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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
3面:ラリルリ列島 〜大地の環は神の袖〜
54/108

おまけ:マリリンちゃんと蜂の都市

まーたノリで書いてしまった。


 リーブタウン、アオサ宅周辺は完全に別モノと化していた。


 宇宙開闢から現在まで、人類よりも遥かに長い時を重ねて、独自の文化を形成していたのだ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



マリリン「ほえー」

ネスト「ほえー」


 2人の少女は山頂から見える場違いな光景にお口あんぐり。


 みなさん覚えているだろうか?


 アオサ第一の被害者マリリンちゃんと、娘のネストである。


 アオサ旅立ちの日、シェードちゃんの戦闘の余波の眩しい光が住民の不安を煽ったのだ。


 そこで近所の猟師や冒険家たちを10人集めて調査団が結成されたわけだ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



猟師「俺達は夢でも見ているのか?」

冒険家「……とりあえず、本部に報告しないとな。」


 ガリア山山頂から見える異様な景色。謎のお城に氷のタワー。中央にそびえる巨大なひまわり。


 スマホを取り出して撮影し、冒険センターに連絡を取る冒険家のおじさん。


  プルルル プルルル


冒険家「おかしいな、繋がらない。」

猟師「……俺も圏外だ。」

猟師「なあここ危ないんじゃないか?」


マリリン「さすがアオサさんだね。」くるくる

ネスト「パパ、くすぐったいよぉ〜」くねくね


 不安に駆られるおじさん達と、のんきに戯れる親子。


  ブゥン!


猟師「なっ?! どこだここ!!」

冒険家「!? まさかテレポートか!?」


 急にお花畑に飛ばされて、慌てふためくおじさん達。


 そして周囲を見て剣や銃を構える。


  ぶーん

   ぶーん

     ぶーん

        ぶーん

             ぶーん

 ぶーん

 ぶーん

  ぶーん


 辺り一面のミツビーが、花粉を集めて飛び回っていたのだ。


 ミツビーは蜂型魔獣。単体では大した事ないが、集団になると対処が難しいのだ。


冒険家「………」

猟師「………」ごくり


 ところがミツビーはおじさん達には目もくれず、花から花へ飛び回って花粉を集めるのだ。


ネスト「どうしたのかなおじさん達。」

マリリン「普通の人は蜂が怖いんだよ!」


 警戒を続けるおじさん達。


 不意に鼻がピクピクする。


冒険家「はっ、はっ、ハクション!」ずびぃ

猟師「ハクション、ハクション、あ”ー」ずずっ


 ここは蜂のお花畑。花粉の量は、ニンゲンには辛すぎる。


ネスト「くちゅん」

マリリン「ずびぃ」


 すると不思議な事が起こった。


 なんと、おじさん達は一瞬で女の子になってしまったのだ!


女の子「あれ? くしゃみがおさまったー!」

女の子「ほんとだー。すごーい。」


 正確には女の子になったわけではない。


 おじさん達は存在を抹消されて、似たような記憶を持った女の子が生成されたのだ。


ネスト「パパー、触角が生えてるよ?」

マリリン「ネストも生えてるよ! 翅もあるよ!」


 ついでと言わんばかりに翅と触角がニョキっと生えてきた。


 ぶーん?

  ぶーん!

 ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!

 ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!

 ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!

 ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!


女の子「はわー蜂さんだー」

女の子「可愛いー♪」


 ポンッ

 ポンッ

  ポンッ

   ポンッ


蜂娘「わーい仲間だー」

蜂娘「なかーま!」

蜂娘「わはー♪」


 なんとミツビーたちと花たちがが少女の姿に変身して寄ってきたのだ。


女の子「はじめまして、わたしガットといいます。」

女の子「私はソルト。よろしくね。」


マリリン「私はマリリンだよ♪」

ネスト「ボクはネストです。」


 わーわー

  キャーキャー


女の子たちはそれぞれ違う方向に連れ去れてしまう。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 ヒュー


