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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
ネオバレルシティ ~過去を踏みしめ歩く街~
23/108

ざざーん

ざざーん

 ざざーん


???「うーん、ここは?」


???「そう、私死んじゃったの……」


???「……」


 ぴこーん


???「!?誰か来る……へぇ、アオサっていうんだ」


???「ふふふ、歓迎の準備をしなきゃね」



▼▼▼▼▼▼▼▼



 ざざーん


「ううーん……」


太陽が正面から照りつける。ひどくキラキラして眩しい。


うーん、もう朝かな?


 ざざーん


波の音がする。


音だけじゃない。冷たい感触や潮の匂い、体の揺れも……


アオサ「んあっ? 海の上じゃん」


見渡す限り海ばかり。


青みがかった灰色の水面と、いつもより濃い青空。雲は影。


陽光が水面でキラキラして眩しい。


……


とりあえず電話しよう。


 プルルルッ プルルルッ


「もしもしアオサちゃ~ん?」

「おはようママ、今海を漂流してるの。」


「あらあら~大変ね。今日も頑張るのよ!」

「はーい。」


ピッ……



▼▼▼▼▼▼▼▼



現状を確認しよう。


持ち物『スマホ、リュック、6000円』以上。


背中にシェードちゃんが抱きついたまま寝てる。蜂形態の6本脚でがっしり胴体を掴んでいる。


口の中に指を突っ込み、血漿を流し込む


「うむっ!?……ちゅくちゅくちゅく」こくっ こくっ


 ズボッ!


むぐっ? シェードちゃんも私の口に指を!?


「「ちゅくちゅくちゅくちゅく」」こくっ こくっ


朝ごはんはシェードちゃんの濃厚ハチミツだ。喉を鳴らしてゆっくり飲み込んでいく。


「「ぷはぁ……」」


お互い、自分の指を舐めてにひひと笑う。


シェードちゃんはいつの間にかニンゲン形態に戻っていた。


昨日の理不尽な拒絶が嘘みたいに清々しい気分だ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



おや、遠くから何か近づいて来る?


   (さぶん ざぶん) (ざぶん)


人が泳いでいるのか?


さぶん、ざぶん、ざぶん、


白いキャップとゴーグルの日焼けした男……海パン野郎だッ!!


こっちに来てる!?!?


「おーい、大丈夫かい?」ざばざば


こっち来んな


「遭難かい?女の子2人で大変だったろ。今助けを呼ぶからな!」


「……」ぎろり

「そうじゃないの、そうじゃないのよ。あたし達は何の問題もないのよ!ほっといてなの!」


「ええっ? ダメだよ。どう見ても泳ぐ格好じゃないよね。船から落ちたとしか……」


「……」うずうず

「いいから放っといてなのっ! しつこいとぶっ飛ばすわよ?」


「もしかして自殺? だとしたら猶更……」


「蜂になっちゃえ!」ぽふん


ぶーん?


「はーいスイミィちゃん♪ ナデナデしましょう♪」



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



「あっ、いいこと思いついた!」


ひゅうっ



▲▲▲▲▲▲▲▲



 反転世界


ふっふっふ、ここには『時間』が存在しないから、エンドレスナデナデが可能なのだ!!


シェードちゃんと一緒にナデナデラッシュだ!


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


「可愛いよ」ナデナデ

「可愛いのよ」ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


「可愛いね」ナデナデ

「ちょっと羨ましいの」ぐりぐり


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


「……」はむはむ

「……」じゅるり


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ


  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



▼▼▼▼▼▼▼▼



「おねえさまぁ~」きゅっ


競泳水着を着た少女が擦り寄ってくる。海パン野郎が随分かわいくなったものだ。


「ごめんねスイミィ」

「あたし達もうナデナデしてあげられないの。」


「そんなぁ~」うるっ


「はいっ、これは進化のアメ。お友達に食べさせなさい。きっとナデナデしてくれるのよ。」

「分かったらさっさと行くのよ!」べしっ


「ッッ!! はいっ! 短い間ですがお世話になりました。」


  (ざばざばざばざば) (ざばざばざばざば) (……)



▼▼▼▼▼▼▼▼



「スイミィちゃんは行ったみたいね」

「そうね。」


「周囲を見てみようか?」

「心臓で見てるの!」


 ドクンッ!


「……でかい船があるね。」

「しかも随分ボロボロなの?」


「行ってみる?」

「もちろんよ!」


 ぴたっ、ぴたっ、ぴたっ


水上をゆっくりあるいて行く。


 ぴたっ、ぴたっ、ぴたっ


楽しい海のお散歩。


 ぴたっ、ぴたっ、ぴたっ


シェードちゃんと手をつないで、鼻歌まじりに歩いていく。


 ぴたっ、ぴたっ、ぴたっ



▼▼▼▼▼▼▼▼



「わーお」

「でかい船なの」


海にまっしろな豪華客船が刺さっている。全長500m はあるだろう。細長い船だ。


およそ60度の角度で刺さっている。


船の周囲は凍り付いた岩礁だ。


「アオサアオサ、誰かいるのよ」ぶんぶん


白い船首に船長服の少女が立っている。


(「やっほー!」)


手を振っている。


 ヒュン!


次の瞬間にはアオサたちの目の前にいた。


白いセーラー服の肩には黒い四角の板。白いズボンは無地。白い帽子には黒いつばがついている。


黒い短髪の少女は両手を開いて微笑む


「ようこそ船上都市ジヒノシティへ。私はジヒナ。歓迎するよ!アオサ、シェード」にこっ


「こちらこそよろしく。」

「よろしくなの。」ぶんぶん


無邪気な少女たちが握手をする。初対面なのに警戒心の欠片もないほのぼのとした空気が漂う。


どんな景色が見えるだろう、どんな食べ物があるのだろう。


ワクワクを胸にアオサは足を踏み出すのだった。

こんなん完全に想定外ですよ! もうノリに任せて暴走するしかないッ!!


-------------

ジヒナLvω(光+闇)


HP   :ω

こうげき:ω

ぼうぎょ:ω

まりょく:ω_1

せいしん:ω_1

すばやさ:ω_1


主な能力(ワザ)

・光速アンカー

・四次元ラッシュ

・ワープの輪

・ぐにゃり時空

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― 新着の感想 ―
[良い点] > 「もしもしアオサちゃ~ん?」 > 「おはようママ、今海を漂流してるの。」 > 「あらあら~大変ね。今日も頑張るのよ!」 > 「はーい。」 この流れはすごく良いと思ったのじゃ。 ……い…
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