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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
2面:ジヒナのせかい ~霊魂騒ぐ白船尾~
35/108

嵐を呼ぶ心臓移植

この村の蜂たちの種族は “ミツビー” です。

 ざぁぁぁぁぁぁぁ……


雨が降っている。


 淡いクリーム色のソファでは、ユイキリがジヒナの髪に触れている。


 少し困った顔のユイキリ。短くて硬めの黒髪を根元からくるくる。


 くるくる くるくる


 匂いを嗅いで、再びくるくる。


 ジヒナは気持ちよさそうに目を細めている。


「やっぱりダメね……」


 胸に爪を突き立てようとして、くるくる。

 お腹の下を抓ろうとして、すりすり。


「ジヒナ、昨日はごめんなさい。」

「えっ?」


「アオサの心臓を食べてから、あなたを見る度にときめいてしまうの。」

「はうっ!?」


 アオサの心臓はとんでもない変化をもたらしてしまったのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 (ユイキリ視点)


 やっぱりアオサはすごいわ。こんなにも私を変えてしまうなんて。


 昨日の嫉妬はどこへやら、ジヒナがキラキラしているわ!


 独占欲はどこへやら、今は全てを愛しましょう!


「ジヒナ、私、あなたの事がもっと知りたいわ。」

「あうぁっ、私もです!」


「だから、あなたの世界を見せてほしいの。」

「はいっ、喜んで!」


 ジヒナ、今はこのときめきに身を任せましょう。でも『ママ』は2人も要らないのよ。そこは譲れないわ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 (アオサ視点)


 ママがジヒナとお出かけしちゃった。


 どうしよう、うーん………そうだ、蜂に心臓移植しよう! 分裂!


 ずるずるずるずるずるっ!!!!!


--アオサは7人になった!


 7人に分裂して、6ヶ所の蜂の巣に向かう。


 残り1人? シェードちゃんと戯れるんだよっ!


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ハッチの巣]


 湖の側に広がる広大な縄張り。やはり雨は嫌なのか、みんな巣の中に引きこもっている。


 中央の大きな巣にはハッチが座っている。久しぶりだね。


「ハッチ、久しぶり」

「久しぶりねアオサ」


 上着を脱いで、抱きついて、心臓を移す。


 ずずずずずぷんっ!


 ハッチは黒髪のお姉さんになった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [フレアの巣]


 森の洞窟の奥まで広がる蜂の巣。ストレスが溜まるのか、雨なのに狩りに行く働き蜂もいる。


「やっほーフレア」

「ふん、随分早かったじゃないの。」つーん


 熱い中胸に抱きついて、心臓を突っ込む。


 ずずずずずぷんっ!


 フレアは赤髪の少女になった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ミチルの巣]


 山の麓の地下遺跡。いつものように引きこもって機械いじりをしている。


「………」

「………」


 冷たい装甲に抱きついて、心臓を押し込む。


 ずずずずずぷんっ!


 ミチルは青髪のメガネ美女になった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [スカラの巣]


 ガリア山の山頂付近の空洞、蜜蝋(みつろう)とプロポリスの柱が複雑に張り巡らされている。


「よっ、改めて来たよ」

「ご無沙汰でござる、アオサ殿」


 細身の身体を抱いて、心臓を突っ込む。


 ずずずずずぷんっ!


 スカラは茶髪のクノイチ少女になった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ザハトの巣]


 リーブタウン北の草原地帯。蜂たちは雨でも修行を休まない。


「今日も頑張ってるね。ザハト。」

「うむ、アオサ殿が無事に帰って来て嬉しいぞ!」


 引き締まった中胸を抱きついて、心臓を入れる。


 ずずずずずぷんっ!


 ザハトは金髪の女騎士になった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ヒョウムの巣]


 自宅の近く、凍りついた六角柱のタワー。


「昨日ぶりだねヒョウムちゃん」

「あっ、アオサ……」ぽっ


 幼さが残る身体を心臓が侵食する。


 ずずずずずぷんっ!


 ヒョウムは白髪のアルビノ少女になった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 さあ、心臓移植の後はナデナデだ。シェードちゃんも入れて7人同時に分裂ナデナデ。



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



▼▼▼▼▼▼▼▼



 さて、やる事なくなった。


 今は午後3時くらいかな? 空は暗くて太陽の位置は分からない。


 うーん………そうだ!


 働き蜂全員に心臓移植だ!!


 分裂!!


 シュバババババババ!!


 100万匹ちょいに分裂しながらフェロモン撒いてみんな集める。


 ぶーん ガシッ ズボッ

 ぶーん ガシッ ズボッ

 ぶーん ガシッ ズボッ


 こんな感じで100万回の心臓移植が終わる。


 美少女大量生産しちゃった。


 ワキャワキャワキャワキャワキャ……


 とりあえずみんなぎゅっとしてナデナデする。



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



 みんな〜一旦蜂形態に戻って〜!


 シャキン!!!!!


 うん、大丈夫。村の人口の心配は要らないみたい。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 午後4時か。夕食までもう少し時間がある。


 そうだ。リュックの中に蜂の巣999個あったんだ!!


 ジヒナの世界から持って来たんだ。幻影だけど生きてるらしい。


 ……うわっ、1000万匹くらいいる!?


 大丈夫、反転世界という便利なものがある。



▲▲▲▲▲▲▲▲



 [反転世界]


 ここなら大丈夫。


 みんなに心臓移植しよう。



 ぶーん ガシッ ズボッ

 ぶーん ガシッ ズボッ

 ぶーん ガシッ ズボッ




 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……

 ワキャワキャワキャワキャワキャ……




  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


 こんなたくさん飼えないなぁ……この娘たちにはリュックの中で暮らしてもらおう。


 赤血球さんお願いします!


>リュックから『容量999』を回収、『容量ω_4』を付与



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [自宅]


 ふぅ、今日は疲れた。シェードちゃんを抱き枕にして少しお昼寝。


 すやすや


 すやすや


 すやすや


 ガチャ!


「ただいまーアオサちゃん!」

「ただいま」


 ガバッ!


「おかえりママー……とジヒナ」

「うーん、おかえりなの。」


「突然だけど、大事な事があるの」

「えへへへ」


 おや、なんだろう?


「アオサちゃん」

「アオサ」


「「私たち、結婚します!」」


 わー、おめでとう………どうしてこうなった!?

アオサのリュックの中は蜂だらけ。種族はバラバラです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ミチルに同じ臭いを感じるのじゃ。 [気になる点] > 蜜蝋とプロポリス 数学的に書くと、『蜜蝋⊂プロポリス』ではなかろうかの? > ナデナデ、ナデナデ いつも思うのじゃが、「ナデナデ…
[良い点] アオサちゃんの心臓はとんでもない変化をもたらしてますね……はうっ!? [気になる点] 7人同時に分裂ナデナデ(最高ですね!) ↓ さて、やる事なくなった(あらら……) ↓ 美少女大量生産し…
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