おまけ:綺麗な日常
注)タンポポとアサガオは人の名前です。
「えっ、なにこれ……?」
アオサです。謎のワカメ空間から戻ったら、学校に蜂がいっぱいいます。
\ブゥゥゥゥゥゥン?/
「ひっ!?」ぞわっ
みんなこっち見てません?
\ブゥゥゥゥゥゥン!!/
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ひたひたひたひた
ゾワゾワァァァ!!
やっ、いやっ、助けて、誰かぁぁぁぁ……
\パァン/
えっ……止まった? 私も動けないです……
???「もしもし、アオサー?」
アオサ「誰ですか?」
???「私はアオサ、もう一人のあなただよ。私はあなた、あなたは私。」
アオサ「えっ………」
ちょっと何言ってるか分からないです。 ……でもついさっき不思議体験をしたばかりなんですよね。
???「あー…… 説明が面倒なんで、洗脳っぽい方法で情報叩き込むよ~」
アオサ「待って洗脳って……」
???「えいっ」パァン
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アオサ「はっ、私はいったい……?」
\ブゥゥゥゥゥゥン!!/
あっ、蜂ちゃんだ。可愛いです。ナデナデしないと。
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
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アオサ「ハッ、ここは?」
タンポポ「アオサちゃーん、今日は遊びに行く約束でしょ!」
アサガオ「ほら、行くよ!」
アオサ「えっ、ええっ!?」
気が付いたら平和な学生生活が始まっていた。
昨日まで、学校裏で殴られながら悪口浴びせられてた記憶しかないのですが……
よく分からないまま引っ張られてしまいました。
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[リプトシティ]
ここはリプトシティ。ネオバレル北のそこそこ大きな街です。
私が通っているのは西リプト校という普通の学校です。魔法と座学を広く浅く習い、たまに剣術の授業があります。
ズィ島のリーブタウンという山奥の小さな村に住んでいたのですが、私が「学校に行きたい」と言ってみたら、ママがすごい勢いで準備して引っ越してしまったのです。
それで入学したのですが、私は口ベタで孤立してしまいまして、気づいたらいじめられてた……と思うのですが?
[ハンバーガー店]
タンポポ「昨日のテストどうだったー?」
アサガオ「しんだー、マジ無理ゲーw」ぐでー
アオサ「あはは……」
この人達……うちのクラスの人達です……よね? いじめグループの人達の面影がある気がしますが……?
タンポポ「それでねー……」
アサガオ「ネーw……」
アオサ「……」
やっぱり喋るのはニガテです。でも、友達ができたみたいでちょっと嬉しいです。
タンポポ「あっ、今日は私の奢りでいいよ。」
わぁっ、タンポポちゃんいい人なんですね。
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その後、2人には色んな場所を紹介してもらいました。
人気の少ない公園やいい感じのベンチ、裏通りのカフェにアクセサリー屋さん。
私、家と学校と通学路しか知らなかったです。世界が広がりました。
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午後6時、夕日が地平線にかかっています。
帰り道です。コンクリートで舗装された道を歩いていきます。
おや、誰でしょう。川辺に黒い影が見えます。
制服は私と同じです。
川辺に座って虚な目で川を眺めています。
川では淡水魚魔獣クロバスが跳ねています。小さくて可愛いです。
岸辺では雑草魔獣ザソソーがゆらゆら。可愛いです。
ブロック魔獣ゴガーンもいます。心配そうに少女を眺めています。
近づいてみましょう。
ざっ、ざっ、ざっ、
見かけない顔ですね。
ざっ、ざっ、ざっ、
紫の髪でちょっと悪そうな顔です。
ざっ、ざっ、ざっ、
ドキドキします。上手く喋れるでしょうか
ざっ、ざっ。
アオサ「あっ……」
紫髪「ヒッ?!」びくっ
アオサ「あー……」
紫髪「」ガタガタ
アオサ「……」
紫髪「」ガタガタ
どうしましょう。上手い言葉なんて思いつきません。
アオサ「あのー」
紫髪「はいぃ」びくっ
アオサ「えっと……お名前は」
紫髪「あっあああアザミといいますぅ」びくびく
アオサ「あっはい。……えっとー」
アザミ「」びくびく
どうすればいいのでしょうか、分からないです……そうだ、ナデナデすればいいのです!
ぎゅっ ぽんぽん
アオサ「よしよし」ナデナデ
アザミ「あっ……」
アザミさんの震えが止まりました。
何故かいい匂いがします。もっとナデナデしたくなります。
髪はサラサラです。
さらぁー……
さらぁー……
さらぁー……
おや、アザミさんがギュッと抱きついてきました。
満足するまでナデナデしましょう。
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
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アオサ「ただいまー」
ユイキリ「おかえりアオサちゃーん」
アオサ「ママー、さっきね、女の子を拾ってきたの。」
ユイキリ「あらあら、ちゃんとお世話するのよ。」
あの後、アザミさんは飼い犬のように私について来ました。
仕方がないのでウチで飼うことにしたのです。
ママに怒られるかなと心配しましたが、笑顔で許してくれました。さすがママ。
一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に寝て、一緒に学校へ行きます。
アオサ「行って来まーす」
アザミ「いっ、行って参ります!」
ユイキリ「いってらっしゃいアオサちゃん♪ アザミちゃん♪」
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タンポポ「おはようアオサちゃん……うげぇ!?」
アサガオ「アザミさん!?」
アオサ「おはようみんな」
アザミ「……」
アザミさん、クラスの嫌われ者だったのでしょうか。
大丈夫、可愛いですよ? みんなでナデナデしましょう!
先生「はーいみんな席に着きなさい」
いつものように授業が始まります。
平和な1日でした。
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こうして、友達が少しずつ増えていきました。
たまに蜂駆除の冒険家さん達や、行方不明者捜索の国際警察なんかが来ますが、みんな仲良くなれました。
いじめられていた記憶は結局何だったのでしょうか……今が幸せなので深く考えないようにしましょう。
こんな幸せな日常が続く事を願って……
こうしてアオサは全パラレルワールドに侵略し、もう1人のアオサを量産しましたとさ。
あっ、この世界のキクラはシスコンです。
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アオサ Lv8888(水)
HP :88888888
こうげき:88888888
ぼうぎょ:88888888
まりょく:88888888
せいしん:88888888
すばやさ:88888888
主な能力
・水遊び
・ナデナデ
・平和フェロモン
・もう1人のアオサ
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