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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
リーブタウン(2回目)〜慈悲な夜雨と親子愛〜
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ビルドアップとジレンマ

ポッと出のカンガルーのせいで予定が大幅に狂った。

 [カンガスタジアム]


  フゥウィィィィィン!


 ジムの自動ドアを潜る。


 だだっ広い空間だ。目の前に受付カウンターがあって、左右にトイレがある。


メガマッソウ「さて、君たちにはオレと力比べをしてもらいたい。」

アオサ「はい喜んで♪」


 アホ毛(ワカメ)と共に身体をクネクネさせる。


シェード「アオサがママさんにメロメロなの」

ルルリエ「ええっと〜、見た目はともかく、素敵なお母さんだと思います……?」


メガマッソウ「そうだな、そこの青いのと黄色いの、2人まとめてかかって来い!」

メガ娘「きゅいきゅい!!」ぶんぶん


アオサ「はいっ!」

シェード「ボコってやるの!」

ルルリエ「わたくし、応援します。」


 カンガルーの袋では娘が右手を振り回している。



▼▼▼▼▼▼▼▼



  (わーわー)

          (ドガァ)

  (わーわー)

          (ウォォォォォ!)


 白い廊下をカツカツ歩きながら、このドームの中を色々見せてもらった。


 町の人たちは、強さや戦闘スタイルは様々だけど、戦って友情を育んでいるようだ。


   (はっはっは)  (アチョー!)


 空間が歪んでいるおかげでバトルフィールド大(日本くらい)、バトルフィールド小(町くらい)が1000箇所ずつある。ジヒナの船ほどではないが、なかなか便利だ。


   (ドゴォォォォ!)


 日帰りの人もいれば、住み込みで戦い続ける人もいる。空間を歪めてLDKの立派な部屋をたくさん作ってある。


 一般人の平均レベルは500くらい。さすがに無限が大量にいるなんてないよね。


    (ぎゃー)

     (わーわー)


メガマッソウ「このジムのアイディアを出したのはオレだが、建設したのは町の人たちだ。オレが建ててやったんじゃトレーニングにならないからな!」

メガ娘「きゅいきゅい!!」ぱたぱた


アオサ「さすがメガお母さん!」

シェード「あたしも丸投げスタイルなの!」


ルルリエ「わたくしのお母さまは過保護気味でしたのね。」


  (がやがや)

          (がやがや)


 すれ違う人はムキムキ野郎が多い。大丈夫、すれ違うだけなら我慢できる。


 筋肉少女もいるのが救いだ。


 自販機でプロテインを買う。200円を投入する。イチゴ味、飲みやすい。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 下への階段を降りて行く


  カツン カツン カツン


ルルリエ「暗いですね」キョロキョロ


  カツン カツン カツン


 おや、立派な扉が見えてきた。


メガマッソウ「ここが中央スタジアムの入り口だ。3秒数えてから入ってくれたまえ。観客席はあそこだ。では!」ビュン

メガ娘「きゅいっ」


  フォン、カチャカチャ、ドンドン


 すごい勢いで準備してる。


ルルリエ「では、わたくしは観客席で待ってます。2人とも頑張ってください!!」ヒュン


アオサ「行こうか」

シェード「行くのよ!」


  ガチャ



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [カンガスタジアム 〜マッスルフィールド〜]



 バトルフィールドまでの廊下だ。暗い。


  カツン カツン カツン


  タァンタァンタァン パァ!


 広い草原をナイターの照明が囲んでいる。


幻聴「レディースアンジェントルメン。(うんたらかんたら)」


幻聴「わーわー」

幻聴「きゃーきゃー」

幻聴「ひゅーひゅー」


幻聴「青コーナー、若きチャレンジャー、アオサ&シェード」


  バァァァァァァン!!


幻聴「そして赤コーナー、我らがチャンピオン、メガマッソウ!!」


  ドォォォォォォン!!

 

メガマッソウ「はっはっは、どうだ即席のマッスルフィールドは。雰囲気は大事だからな。」


アオサ「あ、あはは……」

シェード「うるさいの、さっさと始めるの!」


メガマッソウ「このマッスルフィールドは亜空間。無限のパワーを出しても宇宙が消滅する心配はない。遠慮なく来い!」


  カァァァァァァァァン!!



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [1ターン目] 観客がうるさいの!


アオサ「飛ばして行くよ!」

シェード「ぶっ飛ばすの!」


「「合体!!」」


 合体して黄緑色の蜂ボールになる。黄緑色の身体と小さな顔、二対の翅に2本の腕だ。


 お互いこうげきω_13、防御は紙。当たると即死する状況だ!!


シェード「「まずは毒針で二度死ぬがいいの!!」」


--シェードはどくばりを放った!


  ドドドドドドドド


幻聴「おおっとぉ! 無数の針の嵐がメガマッソウに襲いかぁかるぅぅぅ!」


メガマッソウ「この程度ならまだ」ブンッ

シェード「「そこなのー」」しゅん


  ガキィィィィィン!!


 毒針を2本構えたタックル。一本は弾かれもう一本はメガマッソウの肺に風穴を開ける。


--メガマッソウにω_13のダメージ

--メガマッソウはこらえた!!


メガマッソウ「なんのこれしきぃぃぃ!!」

シェード「「毒ダメージもあるの!!」」


  ドゴォン!


--メガマッソウにω_13のダメージ

--メガマッソウはこらえた!!


幻聴「おおっとさーすが我らがチャンピオン、持ち堪えたぁぁぁ!!」


メガマッソウ「……ぐはぁ、はぁ、はぁ、次はオレの番だ!」


--メガマッソウは拳を低く構えた。

--娘も真似をしている。


ルルリエ「「ごくり」」


メガマッソウ「カンガルー奥義、ビルドアップパーンチ!!」

メガ娘「きゅいきゅいー!」


幻聴「早速出ました我らがチャンピオンの奥義。チャレンジャーは対処できるのか?」


   ガキン!