   ブゥゥゥゥゥゥン


 さらさらぁ


   ブゥゥゥゥゥゥン


ネスト「行っちゃったね。」

マリリン「うん、行っちゃったね。」


 そよ風が草をサラサラ撫でる中に蜂の羽音がぶんぶん響く。


ネスト「パパ、何しに来たんだっけ?」

マリリン「なんだっけ?」


ネスト「どうしよう?」

マリリン「とりあえず、ユイキリさんに挨拶するよ!」



 てくてく


  てくてく


   てくてく



 正午。太陽が真上からジリジリ照らす時間帯。湖のほとりの一軒家に2人の親子が並ぶ。



  ピンポーン♪



ユイキリ「はーい」ガチャ


 出てきたのはアオサのママ。髪ハチミツ色、瞳はコーヒー色。


マリリン「お久しぶりですユイキリさん。」

ユイキリ「あらあら、ほんとに女の子になったのね」ナデナデ


マリリン「はうぅ……」にこにこ


ネスト「えっと、娘のネストです。」

ユイキリ「よろしくね、ネストちゃん」ナデナデ


ネスト「ふみゅっ……」


ユイキリ「とりあえず上がってお茶でも飲んでいきなさい。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



ジヒナ「お茶できたよー」シュパッ


 長方形のテーブルに、ジヒナとユイキリ、マリリンとネストが向かい合う。


 ジヒナは帽子を脱いでいて、黒い短髪に白い船長服という格好だ。


ユイキリ「あらあら、さほど大変じゃなかったのね。」


マリリン「うん。ネストはメキメキ成長して、今では針で熊を倒すんだよ」

ネスト「えへへ」


ジヒナ「うんうん、元気でよろしい。」


ユイキリ「ところでマリリンちゃん、貴方に会いたがっている人がいるわよ。」


マリリン「え? 誰だろう。」


 心当たりはなく、可愛らしく首をかしげる。


ユイキリ「ふふっ、会えば分かるわ。ジヒナ、ちょっと出掛けて来るね」

ジヒナ「ああ。行ってらっしゃい。」


  すっ


 ユイキリは椅子の後ろからマリリンとネストに軽く触れて、気がついたら景色が変わっていた。


マリリン「ほえっ?? ここは?」

ネスト「!?!?」キョロキョロ


ユイキリ「ここはスカラ巣。ニンジャ屋敷よ。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [スカラの巣]


 ここはニンジャの住む所。


 星の見えない夜空にネオンライトの高層ビル。


 寿司屋の屋根をニンジャが駆ける。


  スチャッ


スカラ「ユイキリ様。ようこそおいでくださいました。」ぺこり


マリリン「ほえぇ……」


 黒髪のクノイチがおじぎをする。幼さが残る顔と高く透き通る声。おめめパチクリ。


ユイキリ「スカラちゃん、ほら、あの時のワイドバーン親子。」


スカラ「はっ、承知しましたッ!」


  シュン!

   シュン!


 次の瞬間、青髪糸目の女将とコスプレのようなクノイチ金髪幼女が現れる。


 当然のごとく触角と翅がある。


女将「お久しぶりです猟師さん。元ワイドバーンのスミレと言います。」

幼女「はじめまして、ヒナナです。」


マリリン「あう、えと、お、ひさしぶり、です?」

ネスト「パパ?」


 マリリンは申し訳なさそうにシュンとうつむく。


 正確には別人とはいえ、タマゴを撃ち割ろうとした記憶は残っているのだ。


スミレ「うふふ、元気出してください。マリリンちゃん。私は今とっても幸せなのですよ。」


マリリン「……」


スミレ「それに、この姿になってから愛が溢れてくるんです。」

ヒナナ「もう誰も気にしてないんだよマリリンちゃん」


マリリン「でも……」


スミレ「えいっ」ちゅっ

マリリン「むぐぅ!?!?」


 蜂娘は口で気持ちを伝えるのだ。


  ちゅぽっ


マリリン「ぁっ……」ぽっ

スミレ「うふふ、分かったかしら?」


マリリン「……うん!」

スミレ「良かった。お友達になりましょう!」


マリリン「うん、うん。」じわぁ


ヒナナ「ネストちゃん、私たちもお友達になりましょ?」

ネスト「うん!」


  ちゅっ


ユイキリ「あらあら、すっかり仲良しさんね。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



マリリン「これが寿司っていうの?」

スミレ「ええ。ここの名産品ですよ。」


 赤や青や黒の様々なお皿に、握り寿司が乗っている。


 マグロにイワシ、ナスやタマゴ、えんどう稲荷やハチミツ稲荷


  パクパク パクパク


   パクパク パクパク


 こうして愛と友情は広がっていく。


 マリリンちゃんは幸せな気持ちで家に帰って行ったのだった。


 なお、マリリンちゃんに付着していた花粉を吸った者は漏れなく蜂娘になってしまったのはご愛嬌。

アオサ宅周辺まとめ


・南東:ハッチの巣。のどかな家並み。

・真南:フレアの巣。ダンジョン街

・南西:ミチルの巣。未来都市

・北西:スカラの巣。ニンジャ屋敷

・真北:ザハトの巣。中世ヨーロッパ風の城下町

・北東:ヒョウムの巣。氷タワー


・ちょっと西:ソーネの花畑。すごいお花畑

・東:リーブ湖。ジヒナ丸が浮かんでいる。

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