状態確認-ステータスチェック-Ⅱ
三人とも別れたが、これからどうしよう。
「さて、どうしようか? ヴォーデくん」
「テメェ……前々からずっと思ってたけどよ、オレをおちょくってんのか?」
いや、普通にどうするか訊ねただけなんだけど。何か気に障る事でもあるのだろうか? もしかして、敬語を使えとか?
「もしかして、ヴォーデはまだサトルさんと三人で行くのを躊躇ってるの?」
「──そ、そんなんじゃねぇって。だから、そんな悲しそうな顔すんなよ」
ホント、シャロンに弱いな。ヴォーデくんは。
「なんだよ、ニヤつきやがって。なんか、文句あんのか?」
「い、いえ。文句ないです」
しまった。思わず顔に出ていたか、気を付けねば。
「じゃあ、なんでそんなにサトルさんに突っ掛かるの?」
「……一つ言っておくが、自分が言った言葉を曲げたりしねぇのは、お前だって分かってるだろ。オレが言いたいのは……いや、何でも無い」
なんだ? 勿体付けて。気になるじゃ無いか。
「……ヴォーデ、今は聞かないであげる。言いたいときには、言ってね」
「ああ、分かったよ」
まあ、いずれ話してくれるだろう。それまでに俺も気を付けないとな。
「サトルさん、状態確認をしないといけませんね」
状態確認。レベル、新しいスキルや魔法などどれくらい強くなったか確認する定例作業。
もちろん確認しなくても問題ないが、自身の状況が分からないと魔物との戦いで死ぬかもしれないし。定期的な確認は必須だろう。自身の成長を見るのも生き抜くに必要だからな。
俺達は受付の男に状態確認の予約を頼んだ。
「申し訳ございません。現在、状態確認が出来ません」
why? 何故?
「理由を教えて貰えませんか?」
「はい。ただいま、確認用の宝珠が定期メンテナンス中でして……」
定期メンテナンス? この世界の文明レベルは、中世欧州程度と思っていたけど、一部高度な技術があるようだ。
「宝珠とは、何なんですか?」
「申し訳ございませんが、それはお答えできません」
企業秘密的なものか。訊いてみるか。
「メンテナンスと言ったが、メンテナンスはどれくらい掛かるんだ? それと何処かで纏めてやっているのか?」
「メンテナンスには、約一ヶ月掛かります。それともう一つの質問は、詳しくはお答えできませんが、纏めて行っております」
なるほど。何処でやっているかは答えられない。そういう事だろう。
「では、どうやってメンテナンスをするんだ?」
「……それもお答えできません」
答えられるものが少なすぎるな。
「じゃあ、状態確認はその宝珠で行うのか?」
これぐらいは答えられるだろう。……あれ? 黙ってしまった。
もしかして答えて良いか迷ってる?
「悪かった。答えられないなら、それでいい。とりあえず最後の質問だが、次に状態確認出来るのはいつになるんだ?」
「……確認してきますので、少々お待ち下さい」
どうやら、すぐには答えられないらしい。それもそうか。下っ端に何でも答えられる訳もないしな。
あっ、受付の男が戻ってきた。
「お待たせしました。明日には戻ってくるとの事なので、明日の昼過ぎに再度お越し下さい」
明日か。仕方ない、今日は諦めて帰ろう。昨日から戦い続けてたから、疲れたし。
まあ、そんなこんなで俺達は宿屋に向かい、あらかじめ取っていた部屋に入るとベッドに倒れて意識を失った。
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翌日、軽めの朝食を取り、言われた通り昼過ぎにギルドへと来ていた。
受付は昨日と同じ男性で、俺達の姿を見つけると、慌てて駆け寄ってきた。
「ああ、皆様方。昨日は失礼しました。準備は整えております。第四講室へお入り下さい」
「ああ、ありがとう」
仕事が早い。準備を整えるために昼まで待たされたのか、それとも宝珠とやらが届くのが、昼頃になり、準備を素早く終わらせたのか。それは俺達には分からないけど。
まあ、とりあえず言われた通り、第四講室へ入ろう。
第四講室へ入ると、背が低く白髪で皺だらけの老婆が待っていた。どうやら、状態確認は老婆ほどの熟練者で無ければ出来ないのかもしれない。
「まずはアンビシオン様。続いてハーミンバード様、最後にサガミハラ様の順で状態確認を致します」
さて、どうなったかな? 少しは強くなったかな?
