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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
ネオバレルシティ ~過去を踏みしめ歩く街~
24/108

ドアを開けると……異世界だった。

想像力が暴走した結果。

ジヒナ「ここが入口だよー」ぐにゃり


船体と海面の境界上にまるい割っかが表れる。


ジヒナは輪っかの中へ吸い込まれるように歩いていく。


 ゆらり


アオサ達も輪っかの中へ歩いていく……



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [船のロビー]


「おっと」

「今度はナナメなのね。」


中に入ると重力の向きが変わる。ちゃんと船の天井から床への方向へ重力がかかっている。


そこはまるでホテルのロビーだった。


目の前には無人のロビー。


右側にある60度傾いた水面がどこか異様な存在感を放つ。


「こっちこっち~」


ジヒナは左側……水がない方へと歩いていく。


無限に続く廊下だ。……そう、長さ∞なのだ。


部屋の個数も∞個だ。


  ブゥン……

         (ブゥン……)  (ブゥン……)


ジヒナは高速移動して、24806311号室の前で止まる。


「ここだよ」


「すごいねこの廊下……」

「心臓がなかったら全部見渡せないの……」


「それはどうも、私の船は気に入ってもらえたようね。」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [ミストア公国 〜思い出うつる西洋街〜]


扉を抜けるとそこは……異世界だった。


石畳の道に石造りの家。立派なお城もある。


まるでヨーロッパだ。


近くには大きな川が流れていて、帆船や跳ね橋が見える。


外国に来たみたいでちょっとワクワクする。


「ほえー」

「アオサ、アオサ、蜂がたくさんいろわよ。孤児院の裏とか……」


-------------

テルビー 霊蜂魔獣


闇の魔力を帯びたミツバチ。

死者のメッセージを届けると言われている。

-------------


「すごーい!! 新種のハチだよー!!!!!!!!」ブンブン

「落ち着くのよアオサ、蜂は逃げたりしないわ。」


「ははは(苦笑い)、今日はここでお昼ごはんを食べようと思うんだ。ほらこっちこっち」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 [カフェ デメテル]


緑色の木造建築だ。ドアにまつぼっくりの装飾がある。


「ここはカフェデメテルっていうんだ。エルフのお姉さんが経営してるんだ」


「エルフ……見た事ないな」

「アオサ、アオサ、うちの世界にはエルフはいないのよ」


 カランカランカラン……


「あらいらっしゃい、3人でいいかしら?」


ほんとにエルフだ。耳が長い。小説の通りだ。



騒がしい外とは対称的に、中は広くて静かだ。


お客さんはいない。どうやら一番乗りのようだ。


「私は海鮮ガレットとリンゴ酒だ。」


「……チュロス、コーヒー、ピスタチオのアイス」

「あたしは……揚げたてドーナツとチョコレートケーキとリンゴジュースなの。」


「はーいしばらく待っててね〜」


……


目を閉じて耳を澄ましてみる。


(ガヤガヤ……) (ガヤガヤ……)

外の賑やかな音声はとても聞き取り辛い。



さわ~…… さわ~……

  ピョピョッ   ピョピョッ



小鳥のさえずりや風が草木を撫でる音はよく聞こえる。



ジュゥゥゥゥ

         (ぴちゃぴちゃ)


ドーナツを揚げる音が聞こえる。


「アオサアオサ~」ぐいっ

「おっと?」


急にシェードちゃんに引っ張られる。


おや? 雑貨コーナーかな?


皿、ティーポット、花瓶、絵本、ちっちゃな家、タペストリー……


ふーん、色々あるんだね。(興味ナシ)


「アオサアオサ~これこれこれなの!!」


シェードちゃんが絵本を持ってはしゃいでいる。


どれどれ~?



○○○○○○○○



 『おほしさまと流れ星』


むか~しむかし なにもないところに おほしさまが ありました。


おほしさまの まわりは まっくら


おほしさまは ひとりぼっちでした。


(ヒューン……)


あるとき とおくに ながれぼし。


おほしさまは ビックリ!


