最終回:バトルプラネット
[バトルプラネット 〜永劫なる戦場は八の塔〜]
シェード:「ほえーなの」
アオサ:「ふっふっふ、星を改造してみたんだ」
そびえ立つタワー!
乱立する飲食店!
そして蜂の巣!
自然と建物が交互に並ぶ不思議な光景
シェード:「マラサダくださいなの」
店員:「はいどうぞ」
露店で買い物、早速順応するシェードだった。
スカラ:「ふおおおお!! 拙者はニンジャ屋敷を見て来るでござるッ!」
スカラは四の塔に行ってしまった。
アオサ:「そうだね、一旦解散しようか」
ハッチ:「みんなー、時間までには戻って来なさい」
私とシェードの2人きり。みんな空気を読んでくれたみたい。
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アオサ:「ここがアオサタワーだよ!」
シェード:「名前がまんまなの!」
天を突きそびえ立つ青緑のタワー。
自販機と飲食店を無駄に充実させてしまったけど、後悔はしてない。
シェード:「見たところ、全次元のアオサを召集してバトルさせるのね?」
アオサ:「うん。よく分かったね」
受付嬢の目の前でペラペラおしゃべり。なんだか不思議な感じだ。
アオサ:「3時間後にエキシビジョンマッチをしようと思ってるんだけど… 」
シェード:「迷ってるのね?」
アオサ:「やっぱりザハトの派手な斬撃がいいのかなー?」
シェード:「・・・」
アオサ:「それとも女神さま出そうかな?」
シェード:「・・・」
うーん
シェード:「アオサ」
アオサ:「なあに?」
シェード:「アオサに勝負を申し込むの!」
アオサ:「!?」
シェード:「勝ったらユイキリと分離するの!!」
なんてこった!?
ママとの仲を引き裂こうと言うんだね。
アオサ:「…いいよ。代わりに… 私が勝ったらママの事を認めてね」
シェード:「うっ… 分かったの」
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司会:「バトルプラネット、アオサの世界へようこそ。天気は快晴、スタジアムは熱気に包まれているよ! リングアナウンスは私アオサが勤めさせていただきまーす!」
司会:「綺麗なアオサも汚いアオサもアオサじゃないアオサも、みんな仲良く盛り上がっていきましょー!!」
司会:「さてまずは、バトルプラネット開園を祝してぇ〜、エキシビジョンマッチを行いまぁす!」
てれれれ てれれれ てれれれ てれれれ♪
司会:「青コーナー、燃える瞳は嫉妬の紫、愛と努力のヒロイン、シェードォォォォォ!!!!!」バァァァァァァン
シェード:「覚悟するのよアオサー!」
司会:「そして赤コーナー、我らが心臓、我らがヒーロー! 隣人にして創世女神、アァァオォォサァァァァァ!!!!!!!!」バァァァァァァン
アオサ:「やっほー」
司会:「ルールは簡単、一対一の真剣勝負! 増えたらダメ。」
司会:「毒針サドンデス、針に刺されたら命の保証はないぞ! それでは、バトル開始ィィィィィ!!!!!」ドォォォン
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アオサ vs シェード
[1ターン目] 重力も大気圧も何もかもが重い
シェード:「行くの!」シャキン
まずはどくばり創造、先端は特異点だ!
刺されると命に関わるぞ!
翅を広げて一直線にアオサの喉元へ!
キィィィィィィン♪
アオサ:「……」ニヤリ
喉から毒針を生やして相殺! そして…
シェード:「!?」サッ
おおーっと、二刀流だー!
ガキィィィィィン!!
シェード選手、針の先端で逸らしていくー!
アオサ:「さすがシェードちゃん」
シェード:「アオサこそなの!」
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[2ターン目] 荒れ狂う歓声を聞き流す
アオサ:「……」
>『シェード』に『ナデナデされた状態』を付与
アオサの赤血球こうげき!
シェード:「読んでたの」べしっ
しかし素手で弾かれた!!
シェード:「……」ぶーん
おおっと、シェードが飛んだー
シェード:「《ショックウェーブ》なの!」バリバリ
なんと翅から電子が飛び出していくー!!
会場にとどろく電子の嵐!
可愛いエレビトちゃんの形をした毒針だー!
アオサ:「こっちも、白血球アタック!」
なんと、白血球で迎え撃つ! どくばりパワー同士が相殺ー、壮絶なたたかいだぁー!!
