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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
2面:ジヒナのせかい ~霊魂騒ぐ白船尾~
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想像力が暴走した結果がこれだよ。

 (ジヒナ視点)


私は……異世界の女神だった。


いや、女神というより宇宙そのものだった。


いつ生まれたかは覚えてないけど、たぶん宇宙と一緒に誕生したんだと思う。


宇宙誕生とともに私は広がり、物質と魔力に満ち溢れた。そして物質は網目状に並び、星が生まれ銀河ができた。


数多の星が生まれ死んでいった。数多の生命が生まれ死んでいった。


ある時、後に"ニンゲン"を自称する生物が誕生した。


ニンゲンが生み出す文化はどれも興味深く、私は人の心を学んだ。


私はニンゲン社会に遊びに行くようになった。


この時に使った名前が『ジヒナ』だ。


おいしい食べ物や娯楽施設、暖かい温泉や心躍るお話なんかにどっぷりハマってしまった。


宇宙の歴史からするとニンゲンの時代は一瞬だ。


終わってしまうのはもったいない。


そこで、とあるアイディアを閃いた。


過去に介入しまくってパラレルワールドを量産したり、別の惑星にニンゲンを移住させたりしたんだ。


分化の多様化のための介入の結果、『女神』や『邪神』なんかと呼ばれるようになった。面白そうだから自分でも"女神"を名乗ってみたりした。


こうして様々な文化を見て、たくさんの人々と触れ合ったきた。


科学の世界で異世界転移が流行った頃、剣と魔法の世界で複数の人種が平和に暮らしていた頃、ロボットがドンパチする世界で人工ブラックホールが暴発し、カードゲームの世界で世界存続を賭けた決闘が終わった時……………………宇宙(わたし)は突然の死を迎えた。


宇宙滅亡の理由は後述しよう。


そして気が付いたら…… 少女の姿で海に浮かんでいた。


まさか(うちゅう)が異世界転生を経験するとは……


………


とりあえず、食べ歩きだ………


ムシャムシャ(これはハンバーガー……私が知ってるのと味が違うな)


モグモグ(アイスクリーム……ハチミツが異様なほどに上質だ)


ハフハフ(このチャーハンは…… やはり肉も卵も独特な味だ)


ピコン!?


おや? 未来に誰かが介入したようだ。


私には過去や未来が見える。(ついでに時間を止めたり加速したりパラレルワールドを行き来する事もできる。)


私が転生した後、とある少女の人生が大きく歪められたのだ。


その少女は"アオサ"というらしい。


8年後にあの海を通るのか!


しかも私と同じくらいの力があるみたい。仲良くなれるかな?


せっかくだから、おもてなしのスペースを作ろう!


そうだな、海の上だから船がいいね。


私のお気に入りの世界を再現してみよう!


上手く喋れるか自信ないけど頑張ってみよう。


それからそれから………………………


……


どうしてこうなった? どうしてこうなった!?


はぅぁっ、かわいい。



▼▼▼▼▼▼▼▼



青髪の少女が黒髪の少女に抱きついている。


--ジヒナはアオサの頭を自分の胸に当て、強く優しく抱きしめた ▼

--アオサの震えが止まった ▼

--ジヒナはゆっくりとベッドに腰掛ける ▼

--ジヒナはアオサの長い髪をそっと撫でていく ▼


さらっ……

    さらっ……

        さらっ……


--アオサはジヒナの膝に顔をうずめて鼻で息をしている ▼

--ジヒナは幸せそうな顔をしている ▼

--アオサも幸せそうだ ▼


(んっ…… 胸が熱くなってきた。)


--右手でアオサを撫でながら、船長服のボタンをゆっくり外す ▼

--弾力のある双球が揺れる ▼

--ジヒナはアオサを抱き上げ、アオサの口を自分の胸に近づける ▼


「はむっ」ちゅぷ

「んっ……」


 ごくっ ごくっ ごくっ

 ごくっ ごくっ ごくっ


「あむっ」かぷっ

「はうっ」びくん


--シェードが突然もう片方の胸にしゃぶりついた ▼


 ごくっ ごくっ ごくっ

 ごくっ ごくっ ごくっ

 ごくっ ごくっ ごくっ


「「ぷはぁ……」」


--アオサは満足したように全身の力を抜いた ▼

--シェードは蜂になり、アオサのおなかにしがみついた ▼


(すごい、ちゅうちゅうされるのクセになりそう)


