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愚者の心臓・蜂娘 〜蜂をナデナデする話〜  作者: ✨️ゲーミング百合✨️
バトルプラネット 〜永劫なる戦場は八の塔〜
106/108

筋肉

筋肉の組成…




 (ラリルリ列島、カンガシティ)



 地下鉄を降りると、そこは寂れた海沿いの住宅街だった。


 ラリルリ列島西部の町、カンガシティ


 人口はアオサ5割でカンガルー5割、そして全人口がトレーニングジムに通うという異色の町でもある。


アオサ:「マラサダおいしいね」もしゃもしゃ

シェード:「チキンマラサダなの」もしゃもしゃ


 防波堤に座って海を見る。


 砂浜の手前に消波ブロックが詰まれ、沖の方にも消波ブロックがある。


 波は静かに寄せては返している。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 カンガルーの顔みたいなスタジアム。中に入る騒がしい。


メガマッソウ:「ハッハッハ、アオサよよく来てくれた!」

Jr:「やっほー」

アオサ:「久しぶりメガお母さん!」

シェード:「相変わらず暑苦しいの」


 相変わらずすぐに駆けつけてくれるカンガルーのお母さん。


メガマッソウ:「以前とは比べ物にならない程の強さを感じるぞ! さあ勝負だ!」


 いきなり勝負をしかけてきたよ。


アオサ:「いいよー」

シェード:「今度こそぶん殴るのこの脳筋カンガルー」




▼▼▼▼▼▼▼▼



メガマッソウ:「喰らえ、《サンダーナックル》!」



   ドゴォ



--こうかは ばつぐんだ!



アオサ:「ぐふっ…」ぱたり




シェード:「の?」



メガマッソウJr『ひかりぱんちー』



   ドゴォォォォン



--こうかは ばつぐんだ!




シェード:「ほえー」



   ぱたり



▼▼▼▼▼▼▼▼




メガマッソウ:「アオサよ、お主、同格との戦闘に慣れていないな?」

Jr:「なれてないな!」


アオサ:「う、うう……そうだね」


 同格……確かにあんまり経験した事ないかも。


シェード:「待つの! どうしてカンガルーがそんなに強いの?」


メガマッソウ:「説明しよう、アオサ! この前オレに心臓移植をしたな?」

アオサ:「え、うん」


 えーと、スラスラスターへ行く前、だったよね。


メガマッソウ:「この心臓からはな、望めば望むだけ無尽蔵にパワーが溢れてくるのだ」

シェード:「そういう事なのね」


 私、危険物を配布しちゃったんだね……今更だけど。


メガマッソウ:「そして先程の《サンダーナックル》、これは雷タイプのワザだ」

アオサ:「! まさか!」


メガマッソウ:「そうだ、アオサは水タイプ、弱点を突いたのだ!」


 なるほど圧倒的な戦力差ならともかく、同格なら弱点が有効なのかー。でも……


シェード:「待つの! 弱点と言ってもせいぜい2倍か4倍ダメージなの。そんなちんけな倍率、あたし達には無意味なの!」


 そう、心臓に穴を開けて以降、倍率なんて無意味……なはず?


メガマッソウ:「確かに今まではそうだった。しかしだな、最近何かが変化したのだ」

シェード:「何かなの?」


メガマッソウ:「そうだ、何かは分からないが、使えるものは使うべきだろ?」


 最近変わったもの……もしかして、シオサ?


