食材について
第二部が始まった時点で街の辺りは春。
・林檎
イメージ的にはりんごが店頭に並ばなくなるかな、どうかな、くらい。
このりんごはこの辺りでは主要な農作物の一つ。
日本で流通しているような一般的なりんごよりは少し小さいが、姫リンゴとかよりは大きい。
作中でもあるように、様々な調味料のもとになっている。
具体的には発酵させたシードル系のお酒、更に蒸留したカルヴァドス系のお酒。
酢酸発酵をさせてリンゴ酢。ジャムの様な製法で塩を使って林檎醤などがある(非発酵)。
ちなみに、林檎醤は林檎の風味ののった塩飴みたいな感じの味。
いわゆる醤系とは違って深みがないのは林檎にタンパク質があまりなく、アミノ酸が足りないから。
ほとんどの場合は、ジャム状のままでもろみ醤油みたいな使い方をするが、絞って液体の醤油状にしたものも嗜好品として一部流通している。この場合、絞りカスの方は水と塩を足して再度煮詰めた二級品として出されるほか、乾燥させて卓上塩的使い方をするものもある。
もちろん、そのままでも食べるし、絞ってジュースにもするし、加熱して食べることもある。
スライスして干すことで保存食にすることもある。
調味料としての使用が一番多いが、普通にも食べるので時期によっては農村がすごく林檎の匂いになることも……。
皮や芯の部分は牛の餌にもなるが、与えすぎても良くないので、これも干して食欲のないときに与えるものとされている。
塩に関しては、鉱山とは少し離れた山の岩塩がある。採掘技術はあるので、そう高級品ではない。
鉱山跡からも岩塩は取れるが『なんだか錆び臭い気がする』として不人気。そちらもなんだかんだ、工業用(って規模でもないけど)としては使われている模様。
・ベース食材
リルの実(アリルの実と表記ブレがある! 申し訳ない)とリコの実は通年食材。
食材の役割的にもほぼほぼ、タマネギとトマトですねぇ、これは。
オーバンステップで『煮込み』というと基本的にはリコの実で煮込んだもの。
つまり赤い。たまに澄んだ煮込みもある。これは塩か林檎酢で煮たものが多い。
どちらも、ハーブ・スパイスを結構使う。
逆に少ないのは茶色い煮物と白い煮物。麦の粉をあまり料理に使用しない様子。
パンの材料としか認識していないのだろうか?
あとは、牛についての様々な事情(後述)があって、乳製品が殆ど無いのも関連しているかも。
・油
採油植物が余りないので少し高価。