ブラフマウンテン
前回はやりすぎた。
アオサ「もしもしママー」
ユイキリ「あらあらアオサちゃん」
アオサ「私、ママになったよー」
ユイキリ「あらあら早かったわねー、おめでとう!」
アオサ「今そっちへ行くね。」
ビュン
アオサ「ただいまー」
シェード「ただいまなの。」
ユイキリ「おかえりなさい。」
太陽はすっかり沈んでしまった午後10時。玄関に立つのは2人の夫婦と可愛い娘。
アオサの青髪とシェードの黄色い髪の谷間にシオサの黄緑色の髪が揺れている。
シオサ「初めまして、アオサのママさん、シオサです。」
ユイキリ「あらあら、まさかこんなに早く孫を拝めるなんて」ナデナデ
バタバタバタバタ
ジヒナ「アオサ!? 娘ができたんだって!?!?」
蜂「「「「「「「「ブゥゥゥゥゥゥン!!」」」」」」」」
ルルリエ「ひえー!!」
旅に出て5日で結婚して娘ができたのだ。今日は徹夜でどんちゃん騒ぎ!
ローヤルゼリーをガブ飲みだ!
ごくごく ぷはー♪
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シオサ「あなたがソーネお姉ちゃんですね? よろしくです!」
ソーネ「うん、よろしくね!」
シェード「あんたも産んだのね。ヒョウム」
ヒョウム「一応私もシェードママの娘なんですよ?」
ユイキリ「あらあら、触覚と複眼ができたのね」ツツー
アオサ「あっ♪ くすぐったいよぉママー♪」
ザハト「蜜蜂流の極意は、剣速とレーザーだ!」
シオサ「はい師匠!」
フレア「私の火技も覚えていきなさい!」
シオサ「はい、フレアさん。」
スカラ「分身の術でござる!」
シオサ「ハッ!? そんな素敵な術が!!」
ミチル「………」
シオサ「機械うめぇです。」
ジヒナ「私の光速アンカーも習得していきな!」
シオサ「はいです、アオサのパパさん」
ジヒナ「はうっ!?」
ハッチ「あらあらみんな大変ね」
ルルリエ「なんですかこの人外魔境はー!?」
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そんなこんなで夜が明けた。
旅に出てから6日目、透き通った空に軽く巻雲がかかっている。
そろそろブラフマウンテンとやらに行って創造神に会おう。
とりあえずシオサがいれば大抵の奴には勝てるでしょ。
アオサ「ママー、行ってきまーす!」
ユイキリ「はーい、いってらっしゃーい♪」
シェード「行ってくるの!」
シオサ「行ってきます!」
ルルリエ「えっと、お世話になりました。」
シュッ……
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[ブラフマウンテン 〜神が降り立つ灰槍山〜]
ここはブラフマウンテン。ラリルリ列島の中央の海から生えた細長い山だ。
細長いと言っても、直径800m もある。標高は約20000m だ。
塔のような高い山の周囲には、槍のような細い岩が海から突き出ている。細いと言っても直径30m 前後。100人は余裕で乗れる程度の太さだ
。
シオサ「わー、すごーい。」ぱたぱたぱた
シオサが興奮気味に岩柱をペタペタ触り回っている。
アオサ「絶景だね」パシャッ
シェード「そうね」
はしゃぐシオサをスマホで撮影してママに送る。
ルルリエ「えっと、私、行く必要あります?」
シオサ「ルルリエさん、この先に運命を感じます。絶対に行くべきです。」
アオサ「さすがシオサ、チート級の未来予知!」
シオサ「ママもだよ、何かは言わないけど気をつけてね!」
アオサ「ほえっ!?」
シオサがいるのに、いったい何に気をつけるんだろう? まぁ油断はしないでおこう。
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[ブラフマウンテン内部]
空飛んで登ってもいいけど、せっかくだから中に入ってみよう。
草原だ! 一面に広がる緑の草!
シオサ「風かおいしいよ〜ママ」ぱたぱた
シオサが可愛い。
あれは、兎魔獣のキラビッツだ!
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キラビッツ、斬兎魔獣
・可愛い姿とは裏腹に、非常に攻撃的な兎。
無音で首を斬り裂くぞ!
