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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
2面:ジヒナのせかい ~霊魂騒ぐ白船尾~
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おやこあい

新章開始! 今日も想像力が暴走してしまった……

 [リーブタウン 〜水辺に星が映る場所〜]



 ザッパァァァァン


湖、草原、森、山岳。


 大自然に囲まれた一軒家から 200m ほど離れた場所に巨大な豪華客船が斜めに刺さる。


 ビュン!


「マ“マ”ごべん“な”ざぁ“ぁ“ぁ“ぁ“ぁ“い“」ズザァァァァ


 瞬間移動土下座を華麗に決めたのは青髪の少女。こだわりズボンを履いていて、アホ毛(ワカメ)がゆらゆら揺れている。


「ごめんねアオサちゃん、辛かったでしょ。」ナデナデ

「う”う”っ、マ“マ“ぁ”〜」


 次に姿を見せるのは黄色の髪の少女。黒のタイツとレッグウォーマーが目立つ。


「久しぶりなのね。えーと、ユイキリ……さん?」

「あらあらシェードちゃん、ママって呼んでもいいのよ?」

「嬉しいわ、ママ!」ぎゅっ


「あらあら。で、そこのあなたは誰かしら?」

「はうっ……」


 ユイキリは船長服の少女を細い目で見定める。黒い短髪と子供っぽさが残る顔は大きな胸と不釣り合いだ。


「えっと、ジヒナと言います」


「ふーん、アオサ、シェード。ママはこのジヒナと大事な話があるのよ。蜂たちに挨拶して来なさい!」

「はーい」

「はいなの」


「お待たせジヒナさん、あっちでお話聞かせてもらうわよ。」

「はっ、はいぃぃぃ。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



「蜂だー!!!!!!!!」

「蜂なのよー!!」


 海よりも透き通った青い空。ナデナデ日和だ。


 私、気づいたんだ。蜂を愛でるには私自身が蜂になればいいって。


 という事で、変 身!


 ぼふん!


 心臓色のピンクボールに翅と腕が生えた姿だ。


「みんなー、帰ってきたよー」


 ぶーん      (ぶーん)

     ぶーん

   (ぶーん)       ぶーん




ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん

ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん

ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん

ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん

ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん

ぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーんぶーん



 ドワァァァァァア!!



蜂が来た。


        〜蜂

         〜蜂

 〜蜂

       蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂    蜂〜

     蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂 

   蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

  蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

 蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂  蜂〜

蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️アオサ◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂 

蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

 蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

  蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

    蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

     蜂◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️蜂

       蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂蜂

   〜蜂   蜂

                  蜂〜




▼▼▼▼▼▼▼▼



「ふーん、あなた宇宙だったのね。あの子が気に入るわけだわ。」

「あっ、はい。」カチカチ


「それで、これからどうするの?」

「えーっと」


「もう分かってると思うけど、あの娘と仲良くなれる人間は貴重なの」

「そう……ですね」


「アオサのためを思うと一緒にいて欲しいわ。」

「はい。えっと、自分で良ければ」


「ふふっ、嬉しいわ。」

「あはは……」


「ところで、どうしてあなたの心臓はそんなにドキドキしてるのかしら〜?」スッ

「はうぅ!?!?」ビクッ!



▼▼▼▼▼▼▼▼



 久しぶりの蜂の巣巡り。ハッチもフレアもミチルもスカラもザハトもみんな元気だ。


 そして元シェードちゃんの巣は凍り付いていた。


「ヒョウムちゃん!?」

「そうよ、そうよ、私の娘なの。」


 元シェードちゃんの巣には新たな女王蜂がいる。クール系だ。


「ようこそおいでくださいました。アオサ様。この度は……」

「口上が長い。そんな事よりナデナデするよ!」ガシッ

「えっ!?!?」

「あたしもナデナデするのよ!」

「ええっ!?!?!?」



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



「アオサ様ぁ」ふにゃん


「よしよし可愛い奴だ」ちゅっ

「あっ」ぽっ



▼▼▼▼▼▼▼▼



「………」じーっ

「………」あわあわ


 ユイキリの左手はジヒナの右頬に、右手は心臓の位置にある。


「可哀想に、アオサの性癖が移ってしまったのね」

「えっ!?」


「ジヒナ、私の目を見て!」

「えっ……あぅっ」キュン!


