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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
4面:リグラシティ 〜序曲で染める新世界〜
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闇夜の勇者と呪氷の斜塔

リアルで花粉症です。くしゃみ連打+風邪ひいたみたいに頭ボケー。


一周回って執筆が進む謎。



 黒髪で鋭い目つきの若者は草原を歩く。


 呪氷の斜塔をめざして歩く。


 だが彼は他の3人とは異なる考えのようだ。


 その目には闘志だけではない。何かを探し求める探求者の目をしている。


ダーク「おっ? 意外と綺麗な塔だな」


 のどかな草原に薄水色の六角柱タワーがそびえ立つ。


 『斜塔』の名の通りちょっとだけ傾いている。


 ダークは期待と決意の眼差しを塔の入り口へ向け、ゆっくり歩いていく。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 空と海の境界のような色だ。


 天井のない吹き抜けの塔は、螺旋階段と廊下が張り巡らされている。


ダーク「さぁて俺は生きて帰れるのかな?」


 ニヒルな笑みを浮かべて真上に浮かび上がる。


 その時!


  シャキン


  ビュン ビュン ビュン!


 氷柱(つらら)の毒針がダーク目掛けて飛来する!


 前後左右に上と下。全方位から針刺され、ハリネズミ状態に……


  ずぶずぶずぶ!


ダーク「フッ、悪いな。エネルギーに変換させてもらったぜ」


  ビュンビュンビュン


   ずぶぶぶぶ


  ズババババ


   ずぶぶぶぶ


 激しい弾幕も避ける事なく吸い込んでいく。


  ブゥゥン……


 水色の蜂たちは困ったように道を開けるのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ダーク視点]


  ひょぉぉぉぉ……


 風が肌寒い。


 頂上は広いスペースだな。


 やっぱり少し傾いてるのか。


 ほう、ベンチに白い人がいる。


 不自然なまでに白い肌──アルビノって奴か、白い髪、そして黒目。


 読書に夢中……こっちチラチラ見てるじゃん。


ダーク「おい女、チラチラ見て──」

白い人「あらあら〜、読書に夢中で──」パタン


ダーク「いやそういうのいいから」

白い人「フフン、私はヒョウム。氷使いですよ」


 チッ、調子狂うな。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ヒョウム視点]


 フフン、お子ちゃまがワタクシに勝とうなど、100万光年早いのですよ。


 ……ふふぅん? 【闇の衣】を常時展開しているのですね。


 物理、魔法ともにあらゆる攻撃を吸収する厄介な技ですけど〜


ヒョウム「【魔力凍結】です」パチン


ダーク「んなっ!?」


 魔法のエネルギー源となる粒子【魔素】を絶対零度まで減速させて、不思議現象をストップさせたのです。


ヒョウム「はいはい【超・時間停止】」パチン


 耐性無視で時を止めまぁす。


  ツカ ツカ ツカ


   ドムッ!


 腹パン一発入れまぁす。


 時間停止を解除しまぁす。


ダーク「ウボァー!?」


  ひゅーん


   ドゴォォォォン……


ダーク「げほっ、げほっ。なんじゃこりゃ!?」


 氷で頭打って出血してますね。


ヒョウム「貴方、もう詰んでますよ。降参なさい」


 おやおや? 両手をにぎにぎして、右手をバッと突き出して……何も起こらない。


 あっ、涙目になりました。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 白い丸テーブルに2つのコーヒーカップ。


 ハチミツ入りのヒマワリコーヒーから細い湯気が昇る。


ヒョウム「ふむふむ、妹さんの病気を治したいのですね」

ダーク「そうだ。妹のスクラの病気を治せるなら悪魔にだって魂を売ってやる覚悟だ」


ヒョウム「ふぅむ、そうですね」


 すーっとコーヒーを飲む。


ヒョウム「貴方、蜂に魂を売ってみません?」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ダーク視点]


