BOSS:反称龍ギスラヴァール ~歓喜に包まれて~
ω_1 とは無限を1回超越した無限である。
連続体仮説ちゃん「すごそうに見えるけど、ケツから二番目の無限なのよ。」
※分かりにくいので近日修正予定。
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アオサ 第二形態
Lv ω_1(水)
HP :ω_1
こうげき:ω_1
ぼうぎょ:ω_1
まりょく:ω_1
せいしん:ω_1
すばやさ:ω_1
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アオサは歓喜に包まれた
この力があれば大切なママと蜂に会えない心配など不要。
かん高い叫びと全身の震えで喜びを表現する。
赤黒い球体の鼓動からはキラキラとした正の感情が広がる。
そして渦巻く歓喜の中で思考を巡らせる。あの不死の龍を滅ぼす手段を。
そして閃いた。
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[12ターン目] 高揚感で全身が震える
(まずは弱らせて……)
--アオサは血管を伸ばし斬撃を放った。
スパァン!
--ギスラヴァールに ω_1 のダメージ
--ギスラヴァールは倒れた。
--反称龍ギスラヴァールが現れた。
「ぐはぁッ、何だ、何なのだアレは?!」
ギスラヴァールの本能が騒ぐ。アレは危険だ!
--ギスラヴァールはリバースブレスを使った。
ブォォォン
前方に虹色のブレスが広がっていく。
「反転する対象はランダム複数だ。原型も残らぬまで反転し続けるがいい!」
--しかし何も起こらなかった。
「バカな!?」
『アハハッ、残念だけど耐性値も∞を超えたみたいよ。』
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[13ターン目] もう少し弱らせるほうが良さそうだね♪
--アオサの体当たり!
ドゴォォォォン!!
「グワァァァァ!?!?」
--ギスラヴァールに ω_1 のダメージ
--ギスラヴァールは倒れた。
--反称龍ギスラヴァールが現れた。
「ぐぬうッ、これだけは使いたくなかったが、もはや出し惜しみはできまい。」
『アハッ、必殺技かな?』
「喰らうがいい我が最終奥義:精神反転」
白血球『異物は殺菌だオルァァァァ!!』
ドシュッ!!
「グワァァァァァァァァ!?!?」
--ギスラヴァールに ω_1 のダメージ
--ギスラヴァールは倒れた。
--反称龍ギスラヴァールが現れた。
「はあ、はあ、我が奥義があのような形で破られるとは……」
『反称龍さん、そろそろ時間切れだよ。おやすみなさい。』
「!!?」
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[14ターン目] そろそろ終わらせるよ。
『行けっ、赤血球!』
>反転世界そのものを対象に「睡眠」を付与。
「うっ……」
--ギスラヴァールは眠ってしまった。
--ギスラヴァールはぐうぐう眠っている。
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[15ターン目] さよなら反称龍さん。
「侵略しろ、毛細血管! そして支配しろ、私の神経!」
ずぶずぶずぶずぶ
◯◯◯◯◯◯◯◯
『おまえの名はギスラヴァール。おまえに反転世界が守れるか?』
母の声が聞こえる。
すまぬ母上、我はここまでのようだ。
だが、この者なら、アオサなら……
正義に流されず、ただ生命を見守る事ができるだろう。
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無限に広がる反転世界をアオサの血管が満たしていく。
全ての素粒子がアオサと同一存在となった。
天候や自然災害、時空の歪みその他あらゆる現象がアオサの想像力によって干渉される。
反転世界そのものだったギスラヴァールは存在意義を失い、体が小さい光の球となって徐々に薄れていく。
今まで幾度となく反転世界を守ってきた意志が、人も神も強者も弱者も全て退けてきた歴戦の猛者が、崩れ去っていく……
『最後に何か言う事はある? ギスラヴァールさん。』
「我は素直に負けを認めよう。お主になら反転世界を任せていいだろう。だがアオサよ、上には上がいるのを忘れてはならぬぞ。」
『大丈夫、何が来ても乗り越えて行くよ。』
「そうだ、それでいい。」
『ところでギスラヴァールさん、蜂に興味があったり?』
「生にしがみつくつもりはない。敗者は大人しく消え去るだけだ」
『それは残念だ。』
「そろそろ時間だ。アオサよ、いい戦いだった。」
反称龍ギスラヴァールは光に包まれて消えていった。後には淡い光の残滓が漂っていた。
そして、長い永い0秒間が終わりを告げる。
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午後11時。何も知らない星々はいつも通りキラキラしている。
アオサは仰向けに寝そべっている。森の中で柔らかい土と草に背中を預け、少し虚ろな目で空を見ている。
何も考えずに眠りたい気分だ。
ぶぅん……ぶぅん……
遠方からの翅の音がそれを許さない。
満身創痍な弱々しい羽音。一瞬で状況を理解させられる。
「シェードちゃん………」
ブゥン……
眼前の蜂はまさに『ボロボロ』と表現すべき有様だった、翅には穴が開き、腕はちぎれ、内臓がえぐれて体液が滴り落ちている。
ぎゅっ
アオサは泣いた。先の戦いで痛みを知ったのだ。眼前の蜂の苦痛を理解し涙を流す。
「ごめんね、シェードちゃん。ごめんね、ごめんね、」
(アオサ、アオサなのね。アオサ。)
「うん、うん、」
アオサの涙がシェードの傷口に沁み入る。
(アオサ、アオサ、ワタシ頑張ったのよ。)
「うん、」
(会えてうれしいのよ。)
「私も嬉しいよ。シェードちゃん」
(アオサ……)
「シェードちゃん」
(アオサ、もうどこにも行かないで。これからずっと一緒なのよ。ずっと、ずっと、ず~っと一緒なの。)
「……分かった、約束しよう。たとえ宇宙が破滅しようとも、私たち2人は一緒だよ。」
ずぶずぶずぶずぶ
ずぶずぶずぶずぶ
(ああっ!? アオサ、アオサ、アオサぁぁぁぁぁ!!)
アオサの血液がシェードを満たしていく。
星々に静かに見守られて、2人は一つになっていく。
2人は愛に包まれて深く深く墜ちていった。
ノリと勢いでここまで書いてしまった。後悔も反省もしてないが、恥ずかしくなってきた//
無限の知識は Wikipedia 由来のつけ焼き刃なんで、数学ガチ勢からするとおかしな点があるかもしれません。
とりあえず『ωの横の数字が大きいほどデカイ』という認識でおk
→詳しくは『極限順序数』のページを