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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
3面:ラリルリ列島 〜大地の環は神の袖〜
55/108

新たな世界と新たな旅路

新章です。




     ひ

     ゅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

     ぅ

   ぼ   ん

     ちゃ





アオサ「ぶへぇ」

シェード「アオサ、何やってるの?」


シオサ「やっふー、ママの真似です」ぼちゃん

シェード「シオサァ!?!!!」



 ママに追い出されて旅に出たんだけど、あれ? なんで海に落ちたの?



  そよそよ

    ちゃぽちゃぽ



 海は静かだ。


 見上げると辺り一面青い空。雲が太陽を軽く隠して少し肌寒い。



  ざぶん



 空に浮く。


 白シャツと紺色のジーパンはべちょべちょだ。


 赤血球で『乾燥した状態』を付与しておこう。


シェード「アオサ、周りをよく見るのよ。」


 なんだって?


  ドクンッ!(心音センサー)


 わーお。自宅も村もないし、マリリンちゃんも何処にもいないぞ!



シオサ「ママ、ここはもうルルリエ産の新世界なのです。」


 ……そうだった。自宅があった場所は海に変わって、今まで旅した町もない。


 まさに新世界。


アオサ「えーっと、とりあえず、この辺に記憶にあるリーブタウンを……。あー、せっかくだからズィ島まるごと付与で。」



  ポンッ!



 赤血球パワーで、全長 10km 程度の横長の島ができたよ!


 よしよし。これで自宅復活。ついでにマリリンちゃんも復活だ。


 おや、マリリンちゃんが調査団を結成してウチに向かってる?


 よし、蜂化花粉で歓迎しよう!



▼▼▼▼▼▼▼▼



アオサ「さて、どこに行こう。」


 世界が変わったというだけで何だか不安だよ。


 心音センサーを使えば、地形や人々の様子や軍事機密その他色々分かるけど、やはりニンゲン社会で上手くやれる自信がない。


シオサ「そうですね。適当な町に行って不幸な少女を見繕い、蜂娘にしてナデナデすれば過ごしやすくなるのでは?」


アオサ「それだ!」


シェード「アオサアオサ、それはニンゲン滅亡の序曲なの!」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [チプスシティ]


 ちょっと大きめな大陸の内陸部。


 アスファルトの道と街路樹、山を切り拓いたニュータウン、スーパーやコンビニにレストランもたくさんある。


アオサ「シオサシオサ、すごいよ!」

シオサ「ママ、落ち着いてください。目立ってますよ」


アオサ「あっ、蜂の巣発見!……チッ、スズメバチか」


 スズメバチはミツバチに変化させとこう。


 周囲のニンゲンがチラチラ見てるけど、興味ないね。


シェード「アオサ、あそこに行くのよ!」べしべし


 10キロ先に大型の百貨店がある!


 行ってみよう!


  ビュン!


 当然 0 秒で到着!



▼▼▼▼▼▼▼▼


 [百貨店 シスコ]



 広大な敷地にアスファルトの駐車場。


 その中央の鮮やか赤ピンクのブロック状の建物から人が出入りしている。


 ぱっと見2〜3階建て程度の高さだけど、横に広い。何があるんだろう?


 入り口は東西南北の4ヶ所の自動ドアだ。


 ショーウインドウの奥には自転車やカフェの様子が見える。



  うぃーん



 自動ドアを潜ると中では宣伝ソングが流れている。


 頭に響く音量だが、不思議とBGMになっていく。


シェード「アオサ、服がたくさんあるの!」

シオサ「服屋が計13店舗ですか。靴屋にかばん屋にメガネ屋もありますね。ウチとは少し違う服装です」



  えっ?? うわっ!!


   ヒューン



 シェードとシオサに両手を引っ張られて服屋を全部巡らされた。


シェード「アオサアオサ、これ似合うかしら?」

アオサ「え?……???」


 服装とかよく分からないから。水色っぽい服だけど、たぶん似合うのかな?


シオサ「ママ、ママ、見てください」


 うーん? 白ベースで黄緑の線がある?