「どう見えるかしら?」

「えっと、とっても綺麗で素敵で何というか……キラキラしてる?」


「うふ、うふふふふ、そうなのね。アオサの心臓にはそんな素敵な作用があるのね!」にやり

「はうっ」ドキッ


「ジヒナッ」

「はいっ!?」


「私に愛を誓いなさい!」

「ええっ!?」


「口だけでいいわ。何か言いなさい!」

「えっと……」


「早くっ!!」

「はい、えっと……(わたくし)ジヒナはたとえ宇宙が消え去ってもあなたを愛し続ける事を誓います?」


「ありがとう、でも私は貴方の事がキライだわ」ちゅっ

「むぐうっ!?!?!?」ぱたぱた


ジヒナはやがて気持ち良さそうに目を閉じて、ユイキリに身を任せる。


「「ぷはぁ……」」


「さあ、もう一回さっきのセリフを言いなさい!」

「はい……(わたくし)ジヒナはたとえ宇宙が消え去ってもあなたを愛し続ける事を誓います!」ぽっ


「嬉しいわ。私は貴方がキライなのに、貴方は私の事を愛してくれるのね!」

「あうっ……」ふにゃん


「たくさん遊んであげるわ。よろしくね、お人形さん(ジヒナ)♪」


 腰が抜けたジヒナを寝室に運んでいく。


 この後めちゃくちゃナデナデした。



▼▼▼▼▼▼▼▼



「アオサー、ご飯よー」


「はーい。」

「はいなのー」


 蜂に挨拶していたら


 夕食時。空は眩しいオレンジ色に輝いている。


 蜂たちは空気を読んで静まり返っている。


 今日は蜂の子ご飯、ワカメ(アホ毛)の味噌汁、生ローヤルゼリーの3品だ。


 まずは味噌汁。自分のワカメを食べるってどうなんだろう……うまい! めちゃくちゃ出汁が効いてる!


 ずずずず、ごくり。


 次は蜂の子ご飯……ウッ、死んでいった蜂を思うと涙が出てきた。大自然に敬意を払って残さず食べる。


「アオサ、アオサ、共食いなの。でも美味しいのよ。」

「まぁ味覚は人間だからね」


はむっ、はむっ、むぐむぐ


 生ローヤルゼリー、飲むヨーグルトだ。ごくごく。うん? 以前より美味しくなってる? 私の味覚が人外に近づいてるのかも。


 ごきゅっ ごきゅっ ごっきゅっ


 おや、ジヒナの様子がおかしい。ぼんやりしている。頬が少し赤い?


「おーい、ジヒナー」


「………」ボーッ


「ジヒナー」


「………」もじもじ


「ジヒナー」つんつん


「ハッ!?」びくっ


「どうしたの?」


「あー、なんでもないなんでもない。ちょっと考え事をしてただけさ」


 ふーん? まぁ何考えてるかは想像つくけど。


 私の心臓を入れたんだから、ママにメロメロになるのは仕方ないね。


 ジヒナの手をそっと握ってみる。心拍数は変化しない。


 やっぱりママに取られたかぁ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 キラキラした黒いマントが夜空を覆ってしまう。


私はママの膝枕で眠る。


お腹の上にはシェードちゃん。


目を閉じて鼻で息を吸う。


 すぅぅぅぅぅぅぅ


ママの匂いだ!


ああ、幸せぇ………



▼▼▼▼▼▼▼▼



 黒い海に星の川が流れる時間。午前3時


 急に不安になって目が覚めた。嫌な想像をしちゃったな。


 ……ママも起きてる。


「ママ、どうしたの?」

「ええ。ちょっと考え事」


「私も考え事してたの」

「あらあら」


「うふふ、ママ、私言いたい事があるの。」

「あらあら奇遇ね、私もよ。」


「ママ」

「アオサ」


「 わ た し の 心 臓 を 食 べ て ! 」

「 あ な た の 心 臓 を 食 べ る わ 」


「「ふふっ、あはっ、あはははははっ♪」」


 息がピッタリ。心底楽しそうな笑い声が響く。


「さすがママ、やっぱり分かるんだ」

「人質にされてアオサの足を引っ張るなんて絶対に嫌よ」


「観客的には熱いシーンだけどね」

「見せ物じゃないのよ? そこのあなた。」


「それじゃあママ、あーん」ずりゅっ

「あーん……はむっ♪」


 星空の祝福の元、アオサとユイキリは満面の笑顔を浮かべていたのだった。

書くのめっちゃ疲れた。目が痛い。でもやり切った感。

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― 新着の感想 ―
[良い点] > 〜蜂 >       蜂〜 なるほど、なるほど〜。 そういう表現もアリと言えば、アリですね〜。 まぁ、ハチですけれど〜。 あるいは、蜂は"Bee"ですから——  B〜  B〜 ——こ…
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