   ほわほわほわ〜


シオサ:「そうです、私が変えました。」


アオサ、シェード:「「シオサ!?」」


メガマッソウ:「お主がアオサの娘か?」

シオサ:「シオサと言います、お見知り置きを。」


 エメラルドの髪を揺らしてスカートをつかんでカーテシー、ほんとよくできた娘だよ。


シオサ:「遅れながらルール変更のお知らせです。タイプ相性の弱点を突くと、ぼうぎょ=0、耐性=0でダメージ計算されるようになりました。」


 なかなかシビアな設定。でもこのくらいじゃ死なないからね私たち。



▼▼▼▼▼▼▼▼



メガマッソウ:「ところで、アオサ戦隊というものを結成してみたのだが──」

シェード:「待つの、不穏な響きなの!」


 アオサ軍団? … うっ、記憶が流れて来る…



アオサ:「ほとばしる汗、アオレッド!」

アオサ:「光り輝く筋肉、アオブルー!」

アオサ:「強靭なる首筋、アオグリーン!」

アオサ:「浮き出る血管、アオパープル!」

アオサ:「ゴツゴツの掌、アオシルバー!」


アオサ×5:「5人揃ってアオレンジャー!!」


   HAHAHAHAHAHAHAHA


アオサ:「うわぁぁぁあああああ!?!?!?!?」

シェード:「いやぁぁぁあああああ!?!?!?!?」


 筋肉だ! 筋肉ダルマに私の顔を取って付けたような筋肉の筋肉の筋肉……


 大胸筋が、めっちゃ、ピクピクしてる、うげっ、


 ごめん、ママ、交代──


 ──あらあら〜、アオサちゃんならみんな可愛いのよ〜♪


ユイキリ:「みんなーナデナデの時間よー」

アオサ:「「「「「はーい♪」」」」」



  ナデナデ、ナデナデ

 ナデナデ、ナデナデ

ナデナデ、ナデナデ



シェード:「地獄絵図なの…」

メガマッソウ:「ほら、ハチミツミルクプロテインだ」


シェード:「飲むの」ごくごくごく



▼▼▼▼▼▼▼▼



アオサ:「今日はありがとう」

メガマッソウ:「はっはっは、いつでも来ると良い、今度良い勝負ができると良いな」


アオサ:「うん、また来るよ」

シェード:「今度は針山にしてやるの!」


 今日はいい体験だったなー


アオサ:「シオサは来ないの?」

シオサ:「ママ。自分の皮膚をよく見て」


 えっ? 左手を見る。腕時計を確認するみたいに、じーっと……


 私の目が捉えたのは……


シオサ:「ママー」

シオサ:「おーい」

シオサ:「やっほー」

シオサ:「えへへー」

シオサ:「ふぃ〜」

シオサ:「ビリビリ」

シオサ:「ブルブル」

シオサ:「ナデナデ〜」



 わぁシオサがたくさんいる〜私の筋肉は全部シオサ細胞だ〜ナデナデしよう!


 ナデナデ、ナデナデ


シェード:「なによこれ!?」


メガマッソウ:「ほう? 俺の細胞もオマエだったのか」

シオサ:「素粒子とか概念とか情報とか、宇宙の要素の大部分は私で埋め尽くしておきました。」


 そうだ、シェードちゃんの身体もシオサだらけ!


アオサ:「シ〜オサ〜!」

シェード:「なのッ!?」ビクッ


 ナデナデ、ナデナデ



▼▼▼▼▼▼▼▼



   ごくごくごく


アオサ:「やっぱ独特だね」

シェード:「ココア味なら飲めるの」


 ミルクプロテイン、ココア味。


 ミルクココア色のような飲み物、喉に張り付く力強くて甘いココアの味。


 口に広がり、鼻に広がり、胃までココア風味が広がっていく。


 普通の液体、普通ののどごしなのに、筋肉を飲み込むような独特な味わい。



   ざざーん



 岸壁に腰掛けて、波音を聞き、そよ風を感じる。



   ざざーん



 プロテインをちびちび飲む。



   ざざーん



 平和なひと時。



   ざざーん



 遠くでヒーローショーをやっている



   ざざーん



  (紫電の勇者アフン)  (そして)  (活命の勇者ポター)



   ざざーん



 観客は(アオサ)とカンガルーだ。



   ざざーん



 不意に死の予感が心臓へ、そして魂、心、存在へと伝播する。



   しーん……



 意識集中させる。



   ……



 謎の第六感……顔面へのストレートが来る。



   ……



   ……



   ……


















キクラ:「お姉ちゃん殴らせて!」



   ガスッ!



 妹の右ストレート、左後方に首をずらし、回避。


   ガシッ!


 右手で首を掴んで



   ドゴォ!



 地面へ叩きつける!



ツチビト:「いたーい」

シオサ:「ママ頑張って!」

ツチビト:「かいかーん」



 大地は割れないけど、キクラにダメージは入った……はず?



キクラ:「ふごぉ……」にゅるっ



 キクラの背中から、ワカメが生える!



   ズボッ



 左胸を突き破り、私の心臓へ!



シェード:「アオサー!!?」



   ずずずずず……ガシッ



 何かを掴んで取り出して……



キクラ:「……」



 無言で立ち上がる。



キクラ:「……」



 両手を開いて、閉じて……



アオサ:「えっと、キクラ?」


キクラ:「うふふふふ、久しぶりですねアオサちゃん♪」



 なんてこった!



シェード:「ななななな、くそ女神なのー!」



 髪が白くなって、イソギンチャクの髪飾り、そして足が裂けて8本のイカ足に!



 女神さまが復活してしまった!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > 筋肉 あぁ、あの、鍛えておらぬと容易に人を裏切るアレじゃな? > --こうかは ばつぐんだ! × こうかは ばつぐんだ! ○ いちげきひっさつ! > 大胸筋が、めっちゃ、ピ…
[良い点] 日常はとても面白いです。もう少し多く書いてもいいです。 [一言] あとあとで終わりますが、新しい小説を書くことを考えていますか
2020/07/26 14:27 退会済み
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