ジヒナはアオサの頭を膝の上に戻す。ガラス細工を扱うようにゆっくりと。


青髪の少女は苦しみから解放されて寝顔をしている。蜂を抱き枕にして。


その様子を黒髪の少女が愛おしそうに見つめている。


ジヒナは聖母のような笑みを浮かべ、いつまでもアオサの髪を撫で続けたのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [9日目]



(引き続きジヒナ視点)


窓から朝日が差し込む。もう一日経ったのか。


髪を撫でる手を止めて、鼻の下に近づける。


 すぅぅぅぅぅぅぅ…………


アオサの匂いがする。


アオサ「んぅ……」

ジヒナ「おはようアオサ♪」


アオサ「おはよう……」ぼけぇー

シェード「……zzz」


アオサの顔を見て頬が緩む。


アオサ「………」じい~


アオサが胸を見つめている。まったくしょうがない娘だなぁ。


ジヒナ「ほらっ」


胸元のボタンを外し、アオサの身体を起こしてあげる。


「はむっ」ちゅぷ


 ごくっ ごくっ ごくっ

 ごくっ ごくっ ごくっ


んんっ、この吸われる感じ……慣れないものね。


 スッ………


アオサが右手の人差し指を私の口にねじ込もうとしている。


 はむっ!


んん~アオサの味がする。


 じわっ………


アオサの指から液体が染み出てくる!?


ちょっと血の味がするけど、甘くておいしい。


 ごくっ ごくっ ごくっ

 ごくっ ごくっ ごくっ


「「ぷはぁ……」」



▼▼▼▼▼▼▼▼



シェード「ジヒナ、ジヒナ、そろそろ事情を話してもいいんじゃないかしら?」


ジヒナ「あ、ああ。そうだね………」

アオサ「んぅ?」


シェード「大丈夫、大丈夫なの。アオサは全部受け入れてくれるはずなの。」


アオサ「………」じぃーっ

ジヒナ「はうっ(きゅん)……分かった分かった、実は私は……異世界の女神だったんだ。」


-------------

しばらくお待ちください…

-------------


シェード「ふーん、色々あったのね。」


ジヒナ「うん、それでね、宇宙が消滅した原因はね………」ナデナデ

アオサ「んへへ」


ジヒナ「"おほしさま"だよ。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



ジヒナ曰く、ここは"過去の幻影"だそうだ。


ジヒナお気に入りのこの世界は9ヵ月後に突然"おほしさま"が現れて、全てが一瞬で消滅するそうだ。


"おほしさま"の事は気になるけど、それまで暇だな。


という事で………



▼▼▼▼▼▼▼▼



東区に病気に伏した老人いたら、行って蜂にしてナデナデ


西区に自殺しそうな学生いたら、行って蜂にしてナデナデ


北区にケンカをする獣人いたら、行って蜂にしてナデナデ


南区に死にそうな冒険者いたら、行って蜂にしてナデナデ


………


日照りの時はアイスクリームをしゃぶり


冷たい雨の日は暖かいココアをすする


みんな(蜂)に『アオサさま』と呼ばれ


ナデナデして


ハチミツミルクを飲む



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [9ヵ月後]


「………」そわそわ


ジヒナがそわそわしている。"おほしさま"出現まであと2週間。


ジヒナの左手にはシェードちゃん、そして右手には私。


手を繋いで大通りを歩いて行く。


ハチミツアイスを買って舐める。


私のおかげでハチミツ生産量が大幅アップしたのだ。


慌ててもしょうがない、ゆっくりしよう。


「ジヒナ、大丈夫だよ」

「うん、ありがとうアオサ」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [287日後]


何かが来る……


すごく嫌な予感がする。


シェード「いよいよなのね。」

ジヒナ「ああ、そろそろ来るよ!」

アオサ「さぁて、どんなバケモノが出て来るやら……」


………


ブゥン……………………………

24806311秒は 287日と2時間ちょい。


-------------

おほしさまLv??(タイプなし)


HP   :??

こうげき:??

ぼうぎょ:??

まりょく:??

せいしん:??

すばやさ:??

-------------

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― 新着の感想 ―
[良い点] > 何かが来る…… > すごく嫌な予感がする。 ほのぼのな空気(?)からのこの展開。 良いと思うのじゃ? [気になる点] > ちょっと血の味がするけど、甘くておいしい。 読んでおって…
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