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[3ターン目] そろそろ宇宙に行こう!
おおっとアオサの体内の宇宙が解放される!
スタジアムが銀河で満ち溢れたー!!
アオサ:「白血球ビィィィィィム!!」
シェード:「闇の障壁なの」
ボォォカァァァァァァン!!!!!
おおっと!? ビームによって何層もの宇宙が吹き飛んでしまったァァ!!
シェード:「心臓麻痺針なの!」プッ
アオサ:「ウッ!!」
心臓麻痺!! これは耐えられるのか!?
アオサ:「ふん!!」ドクン
心臓を強化してやり過ごしたぁー!!
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[4ターン目] さあ次は何が来る?
一進一退の攻防が続いております。
シェード:「そろそろとっておきの必殺技を喰らうがいいの!」ゴゴゴゴゴ
拳にどくばりが集まっていくぅ〜!!
アオサ:「来なよ、シェード」
シェード:「行くのよ、《毒針ブラックホール拳》なの!」
おおっと毒針の先端からすごい吸引力だ!
シェード:「ゼロ距離で吸引してやるの!」ギュイン
なんと天体が一瞬にして吸われてしまったぁ! アオサは大丈夫なのか?
アオサ:「今だ!」ボコッ
シェード:「ぶへっ」
おおっと強烈なカウンターが炸裂!
シェード:「残念なの!」ガキィィィィィン
なんと顔面に毒針を出現! 毒針ガードだ!
シェード:「捕まえたの」ガシッ
そして抱きつかれたあー!! ゼロ距離で何をするのか?
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[5ターン目] 至近距離だ!
シェード:「《蜂の巣ロール》なの」
シュルルルルルルルゥ……すぽっ♪
なんという事だー! 我らがアオサ、蜂の巣に吸い込まれてしまったぁぁぁ!!!
ガタガタ ガタガタ ガタガタ
シェード:「無駄なの。力は堂々巡り、蜂の巣からは出られないの」
こーれーはー勝負あったかー?
10数えるとKO。それではみなさんカウントスタート!
10
9
8
ガタガタ
シェード:「無駄なの」
7
6
5
ガタガタ
シェード:「後出しジャンケンなの。アオサより強いパワーで蜂の巣を補強し続けるだけなの」
4
3
2
ガタガタ
シェード:「約束は守ってもらうの!」
1
ドカァァァァァァン!!!!!
シェード:「げほげほ、どういう事なの?」
おおっと蜂の巣に穴が空いてハチミツが溢れるぅ?
爆煙に神々しいシルエット!?
これは、これはまさかー!?
ユイキリ:「あらあら〜、公理をいじって穴を開けたわ〜♪」
おおっと!? ここでまさかのママ! 我らが聖母でPTA会長! ユイキリだぁぁぁぁぁ!!
シェード:「出たのねクソババア!」
ユイキリ:「うふふ〜ナデナデで溶かしてあげるわ〜」
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[6ターン目] うふふ、さてどうしましょう♪
ユイキリ:「おいでシェードちゃん♪」
シェード:「ぶん殴ってやるの。どくばりパンチ!」
トゲトゲの拳が襲いかかるぅー!!
ユイキリ:「甘いわねシェードちゃん」
シェード:「!? …あっ」
おや、シェードの様子がおかしいぞ?
ユイキリ:「美味しい?」
シェード:「う、うるさいの!…」
なぁんと、ユイキリはシェードの口内にハチミツを出現させたようだ!!
ユイキリ:「そのハチミツはね、アオサちゃんなのよ〜」ニコッ
アオサ:「今シェードちゃんの胃にいるんだよ」
シェード:「あ、アオサなの!?」
シェードに動揺が走る!
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[7ターン目] いい事思いついたわ〜♪
ユイキリ:「そうね、せっかくだし、おいで女神ちゃん♪」
女神:「はーい!」
女神:「えへへ」
女神:「わはー♪」
女神:「うふふふふ」
女神:「あははー♪」
女神:「わーい♪」
女神:「いくよー」
女神:「えーい」
女神が8人!? これは理不尽だー!
シェード:「ふざけんななのー!!!!!」
ボコッ ボコッ グサグサ ブスブス
これはひどい!
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[8ターン目] もう勝負はついたわ〜♪
シェードは女神に捕まってしまったー! ここからどうなるのか!