    ガキン!


 親子のパンチを毒針で弾いてダメージはない。


  ちゅいーん♪

    ちゅいーん♪


--メガマッソウのステータスが上がった!!

--メガマッソウのステータスが上がった!!


シェード「「嫌な予感がするの……」」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [2ターン目] 詰みかもしれないの。


シェード「「(ワカメの経験だとボスのバフは死ぬほどヤバいの)」」


メガマッソウ「今度は耐えられるかな? ビルドアップパーンチ!!」


  バヒュン!!


シェード「「速っ!?」」


  ガシャァァァァン!!

  ドガァァァァァン!!


シェード「「ぐふっ」」


--シェードとアオサは死んでしまった。

--シェードとアオサは生き返った!


--メガマッソウのステータスが上がった!!

--メガマッソウのステータスが上がった!!


シェード「「(頭がぐわぐわするの。)」」


--シェードは翅を高速で動かし、さざめいた!


  ぱたぱた


  ドガァァァァァン!!

  ボカァァァァァン!!

  ちゅーどーーーん!!

  ずしゃっ


メガマッソウ「効かーーーん!! これがビルドアップパワーだ!!!」


幻聴「止まらない止められない! これにはチャレンジャーもお手上げかー!?」



▼▼▼▼▼▼▼▼


 [3ターン目] 私は、あたしは、私?


シェード「「(思考がまとまらないの)」」


アオサ「(シェードちゃん、ぶっつけ本番のアイディアがあるんだ)」

シェード「(なにかしら?)」


アオサ「(リュックの中の働き蜂と追加で合体するんだ。ノイズ聞こえるけど我慢してね)」

シェード「(えっ?……まぁ、いいのよ。)」


アオサ「いくよ」


  ピカーン!!


メガマッソウ「何だ!? ビルドアップパワーを感じる。」

幻聴「おおっとチャレンジャー、何やらすごい技を繰り出そうとしているー!」


モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」

モブ蜂「アオサ様ぁ〜♪」


シェード「なによこれぇぇぇぇぇ〜!?!?!?」


  パァン!


--合体が解除された。


「「あ“っ”!!!」」


メガマッソウ「どうやら失敗のようだな、だがバトルは非情だ、オレたちの必殺技で沈めぇぇぇぇぇ!!!」

メガ娘「きゅいぃぃぃ!!」


--メガマッソウは全力無双百烈拳を放った!



  タタタタタタタタ

 タタタタタタタタ

  タタタタタタタタ

 タタタタタタタタ


 ヒュン

  ボォォォカァァァァァァァァン!!



--アオサとシェードに ω_21 のダメージ。

--アオサとシェードは生き返った……けど気絶している。


 こうしてさほど長くない0秒間は終わった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



アオサ「うーん」

シェード「うーん」


ルルリエ「目を覚ましたんですね、よかったー」


メガマッソウ「はっはっは、やはりお前たちは興味深いな。さっきのはすごいパワーを感じたぞ。」

メガ娘「きゅいきゅいきゅいきゅいぃ!!」


アオサ「ごめんね、失敗しちゃった」

シェード「あたしこそゴメンなの。」しょぼん


メガマッソウ「うむうむ、友情パワーがもう少しあれば成功させられる! 精進するがよい。次を楽しみにしているぞ!」

メガ娘「きゅい!」


アオサ「うん、頑張るよ。メガお母さん!」

シェード「あたしも頑張るの……」


ルルリエ「2人とも、がんばるです!」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 あの後、メガお母さん特性プロテインをご馳走になった。ミックスフルーツ味で飲みやすくて栄養満点だ。


 帰り道、赤い太陽が目の前の地平線にかかり、海面に黄色い線ができている。


 私とシェードちゃんは砂浜の上のコンクリートに並んで座っている。


   (ざざーん)


シェード「………」

アオサ「………」


   (ざざーん)


シェード「ねぇアオサ」

アオサ「なぁにシェードちゃん」


シェード「アオサ一人なら、あの蜂たちと合体できたのよね。」

アオサ「うん、そうだね。」


シェード「勝てたのね?」

アオサ「そうだね。」


シェード「そう……」

アオサ「でもシェードちゃんと一緒がいいんだ。」


   (ざざーん)


 シェードちゃんは私の左手をぎゅっとする。左手が軋む。


シェード「……ずるい。ずるいのよ。」

アオサ「……そうだね。」


 私だけが強くなったんじゃ、今の関係が壊れてしまう。


 左手の痛みを感じながら目を閉じて、私はやるべき事を探していた。

この小説のステータス上昇系は死ぬほど強いです!


-------------


シェード@アオサLvω_9(風+闇)


HP   :ω_7

こうげき:ω_13

ぼうぎょ:ω_7

まりょく:ω_13

せいしん:ω_7

すばやさ:ω_13

-------------


↓カンガルーのインフレビルドアップ劇


-------------


筋跳獣メガマッソウLvω_10(光)


HP   :ω_10 →ω_14→ω_18

こうげき:ω_13 →ω_17→ω_21

ぼうぎょ:ω_10 →ω_14→ω_18

まりょく:ω_6 →ω_10→ω_14

せいしん:ω_10 →ω_14→ω_18

すばやさ:ω_10 →ω_14→ω_18

-------------


ぼうぎょω_14になった時点で、アオサシェードからはノーダメージです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 情景描写が良いと思うのじゃ。 どんな場所におるのか、ちゃんと想像出来るからのう。 [気になる点] >  白い廊下をカツカツ歩きながら、このドームの中を色々見せてもらった。 >  町の人たち…
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