺麗な手がほっぺに触れてる!


 顔が近い!?


 ドキドキするよぉ♪


女神「あのねあのね、ユイキリって人を消して欲しいの」

アオサ「えっ!?」


 頭の中が真っ白になる。


女神「どう? もしできたら、私のお嫁さんにしてあげてもいいのよ?」

アオサ「!?」ドキッ


 心臓が跳ね上がる。


 だめっ、女神さまの囁きが心臓まで侵食して来ちゃうよぉ♪


女神「貴女と愛し合う為には避けては通れないの。辛いけど頑張ってね」

アオサ「……はいぃ♪ えっと、女神さまのためなら、私、頑張り──」


女神「はいそこまで〜!」


  パァン!(ビンタ)




─────────────


>アオサは正気に戻った!!!!!


─────────────



…?


……!


………!?


……………?!?


……………………!!!!!


うわぁぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?!?



▼▼



 [アオサ視点]


女神「お疲れ様でした〜」


 ……しにたい


 何という醜態。ママに見られたらブチ切れられちゃうよ。


女神「チョコレートです。どうぞ」

アオサ「……いただきます」


 何故か2人でブルーシートに座ってます。


  ばくばくばく


 ヤケ食いだよ。くそが。


  ばくばくばく


 口の中でとろけてぶわっと香りが広がるよ。


  ばくばくばく


 あっ、無くなっちゃった。


女神「お替わりもありますよ。麦茶もどうぞ」

アオサ「いただきます」


  ごくごくごく

   ばくばくばく


アオサ「ぷはー」

女神「では検査結果の発表です」


 うぐっ。


女神「貴女は私が軽く突いただけで絶命し、ナデナデだけで完全に魅了され、声や視線だけで自我がオーバーキルされます」


 ううっ……


女神「結論:貴女の耐久力は基準の0%です。」


 うわぁ、なんて滅茶苦茶な女神なんだ。


女神「私、繊細な注意を払っているのですよ? 宇宙壊さないように頑張ってるんですよ! ストレスかかってるんです!」

アオサ「もしかして、女神さまは──」


女神「そう、私の望みはサンドバッグ! 貴女は【女神のサンドバッグ】になるのです!」


 うわぁ……遠慮なく言いやがったよ。


女神「では、本題に入ります」


 話逸らしやがった。


 本題? 何だっけ?


女神「貴女は今、【ゼロの結界】に囚われています」


 あーアレか。


女神「解決策は3つあります。1つは無限捨てる事。あの【ゼロの結界】は無限にしか効果がないようです」


 あー、うん?


女神「2つ目は力づくで結界を破る事。これはある意味本末転倒ですね」


 そうだね。


女神「最後は、自身から 0 を消す事です」


 うん?


女神「 0 が無い世界では 0 をかけるなんて事は不可能なのですよ」

アオサ「どゆこと?」


女神「『0 をかける』という行為自体が存在しないのです」

アオサ「ほうほう?」


 それで、その肝心の方法は?


女神「貴女自身が 0 がない世界になる。そのために心臓に穴を開けるんですよ」

アオサ「うげっ」


女神「そう、心臓の真ん中、そこです、そこ。ぽっかりと空白を作るんですよ」ずぷっ


 女神様は私の心臓に直接指を突っ込み、心臓の真ん中を指さす。


アオサ「女神さま、それ、痛いよね?」

女神「痛いですよ〜。心臓が無限超のパワーで永遠に引きちぎられ続ける程度の痛みです」


アオサ「うっ……」


女神「大丈夫、そのうち慣れますから」

アオサ「うーむ」


女神「ほら、あそこでユイキリさんも頑張ってますよ」

アオサ「えっ、どこどこ?」


  ブォン


ユイキリ「やっほーアオサちゃ〜ん♪」

アオサ「ママー」


 ママだー。画面越しだけどママだー。


ユイキリ「実は女神様と交信して先に心臓に穴開けたの。アオサも頑張りなさい」

アオサ「はーい」


 これはやるしかないね


女神「では、いきますよ」

アオサ「よーし」


女神「えいっ」ぶすっ

アオサ「痛ぁっ!?」


 こうしてアオサは痛みに耐えながらゴロゴロ転げ回ったのだった。

なんじゃこの展開はぁ!?


-------------

殴りの女神 Lvとある巨大な宇宙(水)


HP   :とある巨大な宇宙(変動)

こうげき:とある巨大な宇宙(変動)

ぼうぎょ:とある巨大な宇宙(変動)

まりょく:とある巨大な宇宙(変動)

せいしん:とある巨大な宇宙(変動)

すばやさ:とある巨大な宇宙(変動)


主な能力(ワザ)

・殴る

・想像力で殴る

・ナデナデ

・巨大化

-------------


巨大な宇宙とは、ω(オメガ)の概念の遥か彼方の巨大な数字です。大きすぎて数学的にまともに表現不可能な数字なのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 女神さまの非道っぷりと容赦なさ、数学スキー歓喜の0理論キタ━(゜∀゜)━!につきまして、ついに感想書いてしまいました。 控えめに言って…続きはよはよ! [一言] 文学に数学絡ませると、…
[良い点] > アオサと女神が出会ってしまった! すごく魅力的なタイトルなのじゃ。 問題は、こうして感想を書いておる妾自身が、眠たくて仕方がないことなのじゃ……zzz。 > 肉体はくちゃくちゃのま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