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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
3面:ラリルリ列島 〜大地の環は神の袖〜
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おまけ:何もしないという選択肢

今回はパラレルワールドのお話です。


シオサ「みなさん、この世界は選択肢の数だけ無限に枝分かれしています。時間軸の全ての点、空間の全ての粒子の数だけ枝分かれするのです。」


 映画館のような黒い部屋の中央に、エメラルド髪の少女が怪しく笑う。


シオサ「ところで、キクラおばさんの未来も無限通りあるんです。ほら、見てください。」


  ほわぁぁぁん♪


シオサ「本編ではそこそこ幸せな産卵管エンドでした。今回はちょっとだけ違う未来を見てみましょう。まずは、『何もしないという選択肢』です。それではどうぞ。」



◯◯◯◯◯◯◯◯



キクラ「ひぃっ!?」


 さて、キクラをどうしてやろうか。


 ナデナデして人格崩壊させてもいいけど、そうだな……


 ……


 ……


 いや、止めておこう。私が手を出したらダメな気がする。


 うん、既に立派なお嫁さん候補もいるし、何もしなくても幸せになりそう。


アオサ「じゃあね、幸せに暮らすんだよ。」


>キクラとミミナの「位置座標」を回収、書き換えて付与


  ブゥン


 とりあえず、近くの適当な町まで飛ばしてみた。


 さよならキクラ。2人で幸せにね。




 [とある砂浜]


  ざざーん


 ううーん、ここは?


 うっ、頭が痛い。


ミミナ「キ”ク”ラ”さ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ん”!!よかったぁぁぁ、私たち、生きてますよ!」ぎゅっ


キクラ「ミミナ? はっ!!」


 そうか、私たちボスっぽい竜に歯が立たなかったんだ!


 それで……もしかして、姉に助けられた?


キクラ「そっか、アタシたち生きてるんだ。」

ミミナ「キクラさん。」


キクラ「ミミナ、しばらくこのまま。」

ミミナ「どうぞ。」


 ……しばらく何も考えたくない。


 そもそもアタシ、どうして冒険してたんだっけ?


 キクラに抱っこされてたら何だかどうでも良くなってきた。


 ……引退しようかな?


 うん。あんなバケモノ達の魔境はもうこりごり。


 どこかの山奥でスローライフしよう。


-------------


 こうしてキクラが向かったのは海が見える山奥の村。


 村の子供達に冒険の心得を教えながら、ミミナと一緒に暮らしましたとさ。


  めでたしめでたし。



▼▼▼▼▼▼▼▼



シオサ「どうでした? 画面の前の皆さんは普通のニンゲンでしょうから、これがハッピーエンドと感じた人は多いのではないでしょうか?」


  サッ!


シオサ「次は蜂エンドです。人によってはこっちのほうが好みかもしれませんね。」



◯◯◯◯◯◯◯◯



キクラ「ひぃっ!?」


 さて、キクラをどうしてやろうか。


 ナデナデして人格崩壊させてもいいけど、そうだな……


 ……


 ……


 うん、やっぱりナデナデして人格崩壊だね。


 お姉ちゃん恐怖症を治療しないと幸せになれないよね!


  ガシッ!


キクラ「いやっ、止めて!」

アオサ「問答無用! ナデナデぇぇぇ!!」


キクラ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 キクラの目から大粒の涙が溢れているが、気にせずナデナデする。



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



キクラ「お姉ちゃ〜ん♪」

アオサ「キクラぁ〜♪」


キクラ「お姉ちゃんありがとう。アタシ今とっても幸せだよ〜♪」

アオサ「うん、うん、良かったね。」


 荒治療だったけど、上手くいって良かったよ。


アオサ「じゃ、蜂化してみようか。」

キクラ「えっ?」



>キクラに『触角』を付与

>キクラに『複眼』を付与

>キクラに『産卵管』を付与

>キクラに『翅』を付与



 うんうん、私好みの姿に近づいたかな? 産卵管のついでに蜂出産できるようにしといたよ。



キクラ「お姉ちゃん?」

アオサ「キクラ、可愛いよ!」


キクラ「えへへ〜」



ミミナ「うぅ〜ん?」


 そこで目を覚ますミミナ。目に写るのは変わり果てた相棒の姿。


ミミナ「……えっ、キクラ……さん?」


キクラ「えへへ〜お姉ちゃんだ〜い好き♪」

アオサ「あっ、おはよう。」


ミミナ「貴女があのアオサですね。キクラさんを戻してくださいッ!」カッ


アオサ「えっ? やだよ。」

キクラ「なに言ってるの? アタシは正気だよ? ミミナもこっちに来なよ〜、たのしいよ〜♪」

ミミナ「キクラさん?! キクラさぁぁぁん!!」


  ミミナは怒りに打ち震え、拳に爪が食い込むほど強く握る。


ミミナ「お”の“れ”ぇぇぇぇぇ〜キクラさんを返せー!!!!!」


アオサ「蜂になっちゃえ」


  ぽふん


   ガシッ



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



ミミナ「アオサさまぁ〜♪」

アオサ「よしよし可愛い奴め。」ナデナデ


キクラ「良かったねミミナ。」

ミミナ「うふふ〜蜂ってこんなに素晴らしい種族だったんですね〜」


アオサ「よし。これで2人とも幸せに暮らせるね!」


キクラ&ミミナ「「はーい」」


 こうしてキクラとミミナは毎日毎日出産して、たくさんの娘に囲まれて幸せに暮らしましたとさ。


  めでたしめでたし。



▼▼▼▼▼▼▼▼



シオサ「如何でした? こういうハッピーエンドは受け入れられますか?」


シオサ「ニンゲンから見ると受け入れ難いかもしれません。しかし当人からすればこれも1つの幸せでなのです。」


アオサ「シオサ〜、ご飯だよー!」

シオサ「はーいママー、今行くよー」てとてと



 シオサが出て行った後の黒い部屋。そこには剥き出しの時間軸が残されている。そこには無数のキクラの人生が上映されていたのだった。

そろそろ序盤の雑描写を修正したいところ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >シオサ「みなさん、この世界は選択肢の数だけ無限に枝分かれしています。時間軸の全ての点、空間の全ての粒子の数だけ枝分かれするのです。」 ストレンジ☆アトラクタなのじゃ! まぁ、ストレンジ…
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