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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
2面:ジヒナのせかい ~霊魂騒ぐ白船尾~
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銀河の道を歩く

八宝菜(台湾)はいいぞ!!

???「ギャーオ」


心音センサーが船尾に何かの存在を感知した。


いや、船尾だけではない、船に何かがまとわりついている!?


……ワカメだ!


ジヒナ「ダメだ、取れない。」げしげしっ


窓からワカメが見える。


無限を超える超パワーでもビクともしないワカメかぁ。しかもワカメの謎パワーで亜空間に隔離されちゃったみたい。


アオサ「ほんとこの世界は物騒だね。」

シェード「毒針も刺さらないの。」

ジヒナ「このワカメ、見かけに寄らず強靭だぞ!」


船尾の方から生えてきてるのかな?まぁ、行くしかないよね。


"おほしさま"よりは弱そうだから何とかなるでしょう。


アオサ「……」じーっ


60度傾いた水面に目を向ける。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ジヒノシティ 船の通路]


そこには宇宙を圧縮した空間が広がっていた。


銀河のようなキラキラ床が六角形の格子状に交わっている。蜂の巣みたい。


波打つように上下しながら、銀河の道はどこまでも広がっている。


アオサ「わーお」

シェード「キラキラなの、キラキラなのよ!!」

ジヒナ「んへへ~……」にこにこ


私たち3人は親子のように手を繋いで歩いていく。ジヒナの左手にはシェード、右手には私だ。


シェード「キラキラ道から落ちるとどうなるのかしら?えいっ」ぴょん


 ぼよん


シェード「すごい、すごいの、ベッドみたいに押し返されるの!!」


 ぽよん ぽよん ぽよん


なるほど、道から外れると押し戻される安全設計なのか。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ジヒノシティ 後方]


少し歩いて行くと小さな集落が見えてきた。


紫色のテントが並んでいる。ここが幻影じゃない方のジヒノシティか。


白くて丸いポヤポヤした幽霊が漂っている。


こんな不思議ワールドでも普通にニンゲンの文化が根付いてるのね。


ジヒナ「ここは滅びた世界のなれ果て。優れた職人たちの魂をコピーした結果がこれだよ。」


アオサ「ほえー」

シェード「ほえーなの。」


テントの中に入ってみる。……ファミレスだ! こっちのテントは……ハンバーガー屋さん!


ほうほう、色んな国の食べ物が一通り揃ってるのか。すごい。


とりあえず"台湾料理店"に入ってみる。さっきの異世界にはなかったからね。


店員も白いボール状の魂だ。


八宝菜を注文してみよう。


シェード「豚バラチャーハンなの」

ジヒナ「ラーメン定食で」


店の中は私静かだ。3人しかいない。


         (トントントン)

(シャー)

     (グツグツ)


……調理の音が響く。


……耳を澄ますと聞きなれない音楽が聞こえる。


きたきた、これが八宝菜か。


にんじん、たけのこ、ブロッコリー、うずらの卵、豚肉、タマネギ、エビ、しいたけ……色々入ってるんだね。


ぱくっ…… うまい!


ハフハフ、シャキシャキ、ムシャムシャ


味がしっかり染み込んでいる。ご飯がすすむ!!


モグモグ、モグモグ、モグモグ……


卵スープをすすりながら、八宝菜を食べていく。


ふぅ、満足した。野菜があんなに美味しくなるなんて、すごい発明だ。



食事は満足しかけど、何かが……何かが足りない。


何かが……蜂だ!


アオサ「ジヒナジヒナ~、いいこと思いついた~」

ジヒナ「どうせまた蜂にしてナデナデするんでしょ。」


アオサ「げっ!?」

ジヒナ「我慢しなさい!」

シェード「あたしをナデナデして我慢するのよ」


ジヒナにナデナデされながらシェードちゃんをナデナデする。うへへぇ~



▼▼▼▼▼▼▼▼



 しゃん、しゃん、しゃん


魂とテントの集落はどこまでも広がっている。


 しゃん、しゃん、しゃん


しばらく歩いていると、魂もテントも少なくなってきた。


 しゃん、しゃん、しゃん


空も雲も川も滝も銀河で表現されている。


 しゃん、しゃん、しゃん


風が吹いている。


 コォォォォォォォ


風が少し熱い気がする。


 しゃん、しゃん、しゃん


銀河の道が螺旋階段のようにクルクルと渦を巻いているのが見えてくる。


 しゃん、しゃん、しゃん


前に向かって降りている気がする。不思議な感覚だ。


 しゃん、しゃん、しゃん



▼▼▼▼▼▼▼▼



降りて行こう、銀河の螺旋階段


下へ下へとどこまでも。


……面倒くさくなったのでダッシュする。


ブゥン



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ジヒノシティ最後尾 〜霊魂騒ぐ白船尾〜]


白い穴だ。


淡い光が上昇気流のように渦巻いている。


魂がワキャワキャ騒いでいる。たぶん異世界の戦士達かな?


ジヒナ「ここが船の一番後方だ、この先から強者の気配がするが、準備は大丈夫か?」

アオサ「大丈夫だ。」

シェード「問題ないの!」


白い穴に足を踏み入れる。冷たい海水に足を浸す錯覚に陥る


……



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [???]


青白い海底、上から暖かい陽光がキラキラと照らす。


澄んだ海水が流れている。


白いサンゴ礁と、鮮やかな海藻が広がっている。


あれは……でかい鳥?


黄緑色の海藻が巨大な鳥の姿を型取っている。


アオサ「へぇ、このワカメが元凶なんだね。」


???「ギャーオ」


シェード「そうなのね、厄介なステータスしてるのね、泥仕合の予感なの。」

アオサ「さぁて、どうやって奴の守りを突破しますか……」


どうやら新たな攻撃手段を模索しなければならないようだ。

船の構造を簡単に説明。


・まずは、船にワカメが巻きついています。


・船の前半分(海水に浸かってない方)は、無限の通路と異世界への扉があります。

 部屋番号=宇宙滅亡までの時間(秒)です。


・船の下半分(海水に浸かっている方)は、宇宙のようなナニカです。


-------------

海藻メワワーギア Lvω_3(水+土)


HP   :ω_3

こうげき:ω

ぼうぎょ:ω_3

まりょく:ω_1

せいしん:ω_5

すばやさ:ω_2


主な能力(ワザ)

・交代

・増殖

・水のブレス

・羽ばたき

-------------

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― 新着の感想 ―
[良い点] > いや、船尾だけではない、船に何かがまとわりついている!? > ……ワカメだ! 一人称から見た表現として、中々に良いと思うのじゃ? > 心音センサーが船尾に何かの存在を感知した。 …
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