 たぶん似合うよ。たぶん。


アオサ「そんな事より何か食べようよ」


シェード「アオサァァァ!!!」げしげし

シオサ「ママ、こういう時はちゃんと演技するものです」


 はい。すみませんでした。


 ……あれ? シオサ、そのお金どこから持ってきたの?


 過去改ざんですか。ちゃんと造幣局が作ったお金って事になってるのね。



▼▼▼▼▼▼▼▼



  ぴんぽんぱんぽ〜ん♪


 『本日は、シスコにご来店いただき、まことにありがとうございました……』



 アナウンスが何か言ってる。


 とりあえず何か食べよう。


 パスタ屋さん、ステーキ屋さん、丼屋さん、ファミレス、その他いろいろあるんだね。


 最近ステーキ食べてないな。ステーキ屋さんに行こう。


 太陽が若干傾く11時。お客さんがぽつぽついる。


 ちょっと広めの 6人用の四角いテーブルに座る。


 右手をシオサがつかみ、左手をシェードがつかむ。


 肩を寄せ合いぎゅうぎゅうだ。


シェード「えへへー」

シオサ「ンフフ〜」


 両手が塞がっていると思いきや、シオサが私の脳波を読み取り、代わりに右手を動かしてくれる。


 シオサの小さくてプニプニした右手がプラスチックのメニュー表を器用に開く。


 ステーキの写真が並んでいる。写真の下に名称と価格が載っている。


シェード「あたしはダブルステーキの洋食セットといちごパフェなの」

シオサ「私はサイコロステーキ丼と抹茶ぜんざいです」


 もう決めたのか。えぇーと……


 ……


 ……


アオサ「和風ステーキ定食で。あとチョコバナナパフェ」


 テーブル端の丸いボタンを押す。


  ホケキョ♪


  ……


  とことことこ


店員「ご注文はお決まりですか?」


 店員さんにさっきのメニューを告げる。


 ……


 目を閉じてみよう。


 肩にシェードがもたれかかる。


 首にシオサの生暖かい息を感じる。


 ……


 お姉さんがパソコン開いてデスクワークをしている。


  おぎゃー おぎゃー


 子供の泣き声だ。


 平和だね。平和すぎて何か違和感が……


 何だっけ? 何かこう……


 そうだ。魔獣の気配がしない!


シオサ「気付きましたね。どうやらこの世界では魔獣は悪として駆除されるようです」


シェード「たぶん魔獣だけじゃないの。魔法とかの不思議パワー全般が存在を認められない世界なのよ。たぶん」


アオサ「ふーん? 面倒な社会になったものだね」


 そうこうしているうちに料理が来た。


  ジュワァァァ


 おおぅ、熱い鉄板と溢れる肉汁。


 見てるだけでヨダレが出そう。


 ステーキの横にはニンジン、里いも、しいたけ、さやえんどう。そして、ご飯と味噌汁。


 いただきます!


 あむっ


  じゅわっ!


 ふむぅ〜 しあわせ〜


  ガツガツ ガツガツ


 ご飯がすすむ!


  ずずずー


 味噌汁も出汁がきいてておいしい。


シオサ「ママー、あーん」

アオサ「あーん♪」


 サイコロステーキ丼が口に入る。


  もきゅもきゅ


 甘辛い独特のタレだ。


シェード「ほら、口開けるの!」ずぼっ

アオサ「あがっ」


  もしゃもしゃ


 ステーキを口にねじ込まれたから頑張って噛む。


 こっちは香辛料が効いてて辛めだね。


 ……


 食べ終わったらデザートが来る。


 控えめなバニラアイスにチョコとバナナのハーモニー。


 幸せなひととき。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 一方その頃


???「今朝8時28分、デゲネラ大陸南部に突如謎の島の出現を確認しました。」


???「何? まずは詳しい情報を集め、それから調査隊を派遣するのだ! 謎は一つ残らず潰せ、いいな!」


???「ハッ!」


 はてさてこれからどうなる事やら。

本当はもうラスボス出てきて戦って終わり〜な予定だったんです。どうしてこうなった!?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 飯テロの技術が段々と高度になっていくのじゃ。 というか、飯テロの部分だけ、妙に力を入れすぎではなかろうか? [気になる点] > ぼ  ん >  ちゃ 一瞬、"ぼんちゃ"かと思ったのじゃ。…
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