「よっしゃ、頼むぜ!」
最初は、ヴォーデくんだ。どうなんだろう?
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名前:ヴォーデ・アンビシオン
職業:冒険者
種族:人間族
LV:10
HP:195 MP:0
STR:31 DEX:17 VIT:12
AGI:9 INT:0 MND:0
LUC:2
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ページ2
剣:LV1 槍:LV1 斧:LV8 杖:LV-
短剣:LV- 弓:LV- 拳:LV-
火:LV- 水:LV- 風:LV- 地:LV-
氷:LV- 雷:LV- 光:LV- 闇:LV-
聖:LV-
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レベルは10か。冒険者で斧使いなだけあって、斧のレベルが高い。それはそうと、自信満々な顔をこちらに向けるのは止めて欲しい。
「次は私ですね」
次はシャロンか。気になるな。どれくらい強くなったか。
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名前:シャロン・ハーミンバード
職業:治癒師
種族:人間族
LV:18
HP:610 MP:180
STR:9 DEX:13 VIT:13
AGI:13 INT:35 MND:23
LUC:8
────────◆──────────
────────◆──────────
ページ2
剣:LV- 槍:LV- 斧:LV- 杖:LV9
短剣:LV- 弓:LV- 拳:LV-
火:LV8 水:LV1 風:LV3 地:LV2
氷:LV- 雷:LV2 光:LV- 闇:LV-
聖:LV10
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シャロンも、順調にレベルとステータスが上がっている。
さて、最後は俺か。
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名前:サトル・サガミハラ
職業:万能師
種族:人間族
LV:17
HP:780 MP:130
STR:40 DEX:38 VIT:35
AGI:11 INT:21 MND:12
LUC:5
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────────◆──────────
ページ2
剣:LV10 槍:LV2 斧:LV1 杖:LV1
短剣:LV1 弓:LV1 拳:LV1
火:LV9 水:LV2 風:LV1 地:LV1
氷:LV1 雷:LV1 光:LV1 闇:LV1
聖:LV3
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「──なっ!」
うん、順調に強くなってるな。ヴォーデくん、驚いているようだけど、そんなに驚くことかな?
「シャロンはともかく、なんでテメェもレベル高ぇんだよ!」
そんなこと言われても……。普通にレベル上げしてただけなんだけども。
「ヴォーデ、驚く事じゃないよ。私達は地道にレベル上げをしたから、ここまで上がったの」
「そ、そりゃあそうだけど……。くそっ、コイツが蜥蜴統率者を倒せたのは、シャロンとオレとあのジジイの援護があったから勝ったんだと思ってたのに……オレよりレベル低いと思ってたのに……」
いやいや。ヴォーデくん。君、レベルが低くのに一人で最奥地まで行けた事が凄い。
「それに万能師ってなんだよ。全ての武器だけじゃ無く属性魔法まで使えるなんて反則じゃねぇか!」
そんな事言われても。そもそも俺が、この職業に就こうと決めた訳じゃ無いし。気付いたら、この職業になってたんだから仕方ないじゃない。
「状態確認は終わりました。続いて取得したスキルは、こちらになっております」
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▼サトル・サガミハラ
・アクアボール
・ヒール
▼シャロン・ハーミンバード
・キュア
・アンチパラライ
▼ブラスト・メルフォース
・クロスバスター
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さて、俺は水属性の魔法と回復魔法を取得したな。水属性魔法は名前からして水の弾かな?
シャロンは回復魔法と補助魔法かな? 名前からして麻痺を回復するものかな。
最後にヴォーデくんだが、強そうな名前だな。名前からして斧の二連続攻撃かな?
まあ、新しいスキルを手に入れることが出来たし。結果的には良いことだ。
「絶対、テメェより強くなってやる!」
「張り合うのも良いだよ。でも、私達は仲間だからね。そこを忘れないでね、ヴォーデ」
「……分かってるよ!」
対抗心向けられるなんて、俺そんな凄い人間じゃないのに。まあ、それはそれとして。新たな仲間が増えたし良いか。斧使いの冒険者、ヴォーデ・アンビシオン。心強い前衛が加わった。