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シオサ「うさぎさんだー」ナデナデ
キラビッツ「きゅぅー♪」
まるでピクニックだ。そしてシオサが可愛い。
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しばらく進むと草原に階段が生えていた。
登ると、山岳地帯だ。風がびゅうびゅう吹いている。
あー、たぶんこんなのが100回くらい続くんだろうね。
適当な所でマラサダ食べたら、無限の速度で突っ走ろう。
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30階くらいの氷山地帯でマラサダを食べる。
チキンマラサダだ。マンゴージュースも飲む。
シオサ「マラサダおいしい。」はむはむ
シオサ可愛い。パシャ
アオサ「」にやにや
シェード「」にこにこ
シオサ「もう、ママ恥ずかしいよ。」
シオサが可愛いすぎる。
アオサ「シオサー、ぎゅっとするー」ぎゅっ
シオサ「もうママ、しかたないね。」ぎゅっ
シオサちゃんマジ天使
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そんなこんなでダラダラ登っていた。しかし、50階で事件が起きた。
赤髪の女だ。忘れるはずもない、キクラだ!
ボスっぽい黒い竜に苦戦……というか詰みの状況みたい。
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(キクラ視点)
ボスっぽい竜「よくここまでたどり着いたと褒めてやろう。だが、これより先は神々の領域。ニンゲンでは決して届かない無限の力、とくと味わうがいい!」
目の前にはバケモノがいた。漆黒の鱗に青い瞳のドラゴン。かつての姉と同じパワーを感じる。
全ステータス∞、ハハッ、勝てるわけがなかったんだ。
ミミナ「キクラさん、逃げましょうよ。さすがにヤバいですよ。」
ボスっぽい竜「どうした、怖気づいたか?」
キクラ「うぉぉぉおおおお!」
ドカァァァァァァン!!
バリバリィィ!!!
ちゅどーん!!
ガキィィィィィン!!!
ありったけのパワーをぶつけてみる。あらゆる物質を溶かす爆炎に、魂をも揺さぶる電撃、竜を斬り裂く氷の刃。
ドゴォォォォン!!
ダメ押しでいつかの魔石油もぶっかける。
ボスっぽい竜「その程度か?」
キクラ「まだまだぁぁぁ!!!!!」
バリバリ、ゴォォォォ!
ぶくぶく、ヒュラララ!
ドコドコ、ひゅぅぅぅ!
どくどく、ピカッ!!!
8属性の魔力を纏ったタックルだ! 生命力はごっそり持って行かれるけど、私の最大火力だ!!
虹色の魔力を纏って肩から突っ込む。
ゴォォォォォォォン!
ボスっぽい竜「無駄だ。無限の前では全てが無力。」
ああ、やっぱり。ダメだったか
ボスっぽい竜「物分かりのいい小娘だ。では今度はこちらからゆくぞ。」
私、何のために生きてきたんだっけ?
ミミナ「キクラさーん!!」
分かんないや。
ミミナ「キクラさーーーん!!」
ズガガガガガガガ!!
キクラ「ミミナァァァァァ!!」
私を庇った? 私は、私は?
ボスっぽい竜「今のはいりょく100億程度だったが、ほう、辛うじて生きているようだな。」
ミミナ「キクラ……さん……生きて…かえ……ぐふっ!!」ぱたり
キクラ「ミミナ、ミミナァァァァァ!!」
生きてる、まだ生きてる!!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ……
マスターキズぐすりで治療とエネルギー補給を済ます。
意識のないミミナを担いで来た道を引き返す!
今はこの命、全てミミナに捧げるッ!!
ボスっぽい竜「遅い!」ブゥン
一瞬で回り込まれた。
キクラ「うぉぉぉおおおお!!」
スキを作るべく捨て身の突撃をする。
纏う魔力は、私の生命を喰らいながら虹色に光る。
ヒュン
ヒュン
ヒュン
ボスっぽい竜「おっとそう簡単には逃さん、なにせ100年ぶりの客なのだから、ゆっくりしていくといい。」
ダメだ、そこに横たわるのは隔絶した力の差。天地が返っても、この差が覆る事はないだろう。
傷つける事もできず、逃げる事も叶わない。
何か、何か手はないのか?
何か……ぇっ、ぁぁぁぁぁ、やだぁ
お姉ちゃんだぁ
キクラ達はレベル900ちょいです。ステータスは100万台。