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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
4面:リグラシティ 〜序曲で染める新世界〜
60/108

蜂駆除スタート!

 登場人物が多いから、ちょっとだけ長くなるかも?


 [リグラシティ]


 蜂ミサイルが射出されて4時間後


 兵器が並ぶ都市の空、夜空に星は映らない。


 勇者局──高くそびえるタワーの元に、40万人の勇者が集まった。


 青いスーツに赤マントの老若男女は、皆真剣な表情だ。


ダグヌ「よくぞ集まった勇者達よ。今、再び世界の平和が脅かされている!」


  ワーワー  ウオォー


 会場を熱狂と絶叫が包む。


 当然だ。平和な世界の勇者の任務は、警察官のような汚れ仕事。


 ロマン溢れる仕事場なんてめったにない!


ダグヌ「相手は『蜂』。可憐な少女に化けてはいるが、その実態は極悪非道!」


 この一大イベントに意気込む者もいれば、自分の命や家族の心配をする者もいる。


ダグヌ「ズィ島なる島へ乗り込み、全ての蜂を殲滅せよ! 1匹たりとも生かすな!」


  うおぉぉぉぉぉお!!!!!


 勇者の熱狂は最高潮に達する!


 すると空から重厚なプロペラ音がする。


  ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ


ダグヌ「諸君らには飛空挺に乗って、4方向から侵攻してもらう。事は一刻を争う。迅速に、そして確実に仕留めろ!」


 白を基調としたカラフルな飛空挺。その入り口から階段が伸びる。


ダグヌ「総員配置に付け! 出発だ!」


 勇者達が全員乗り込むと、入り口が閉じて飛空挺がゆっくりと上昇を始める。


 そして4隻の飛空挺はふっと消えてしまった。


 ワープしたのだ。


 リグラシティは先程の熱狂が嘘のように鎮まり返ったのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ポター視点]


 アフンさんとズィ島の調査に来て2日目の夜です。


 今、私は、草原で剣の練習をしています。


  りりりりり

   りりりりり


 鈴虫が鳴いています。涼しい夜風の中、素振りを続けます。


アフン「そうそう、剣だけ振るんじゃなくて全身を使うんだ」

ポター「はいっ」


 あ、アフンさん当たってますぅ。近いですぅ。密着しすぎですぅ!


 分かりやすいです。めっちゃわかりやすいです。けどぉ、めっちゃいい匂いしますぅ。


 頭が痺れてきますぅ。


アフン「少しずつ速く、速く、速く……そう、音よりも速く」

ポター「はいぃ」


  ブゥンブゥンブゥンブゥン

   ブゥンブゥンブゥンブゥン


 アフンさんの囁きが脳に染み込んで来ます。速く、もっと速く


 筋肉がちぎれそうです。でも不思議と辛くはないです。


アフン「回復魔法を使い続けろ。魔法で筋肉を繋ぎ止めるんだ」

ポター「はいぃ」


 筋肉、筋肉ですね。魔法で筋肉なのですね?


 これが私、私のアイデンティティ。


 勇者になれた理由がようやく分かりました!


 アフンさんありがとう。そしてごめんなさい。


 女のほうが素敵です。


アフン「……新人、何か聞こえないか?」

ポター「えっ?」


 ……何も聞こえませんけど?


アフン「これは火事? いや、襲撃だ。新人、ここで待ってろ!」

ポター「ええ〜!?」


  ひゅーん


 ……行っちゃいました。どうしましょう。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ズィ島西部、クラムシティ]