はじめてみるモノに なんだかワクワク


ながれぼしを おいかけます


ぎんがのかわを ひとっとび

あとにはなにも のこらない


むのおおあなも ひとっとび

あとにはなにも のこらない


いのちのほしも ひとっとび

あとにはなにも のこらない


となりのそらも ひとっとび

あとにはなにも のこらない



あっ、ながれぼしだ


「おーい!」


ながれぼしは にげていく


「まっておくれ」


ながれぼしは はなれていく


「まって……」


ぷちっ……


ながれぼしも ひとっとび

あとにはなにも のこらない


しかたがないので おひるねします


ゆめのなかには みんながいます


ぎんがのかわも むのおおあなも

いのちのほしも となりのそらも


みんな おぼえています


おほしさまと ながれぼしは なかよくあそびました


 おわり



▼▼▼▼▼▼▼▼



「スケールでかいね。」

「そうなのよ!」

「お星さま戦闘力高そう。私でも勝てるかどうか……」

「そうね、宇宙にはきっとバケモノがたくさんいるんだわ!」


遠くでジヒナさんがこちらを見て微笑んでいる。



絵本を読み終わって席に戻ると、ちょうど料理が運ばれて来た。


私のはチュロスにサラダとスープが付いている。



まずはチュロス。外はカリカリ、中は弾力がある。シナモンの香りがする。おいしい。


サラダは……レタス、トマト、ゆで卵、オリーブの実、見慣れぬ黄色い豆が入っている。ドレッシングではなく、バジルとオリーブ油で味付けされている。おいしい。


スープは……ミネストローネだ。タマネギとチースとパプリカが入っている。塩味が効いてていい感じ。おいしい。



ジヒナのほうを見る。茶色の薄いパン生地の上に白い魚介ソースがかかっている。


美味しそう。隣の芝はなんとやら……


 ヒョイッ


えっ、食べていいの? ジヒナさんがガレットを持つ手を近づけて来る。


 ぱくっ


 サクもちっ!!


ガレットは独特な食感だ。


 ズボュッ


 んぐっ!?


シェードちゃんにケーキを突っ込まれた。


もぐもぐ……あーこれめっちゃ高い奴だ。甘くてほろ苦くてコクがあって口の中で少しずつ味が変わっていく~。


……


ピスタチオのアイスクリームは……あ~濃厚。アイスの部分が舌でとろけて、ナッツの食感と合わさり……むふー! おいしい。


そしてコーヒー。大きなカップにエスプレッソとミルクが1:1の割合で入っているらしい。ふわふわミルク泡が乗っている。


ずずず……苦いけど、味がすごい!?!?!? 色んな味が一気に来る!こんなコーヒー初めて。おいしい。


シェードちゃんはバクバク食べてるね。……私のアイスに手を出してるし。まぁいいか。


 ……じーっ


ジヒナさんのリンゴ酒を一口もらう。


 すっ……げほっ


アルコールは……苦手だな。ちょっと味が分からなかった。


例のごとくシェードちゃんがリンゴジュースを押しつけて来る。


 ちゅーーーー……


おいしい。



▼▼▼▼▼▼▼▼



「ジヒナさん、素敵な体験だったよ。ありがとう。」

「ありがとうなの。」


「ううん、こっちこそ楽しかったよ!」


ちなみに食費はジヒナさんのおごりだ。


おっと、忘れないうちにママに写真送っとく……圏外だった。


「ねぇ、次はあっちに行こうよ。」ヒュン


こうしてジヒナさんに連れ回される事になった。

今日、スペースにルビを振ると小さい文字を打てる事に気付いた。


ヨーロッパの文化をググったけど、一般的な異世界とは随分異なりますね。特に蜂。

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― 新着の感想 ―
[良い点] > 今日、スペースにルビを振ると小さい文字を打てる事に気付いた。 今まで気付かなかったのじゃ……。 これからは"カサカサ"と書くのが捗るのじゃ? [気になる点] > ジヒナは高速移動して…
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