4人の勇者と結界の素
最近モチベ低下気味。興味が分散して執筆に集中できないです。でも頑張った。
デゲネラ大陸中央部、険しい山脈に囲まれた広大な平野。そこには箱のような建物がいくつも並んでいる。
パラボラアンテナや戦闘機、ヘリコプターなんかも見える。
ここはリグラシティ。ニンゲン社会最大の戦力が集まる所。
ヒューン
ヒューン
ヒューン
ヒューン
4つの光が夜空を斬る、中央のタワー目指して飛んで行く。
中央の1000メートルもある高いタワーだ。
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[リグラシティ 中央タワー]
ひゅーん
スタタタッ
???「お久しぶりですダグヌさん」
???「オーッス」
???「……フッ」
???「……」
ダグヌ「来たか、勇者達よ。」
白い円卓を囲む4人の戦士とイカついおじさん。
円卓には人数分のオレンジジュースが配置されていて、赤くて細いストローが揺れている。
ダグヌ「パンデミックの危機だ。これより緊急会議を始める」
ダグヌ「まず緊急報告だ、先程アフンがやられた」
ざわざわ
ザッシュ「ええっ、あのアフン君が?! それってマズいじゃないですか。」
黒髪で童顔の彼は【光剣の勇者】ザッシュ。光に近い速さで剣を振るうとのウワサだ。
ヒート「奴がやられるとなると、それだけ強敵って事か。腕が鳴るぜぇ!」
赤髪の目つきが鋭い男は【爆破の勇者】ヒート。高温すぎてあらゆる物質を破壊きるという。
ダグヌ「アフンは戦闘でやられたのではない。謎のウイルスか何かに感染した疑いがある」
ダーク「……ほう? 闇の気配がするな」
ちょっとカッコつけた男は【闇夜の勇者】ダーク。どんな攻撃でも吸い込んでしまうぞ!
クウジン「だからパンデミックでござるか」
紫装束に身を包んだ男は【風魔の勇者】クウジン。どう見てもニンジャだ。
ダグヌ「付き人ポターの証言では【氷雷の勇者】アフンは、現地の住民と接触した後、突然蜂になったとの事だ」
クウジン「ん? という事はまだ生きているのでござる?」
ダグヌ「まだ話の途中だ。相方のポター曰く、アフンは女性になって翅と触角が生えたそうだ。」
ダーク「待て、意味が分からんぞ!」
ダグヌ「細かいデータは後で確認してくれ。重要な事は奴の端末からの生体データが別人のモノになっていたという点だ」
ザッシュ「それって……」
クウジン「アフンの記憶を持ったバケモノが出来たのでござるな」
ダーク「チッ、厄介な」
ザッシュ「このままではパンデミック。一刻も早く対処しなければ」
ダグヌ「お前たち、アフンを斬る覚悟はあるか?」
ヒート「丁度いい、ヤツとは一度戦いたいと思っていたところだ」
ダーク「愚問だな。敵対するなら潰すまでだ」
クウジン「拙者は任務を忠実にこなすだけでござる」
ザッシュ「正直思うところはあります。でも記憶を持った別人というのは許せません! 生命の冒涜です! ニセモノは斬ります! アフン君のために」
ダグヌ「よく言った諸君。ではこれを」
そう言ってケースから取り出したのは、一見なんの変哲もない4本の棒だ。
ザッシュ「これは例の?」
ダグヌ「そうだ、結界の素だ。これを島の東西南北に設置しろ」
ヒート「もしかしてコレ使うと弱体化する奴? 楽しみ半減だわぁ」
ザッシュ「ヒート!」
ダグヌ「相手は相当な強敵だと予想される。くれぐれも油断しないこと。では健闘を祈る」
一同「「「「ハッ!」」」」
ヒュン
ヒュン
ヒュン
ヒュン
ダグヌ「念のためここにも結界を張っておくか」
これは【ゼロの結界】。無限の上にあぐらをかく者を地に落とす無慈悲な結界だ。
原理を知らないまま、ニンゲン達はこの結界を使い天下を取ったのだ。
ダグヌのこの判断が彼の運命の分かれ道なのは知る由もない。
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昼食後、アオサ等は暇を持て余していた。
アオサ「ふぅ、これからどうする?」
シェード「そうね、あたしは靴とバッグを見るの!」
シオサ「私はゲーセン荒らして来ます」
アオサ「私は全国の蜂をナデナデしたいかな?」
シオサ「別行動ですね?」
シェード「むぅ、仕方ないのね。早めに戻るのよ!」
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愛する二人と別れた後、アオサは一人で世界を巡る。
熱帯の小高い丘の森の奥、小さな蜂をナデナデ
白雪積もる霊峰の裂け目、青白い蜂をナデナデ
火山の跡地の蒼緑の円湖、真紅の蜂をナデナデ
黄緑色の苔が光る鍾乳洞、青紫の蜂をナデナデ
世界はこんなにも蜂で溢れている!
脚をカサカサさせながら腰を振る蜂を、愛おしそうにナデナデし続けるアオサ達。
アオサは10000人ほどに分裂して、世界同時にナデナデしている。
アオサの視界は広い。
全宇宙を軽く見渡せてしまう。
しかし興味のないモノは見ないフリ。蜂を見てると気づかない。
うっかり……
ガシャァァァァン!!
ダグヌ「なんだ?! 何が起きた!!」
ウー ウー ウー
鳴り響くサイレン
ビー ビー ビー
鳴り響く警報
ワーワー ワーワー
交差する人の声
リグラシティは混乱に包まれた。
ダグヌ「これは!?」
ダグヌが見たのは……翅と触角が生えた少女の……見るも無残な姿だった。
アオサは頭から超強化ガラスに突っ込んで、バラバラになったのであった。
新要素【ゼロの結界】。無限のステータスを0〜1まで落とすヤバい奴です。
序盤から出せば戦闘が面白くなったかもしれない。
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アオサ Lv 0(水)
HP :1
こうげき:0
ぼうぎょ:1
まりょく:0
せいしん:1
すばやさ:1
主な能力
・なし
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