  ドカァァァァァン


  バァァァァァァン


  メラメラ  メラメラ

   メラメラ  メラメラ


  メラメラ  メラメラ

   メラメラ  メラメラ




 白灰色の煙幕と不可視の殺虫剤が、飛空挺から住宅街を覆う。


住民「きゃぁぁぁぁ」


蜂娘「……ぁ、ぅ、ぁ」


 翅と触角が生えた少女たちが倒れ伏し、普通のニンゲン達は逃げ惑う。


 飛空挺から小型な飛行マシンに乗って、勇者達が降りて来る。


 レインコートのような防護服に身を包み、花粉対策はバッチリだ。


勇者「いたぞー逃すな、追えー!」

勇者「おぉぉぉぉぉ!」


  シュゥゥゥゥ


   バンバンッ


住民「オラたちが何をし ぐふっ……」

住民「やっやめてくれ〜 ぐふっ……」


 勇者は右手に銃、左手にスプレーを持って、確実に住民を追い詰める。


猟師「くそッ、これでも食らえ!」バンバン

冒険家「ここは俺たちが!」シュパン


勇者「無駄だ」バンバン


猟師「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」

冒険家「ぐふっ」


 地元の戦士もなす術なく倒れていく。



  ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ

  ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ

  ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ

  ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ



 更に追加で飛空挺が1000機もやって来た。


 こちらは弱めの戦闘員が計1000万人。


 島を取り囲んで一人たりとも逃がさない!



▼▼▼▼▼▼▼▼



マリリン「ここならしばらく大丈夫よ」

ネスト「はあ、はあ……」

ハリネ「あなた……」ぎゅっ


 マリリン一家は山奥にある滝壺の洞窟に身を潜める。


 ここを知る者は少ない。昨日今日来た勇者に見つけられるはずは……


勇者「生体センサーに反応あり」

勇者「こっちだ! 3人いるぞ!」


マリリン「あうぁ、見つかったよぉ」

ネスト「パパぁ」


マリリン「こうなったら戦うよ!」

ネスト「うん」

ハリネ「死ぬ時は一緒ですよ」


勇者「こんな所に洞窟が」

勇者「逃すなよ」


マリリン「えいっ」


勇者「うわっ」べちゃっ

勇者「何だ?」べちゃっ


マリリン「ファイヤー!」


  ボォォォォォ!!


 油をかけられ火ダルマになる勇者達。


  バンバン

   キンキン


  バンバン

   キンキン


 マリリンちゃんは頑張った。


 しかし相手は巨大なドラゴンに匹敵する。そんなトロ火じゃ火傷ひとつ付くわけがない。


マリリン「ヒッ!?」

ネスト「蜂さん助けて」



  バンバン

   キンキン


  ブーン

   ぽとん



 勇者達はゆらゆらと歩いて来る。


 弾丸なんて通らない。助っ人蜂も殺虫剤で落とされる。


 白い防護服から火が立ち昇る。まるで死神だ。


  すぅぅっ


 樹木は小枝のように折られ、岩は豆腐のように崩れる。


  スッ


 そして勇者の銃口がマリリンちゃんの脳へ向く。


マリリン「あっあっ」ガタガタ

ネスト「いやっ、助けて」


???「そこまでだ!」


  ビシャァァァン!!


 紫電と共にヒーローが舞い降りる!


勇者「あ、あれうぼぁぁぁぁぁ」

勇者「まさかぐわぁぁぁぁぁぁ」


???「罪のない人々を手にかけるなんて、貴様らは断じて勇者ではない!」


 高電圧によって勇者達は痙攣(けいれん)を起こし、手足の先の血管が紫色に凍結する。


マリリン「あの、貴女は?」

アフン「俺か? 俺はアフン、【氷雷の勇者】だ!」

 次回はいよいよ戦闘シーンの予定!


-------------


アフンLv999(氷+雷)


HP   :665万

こうげき:311万

ぼうぎょ:232万

まりょく:331万

せいしん:232万

すばやさ:291万


主な能力ワザ

・紫の雷

・冷凍ビーム

・氷雷の剣撃

・ハチミツ精製

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― 新着の感想 ―
[良い点] GL成分が減ってかなり読みやすいのじゃ。 まぁ、人によっては良くも悪くも、というやつかもしれぬがの。 [気になる点] > 40万人の勇者が集まった。 贄。 > 白を基調としたカラフルな…
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