海の底へ。深く深く潜っていく。
連続体仮説ちゃん「無限で割った結果を 0 にしてはいけないの!」
作者「何?速度が無限なら0秒ではないのか!?」
→という事で、速度∞なら『時間なし』という事にします。
ローズ「あらぁ?お金が足りないのかしらぁ。」
私の手持ちは6000円。まさか情報料だけで6000取られるとは……
赤血球で金を増やしてもいいけど、せっかくなら……
すぅぅ、はぁぁ。
軽く深呼吸して気持ちを切り替える。
アオサ「ローズさん、これは"進化のアメ"っていうの。」ニヤリ
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(ローズ視点)
ゾワッ!
背筋に寒気が流れたわ。
アレは捕食者の目よ。ちょっとからかってあげるつもりだったのに、油断するとこっちが食われかねないわ。
アオサ「"進化のアメ"……これを食べると貴方の望むように肉体が変化するんだよ。」
ローズ「……」じーっ
危険な香りね。
アオサ「例えば、お肌がツヤツヤになったり~、髪がサラサラになったり~、女子力が上がったり~」
ローズ「!?!?」ガタッ
なんですって!?…… ふぅ、落ち着くのよワタシ。そんな理想的なブツがあるわけないじゃない。
ローズ「それで、代償として何を失うのかしらぁ?」ギロッ
アオサ「さすがローズさん。このアメを食べると~」
ローズ「食べるとぉ~?」
アオサ「女の子になっちゃうの!」にこっ
ローズ「……アナタねぇ、本気で言ってるのかしらぁ?」
アオサ「もちろん本気だよ。既に犠牲者も出てるんだから。」ニヤニヤ
……女の子、ワタシは確かに子供の頃から性別と好みが一致してなかったわ。
服装や恋愛対象は女の子のソレだったわ。でも、カッコいい物や冒険譚に憧れる男の子の側面もあったの。
男にも女にもなれない……そんなワタシが今更女の子だなんて。
アオサ「別に今すぐ食べなくてもいいよ。はいっ。」
ローズ「あっ」
捕食者の眼光は、いつの間にかキラキラした子供の目になっていた。
アオサ「じゃあね~ローズさん」ブゥン……
ローズの手の中には2個のアメ玉が残っていた。
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その後、ネオバレルシティの5番通りでオカマとパンツマスクがカフェを開いたという。
女の子より女子力が高い空間は、一部の女子達にコアな人気となったらしい。
女子力の高さ故に"実は女の子"という噂が流れたが、真相は闇の中である……
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(アオサ視点)
太陽が斜めにギラギラと照りつける。
眩しくて目を細める。
……よしっ、キクラちゃんの居場所を探しますか。
心音センサー発動!
ドクンッ!
いたいた……海の中かな? やっぱり水龍になってる説が濃厚だ。
ということで、瞬間移動(力技)
ブゥン……
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[ネオバレル南西の海上]
陽光が反射して眩しい。
海は静かだが、私の心はさわさわしている。
アオサ「……(この下にキクラが)」
シェード「アオサ、アオサ、キクラって妹なのよね。アタシ達を害虫を見る目で見てたアイツなのよね。」
アオサ「……うん。」
シェード「会ってどうするつもりなのかしら?」
アオサ「……分からないよ。でも、心がざわつくんだ。」
シェード「ふーん、まぁいいわ。アタシは待ってるから。」
ざぶん……
海水が全身を柔らかく包み込む。
服は水を吸ってゴワゴワして変な感じ。
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[水中10000m]
光も届かない真っ黒な空間。
周囲には、クラゲのようなタコや球状のイソギンチャク、トゲトゲの蟹やエビといった不思議生物がうようよしている。
……
懐かしい気配がする。幼少期の記憶が蘇る。
確信した。そこにキクラがいる!
???「キュリリィィィィィィイ!!!」
どこからともなく攻撃が飛んで来る。
--???は氷の魔槍を使った
--アオサにダメージはないようだ。
キクラ、お姉ちゃんだよー
--???は電撃を放った。
--アオサにダメージはない。
おーいキクラー
--???は魔石油を爆発させた。
--アオサにダメージはない。
キクラぁー?
--???は水圧で押しつぶした。
--アオサにダメージはない。
キクラっ!!
???「」ビクッ
ガタガタガタガタ
海が震えている。
この感覚……怯えだ。ドラゴンに睨まれたスライムのように震えているのか。
アオサ「キクラ、大丈夫よ」
???「あっ」ビクッ
アオサ「キクラ?」
???「ぃやぁ……」ガタガタ
アオサ「どうしてっ!?」
???「ゃだぁ……」プルプル
アオサ「キクラぁ!!」
ガシッ
私は手を突き出し"何か"を掴んだ。
これがキクラ。形のない謎のエネルギー集合体だ。『魂』というモノだろうか。
???「あっあっあっあっ」ガタガタ
魂の奥底から怯えが伝わってきた。
かなしい。
ナデナデする。
ビクッ、プルプルプル、ビクビクッ、プルプル……
泣いているの?
私も泣きそう。
そこにあるのは深い深い拒絶の意志だ。どうしてそこまで怯えるのか、私が何をしたのか……
分からない……
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アオサ「シェードちゃん……」
バヒュン
シェード「呼んだかしら?」
アオサ「あのね、キクラちゃんを6年前に送りたいの。」
シェード「そうなのね。」
アオサ「それでね……どうすればいいかな?」
シェード「そうね……」
私の赤血球の『回収』と『付与』だけじゃ、時間を跳ぶのは難しい。シェードちゃんにアイディアを聞いてみる。
シェード「分かったわ、分かったの。まずは赤血球でワタシに"過去と未来が見える能力"を付与するのよ!」
アオサ「なるほど、その手があったか。行けっ赤血球」
>シェードに『過去と未来が見える能力』を付与。
シェード「次は"反称"の能力で、キクラの時間を反転させるの。基準は3年前ね。」
アオサ「はえー(すごい)」
……シェードちゃん微調整中
シェード「アオサ、自分にも"過去と未来が見える能力"を付与するのよ。」
アオサ「えっ、うん分かった」
>アオサに『過去と未来が見える能力』を付与。
シェード「6年前のキクラの肉体を対象に今の魂を"付与"していい感じに混ぜるのよ!」
アオサ「うん。」
せーのっ
シェード「反称!」
アオサ「行けっ赤血球」
ブゥン……
アオサ「これで良かったのかな?」
シェード「さぁ、知らないわ。」
アオサ「そう……」
シェード「アオサ、ナデナデしてあげる!」
アオサ「ぁっ……」
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ナデナデ、ナデナデ
ああ、何も考えたくない。
このままシェードちゃんのされるがままになる。
指を突っ込まれてハチミツを流し込まれる。
んぐっ、んぐっ、んぐっ……
海水のおかげで甘さが引き立つ。シェードちゃんの指の味もする。
深海ナデナデは涙とハチミツの味だった。
このまま5時間ナデナデされ続けたのだった。
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「って事があったの。」
「あらあら、大変だったわね。」
「私、どうしたらいいの?」
「慌てる必要はないのよ。少しずつでいいの。少しずつ近づいていけばいいのよ。」
「うん、……ありがと。」
「それじゃぁおやすみなさい、アオサ。」
「うん。おやすみ」
ピッ……
TO BE CONTINUED……
描写力が足りない。圧倒的に足りない。勢いで仕上げた後、改良版を出すのがいいのかなぁ?