ユイキリ:「シェードちゃん♪」ナデナデ
シェード:「うっ…」ギリッ
ユイキリ:「私はアオサと同一存在よ〜、受け入れなさい」
シェード:「嫌なの! アンタなんか嫌いなの!」
ユイキリ:「でも心臓は正直よ〜」
シェード:「はうっ!?」
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[9ターン目] とりあえずナデナデしましょう
ユイキリ:「そうね、アオサちゃ〜ん♪」
アオサ:「はーい」
ユイキリ:「シェードちゃんに乗り憑るのよ〜」
アオサ:「うん!」
シェード:「ちょっとアオ──ママーナデナデー」
ユイキリ:「よしよし」ナデナデ
──止めるの、アオサの感情が駆け回るの! こんなの、こんなの…
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[10ターン目] 心を開いたようね〜♪
ユイキリ:「どうかしらシェードちゃん?」
シェード:「あ、……嫌、じゃないの」
ユイキリ:「良かったわ〜」
シェード:「うん。ナデナデされると全てがどうでも良くなったの」
ユイキリ:「うふふ、私の心はアオサちゃんの物。だから貴女の事が好き」
シェード:「今ならユイキリからアオサを感じるの。仕方ないから愛してあげるの」
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アオサ:「ママー」
ユイキリ:「アオサちゃん♪」
母の膝枕。
タワーの最上階に腰掛けて、夜の街を見下ろしてみる。
様々な宇宙の様々な戦士たちが熱い戦いを繰り広げている。
勝率は、ザハト、メガマッソウ、アマノウスの3強(シオサとユイキリ人格は出場禁止級)
アオサは互角の戦いがニガテのようだ。
ママの膝に埋もれて幸せそうにしている。
シェード:「」モジモジ
ジヒナ:「」にへら
シェードとジヒナは口の中。全身ハチミツに包まれて、かつてない幸福感で満たされている。
母と娘の間には、黒い塊がキラキラ光る。
宇宙を包み込んだシオサだ。
母と娘の外側も、黒い塊で包まれている。
アオサだらけの宇宙だ。
そして更に外側にはより大きな母と娘。
更に外側にはより大きな母と娘が膝枕をしてナデナデ。
バウムクーヘンのように重ね、ハチミツのように溶かし、スルメのように裂いて、また何層にも重ねて……
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小説はここで途切れてしまった。
ユイキリの手から正体不明のパワーが放たれた。
完全描写不能のパワーが小説をダメにしてしまったのだ。
貴方はその後のアオサを見る事は叶わない。
しかし少しだけ、少しだけではあるが紹介しよう。
親子の愛を育むためにリミッターを外したアオサは、そのパワーを爆発させた。
人類が表現可能な数など0秒の内に遥か後方へ置き去りにした。
数の法則を破壊して、『全て』より大きいという矛盾溢れる存在になってもなお成長は止まらない。
ナデナデで尽きない体力を求めて
繊細かつ力強いナデナデを求めて
撫でてもすり減らない体を求めて
際限なく増加する幸福感を求めて
ナデナデに耐える精神力を求めて
素早くナデナデする速さを求めて
今日も上限を粉砕し続ける。
宇宙も、法則も、概念も、『全て』でさえも、あらゆるモノを重ねて溶かして引き裂いて……
それぞれの宇宙では、たくさんのアオサが幸せに暮らしている。
男装して様々な人格を演じ、辛い時にはママにナデナデされるのだ。
アオサの故郷、リーブタウンでは幸せの翅音が響き渡る。
蜂たちが毎日少しのハチミツと花粉を採取し、家族と分け合う穏やかな日々。
時にはバトルプラネットへ行き、思う存分暴れるのだ。
今日の平和は明日も、その次も、いつまでも続いていく……
世界一幸せな少女アオサのお話は、これでおしまい。
未熟な駄作を最後まで読んで頂いてありがとうございます。
疲れて描写が雑になったり、未熟さに気付いて勝手に傷ついたり、その場の思いつきで暴走して後になって頭をかかえたり……色々ありましたが、完結しました。
ご愛読ありがとうございました。
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アオサ&ユイキリ Lv(絶賛増加中)(水)
HP :ナデナデされ続けても減らない
こうげき:ナデナデで全宇宙を消せる
ぼうぎょ:ナデナデされてもお肌が痛まない
まりょく:ナデナデで色んな法則を創造、破壊できる
せいしん:ナデナデされても正気でいられる
すばやさ:ナデナデ速度は完全に表現不可能
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