 白い女に案内されたのは、謎の実験施設。


 無機質な白い壁、自動ドアや謎のタンク。


 まさに悪の施設と言った所だ。


ダーク「これは?」


ヒョウム「これは蜂製造マシン。ニンゲンを素材にして蜂を作るのです」


 そこにあったのは黄緑色のカプセルと、その中の触角の生えた少女たちだった。


 地下には黄緑色のドロドロが溜まっていて、それをポンプか何かで吸い上げる。


 地上には、カプセルに心臓が浮かんでいて、その心臓に赤いドロドロをぶっかける。


 すると、黄緑色のドロドロがウネウネと形を変えて、蜂の少女になっていく。


ダーク「うっ……」


 目の前の白い人が急にバケモノに見えてきた。


 やはり蜂と人類は相容れないのか。


ヒョウム「あー、これは気持ち悪いけど、蜂同士はちゃんと妊娠出産するのですよ」


 そうなのか? ちょっと安心した。


ヒョウム「妹さんを救いたいとの事ですが、この心臓を移植すれば助かるでしょう」

ダーク「心臓…移植?」


ヒョウム「病気だけではありません。洗脳や時間停止、存在抹消や次元幽閉その他思いつく限りの悪い効果を取り除いてくれます」


 なんだって、まさかコイツら全員そんなインチキ心臓を!?


 ハハッ、そりゃぁ勝てるわけがないよ。


ダーク「それで、代償として何を支払えばいい?」

ヒョウム「あなたが蜂の素材になる事です」


 やっぱりな。この蜂製造マシンを見た時に思ったよ。


ヒョウム「方法は2つ。マシンに入ってドロドロになるか、直接心臓移植をするかです」


 心臓移植!? 俺が、心臓移植を受けるのか?


ヒョウム「もし精神力が十分に高ければ、心臓は貴方のもの。貴方も妹さんもニンゲンのまま助かります」

ダーク「へえ、失敗したら?」


ヒョウム「別人格の蜂が誕生します。貴方の記憶を見て妹さんを襲いに行くかもしれませんねぇ」ニヤリ


  ゾワリ


 久しぶりに背筋が凍った。


ヒョウム「ドロドロになれば妹さんは平和的に蜂になる事ができるでしょう」


 俺の不用意な選択が(スクラ)を危険に晒すのか。


 いや、だとしても……


ヒョウム「さあ、どうします!」


ダーク「……心臓移植だ」


 例えどんな苦しみが待っていようと、これが卑劣な罠だとしても、おれはこの希望を掴みに行く!


ヒョウム「分かりましたぁ〜。では、行きます」


  ずりゅっ

     ぶちっ


ダーク「!?」


 自分の心臓を引きちぎった!? まさか!


ヒョウム「じっとしててくださいね〜」


  カツン カツン カツン


 まさかこの場で!?!?


ヒョウム「心臓入りま〜す♪」


  ずぶずぶずぶ


 ウッ、いいだろう。受けて立──


   ぷちっ



▼▼▼▼▼▼▼▼



 うーん、ここは?


ヒョウム「おはようございます、タルトちゃん。そしてお誕生日おめでとう!」


 うーん、記憶が……うわキモッ、シスコン野郎かよ。オエー。


 あっ、でも(スクラ)はめっちゃ可愛いぃ♪


タルト「ヒョウム様ヒョウム様、あのシスコン野郎の妹襲ってもいいですか?」

ヒョウム「ええ、もちろんよ。でも結界で出られないから、まずは奴らを倒さないとね」


 いやっほう。行くぜ行くぜぇー!


  ひゅーん


 こうしてタルトちゃんはノリノリで敵に突っ込んでいったのだった。

呪、勇者全滅!


妹ちゃんのその後はおまけパートで。


-------------


ダーク→タルト Lv999(闇)


HP   :625万

こうげき:232万

ぼうぎょ:172万

まりょく:319万

せいしん:400万

すばやさ:192万


主な能力ワザ

・闇の衣

・ブラックホール

・耐性侵食

・ハチミツ生成

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > 空と海の境界のような色だ。 これは、斜塔の色が、という認識で良いのかの? > ダーク「さぁて俺は生きて帰れるのかな?」 早速、フラグを立て始めたのじゃ。 > 不自然なまでに…
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